女僧侶の物語~ストーリー~

ぴこちゅ

第1話 異世界への旅立ち

ここはどこだ。家で眠っていたはずなのに。

ふと目を覚ますと異世界にいた。その目の前には綺麗な女性が。




「ふむ、ま~こんなもんだろう」女性は言った。




俺は訳が分からずなんで自分がこんな所にいるのかが分からない。


昨日の夜に朝までBARで呑んでて帰ってきて意識を失うように眠った所までは覚えてる。

しかし、今の状況はあきらかにおかしい。夢にしては現実味がありすぎる。




そもそも夢の中って夢って気が付かないと思うけど。



「どうした、キョトンとして」目の前の女性は優し気にそう言った。



「どうしてこんな所にいるのかがわからないんですけど、夢の世界ですかね?」





女性は興味津々に俺を見てくる。


「私がお前を召喚したのだ」



召喚?は?何言ってんの。かといって回りは明らかに日本ではない。

森の中である。もちろんパジャマ1枚で。


その女性は自分の事を女僧侶だと言って自己紹介し始めた。



「いきなり召喚されて気が動転してるのか。仕方ない・・・・・・」




そういって女僧侶は今の世界(ヴァルディナ)の現状を話してくれた。


どうやら魔王とかいう存在が世界を脅かしてるらしい。


そして勇者は今のところ現れてはいないと。


この女僧侶傭兵みたいなもんか?と思った。





「今から魔王を倒しに行く。お前もついてこい」



そう言われて森を抜ける。



町並みが見えてきた。どうやら魔王の城の1番近くにある町らしい。




女僧侶は自身をリカと名乗りそう呼ぶように指示された。

リカは俺の服装を不思議そうに見ていた。





「おい、不思議な格好をしているな。お前防具を買ってやるから防具屋にいくぞ」



そういって防具屋に連れて行かれた。


一応異世界の住人らしい服にはなった。後衛系?みたいな。




「これから魔王の城に行って魔王を倒すぞ」



そうリカは言って防具屋を後にした。



「今日はちょっと召喚で疲れた。宿を取るぞ」



そういい宿を取った。

翌日魔王城へと着いていく羽目になった。

そして迷宮を潜り抜け配下を蹴散らしてくと魔王の広間に着いた。




「良くぞ来た歴戦の勇者よおま・・・・・・」




そういう魔王にリカは有無を言わさず攻撃を仕掛けて行った。



リカは魔王と戦っていた。




それも互角以上にだ。俺はその光景を目の当たりにしていた。



リカは護符を使い魔王を攻めてゆく。



圧倒的リカの強さ。俺はそんな彼女の足を引っ張らないよう物陰に隠れていた。



女僧侶ってあんなに強いのか。俺はあっけらかんとみていた。





「お前も戦え」




リカがそういうと魔王とやらに戦いを仕掛けろと指示をした。


一般人である俺は魔王なんぞとやらの最上級の魔物に対して何も手が無かった。


普通魔王ってゆうのはパーティが協力して倒すものじゃないのか?そう思った。


しかしリカは魔王っといっても、身長2m位の怪物に対して優位に戦っていた。




そして難なくリカは魔王にトドメを差した。



リカは女僧侶のくせに魔王を1人で倒したのだった。



「回復魔法でこちらは無傷のまま戦えたわ。あんなザコ相手にならない」



そういって魔王の死骸を蹴っていた。そして魔王が消えた後宝石を回収してた。




「これで王国で報酬が貰えるわね。あなたは何もしなかったんだから無報酬よ」


俺は言った


「元の世界へ帰してくれ。全然役に立たなかったし、俺なんていらないだろう?」っと。



するとリカはこう言う。

「戦力が欲しかったのだが召喚としては失敗だったな。残念ながら元の世界にに戻す方法は知らない。死にたくなければ私と一緒に着いて来い。精霊神ならばお前を帰す事ができるかもな」っと。



俺は唖然とした。元の世界に帰る方法を探らねば。一生こんな所で生活するのは嫌だ。


どうにかしてその精霊神とやらに会う必要がある。



リカは母国に帰るぞっと言い移動魔法を使った。


「リザーブ」そうリカが大声で叫ぶ。



一瞬で景色が切り替わる。



母国に入ると王の城に行き王に謁見を求めた。



すると王の元へ通された。



「そなたが魔王を打ち倒したのか。褒美はなんなりと好きなものを望むが良いぞ」王はそう言った。



すると外が暗くなり雷鳴が轟く。


頭の中に直接声が聞こえる。




「我が配下を倒した者よまだ世界は余の者だ。大魔王と言うべき我を討伐できるものならするがいい」




王様は混乱している。



リカは「報酬に庭付き一軒家を下さい。もちろん今後一切の税金は免除で」




そういうと王が「大魔王を倒した暁にはその願いを聞き入れてやろう」



「当初の目的を果たしたのですよ。褒美を下さい。大魔王なんて興味ないです」リカはそう言った。



「今頼れるのはそなただけなのだ。勇者は現れないし現状で大魔王に立ち向かえるのはそなたしかおらぬ」



「庭付き一軒家プラスいい男を紹介してくれるのなら、仕方ないです大魔王を葬ってきます」




リカはそう言い放った。



「大魔王を倒した暁にはお前をヴァルディナの勇者として認めよう」王がそう言った。



「僧侶で結構です」リカは王様に向かって言った。



「所でそこの者は誰じゃ?パーティメンバーか?」王様が不思議そうに俺を指差してそう言った。



「この者は森で異世界から召喚した者です。まぁ役に立ちませんが」そうリカが言う。



「お主も魔王を倒せば勇者として迎え入れようぞ」王様は俺にそう言った。



リカは魔王を倒した報奨金も貰っていた。


城を後にする。リカの話によれば前衛は必要ないという。



俺は臆病だから黒魔術士になって後方支援しろと言われてリカの知り合いの魔術士に預けられる事になった。


リカは美人だ、俺は嫁さんにしてもいいかな~とか軽い考えで黒魔術士の知り合いに預けられ修行をする事になった。



案外魔法って簡単に使えるもんなだなと感心しつつ初級魔法を覚えていった。

魔法(スペル)を唱えるだけで魔法が発動するのだ。

魔力切れになると倒れるけど。



俺はリカの知り合いの魔術師の元で魔法修行を行った。だいたい1週間で中級魔法まで使えるようになった。


リカが俺を引き取りに来た。師匠に礼を言ってるようだ。


そしてリカが食事に誘ってくれた。



「そういえばあなたの名前なんていうの?」リカが尋ねてきた。




「俺は林秀人」そうして過去の事を話しながら食事をする。



「じゃああなたヒデでいいわね。今後そう名乗りなさい」そう言われた。



元の世界に返してくれる精霊神とやらにいけないと会わないとと伝えると、そのうち会えるわよっとリカが言う。



俺みたいに異世界から召喚される者は珍しくないらしい。



召喚の際に固有スキルを習得すると聞いたが俺には何のスキルも無かった。



まずは大魔王がどこにいるのかについて話し合った。



どうやらまた違う異世界にいるらしい。



異世界へと通じる洞窟の話を聞いてそこに向かう事にした。



どうやら異世界へ通じる洞窟とやらも魔物が潜んでるようだった。


リカは問題ないと言いながらスタスタ歩いて行った。





道中に会う魔物もリカにかかれば瞬殺だ。





俺の出番は無い。



そうして空間の歪みがある部屋に着いた。



「これが異世界へと通じる扉か」そう言うとリカは迷わず飛び込んだ。



俺は少し躊躇したが勇気を出して歪みに飛び込んだ。

すると祠に転送された。



近くに町があるぞ。っとリカが指を差すと町へと向かう。



町に着いた。今日はもう宿を取るぞとリカが言うと宿に行った。



空き室が今は無いので相部屋でもいいですか?っと宿屋の主人は言う。



「別に構わん、空きがあって良かった」どうやらリカは俺を男として見てないらしい。ちょっとガッカリ・・・



まずは大魔王とやらの情報収集からだな。そういうとリカはベッドに横になり寝た。

俺はというと仕方なく木の床の上で寝た。


体が痛くて夜中何度も目が覚めた。


翌朝疲れもとれないままにリカに起こされた。



さっそく町のギルドに行くぞっと言われギルドに向かった。

ギルドには冒険者が詰掛け食事をしている。



リカは適当な冒険者に大魔王の城はどこにあるのかと聞いて回っていた。



「お嬢ちゃん1人で大魔王を倒すつもりかい?ここでパーティでも組んでいけよ」と冒険者は言うがリカは必要ないと答える。



ギルドで朝飯を食うとリカが大魔王城は北の果てにあるという情報を教えてくれた。


さすがに北の果てまで歩いていくのは無理だろうといい北に村があるというのでそこに向かう事にした。



町を出ると「ヒデあなたが戦いなさい。か弱い女の子から魔物を守るのが男ってもんだわ。」



魔王を1人で倒しておいてどこがか弱いというのだ。



北の村に着く道中の魔物は俺が倒して行った。さほどの強さではなかった。俺の魔法でも倒せる。



村に着いた。もう日が暮れている。リカは宿を取った。今度は別々の部屋だ。今日は魔力をちょっと使いすぎた。ゆっくり眠ろう。そう思いグッスリと寝た。



翌日村の住人に大魔王城の聞き込みを行った。するとさらに北の街のギルドなら有力な情報を持ってるかもしれない。そう住民は答えていた。



そして早速北の街に向かう。道中俺が魔物を退治してリカは着いてくるだけだった。



魔物を倒すと小さな宝石になる。それがこの世界ではギルドで換金して通貨として使えるようであった。



そうして街に着く。もう夜だ。

リカは宿屋を見つけると俺を呼んだ。

そして1夜明けた。翌日魔力が回復してるのを確かめるとリカが部屋に来た。



そしてギルドへと向かった。



リカはギルドの人達から情報収集をした。手際がいい。

すると大魔王城は北の最果ての海に浮かぶ古城だという情報を得た。


そして大空の覇者、飛竜の話も聞いて来た。


まずは飛竜を飼いならす必要があるらしい。


そして精霊神の塔の情報も聞いて来た。



とりあえず飛竜の巣に向かう事にした。どうやら山の天辺に飛竜がいるようだった。



リカは軽々と岩場を駆け抜けて行く。俺はやっとの思いでついていくと飛竜の巣に着いた。



飛竜は「我が力を欲する者よ。力を見せろ。」そういって襲い掛かってきた。



リカは懐から護符を出し、自身を分身させ対空魔法を一斉放射した。



俺も加えて中級魔法を放つが当たらない。



リカの対空魔法が直撃し飛竜は落ちてきた。




「汝の力見せてもらったぞ。我が力存分に使うが良い。何が望みだ」




リカはヒソヒソと飛竜と喋り始めた。



まずは精霊神の塔に行く事になった。飛竜の背中に乗せてもらって大空を舞う。



普通塔ってのは1階から苦労して上がるものだろうが飛竜に乗せてもらったおかげで難なく頂上に着いた。



リカは石碑に祈りを捧げると光の球が空から舞い降りてきた。



そして光の球は自分が精霊神だと名乗った。



俺は精霊神に元の世界へと戻してくれとお願いした。



しかし大魔王の力で精霊神の力も弱まっているので大魔王を倒さないと無理だと言われた。



リカは大魔王に対抗する武器をくれと言っていた。



そして空から虹色の剣が舞い降りてきた。



リカはそれを受け取るとヒュンヒュンと素振りをした。



「人間達よ、大魔王を倒す事を願っています。さすれば我が加護を与えましょう」そういって光は消えた。

俺は結局何も貰えなかった。


そして飛竜を召喚すると大魔王の住む古城まで乗せてもらった。


リカは飛竜に待機するよう命じると城の中に入っていった。



特に迷路になってる様子は無く入り口から入ってすぐ大扉があって開けると自称大魔王とかいうやつが話しかけてきた。



「魔王を倒したのはお前か。我が部下を倒した事、そして我に背いたことを後悔させ・・・」



話しの途中でリカが大魔王に襲い掛かった。



俺も後方から中級魔法を放ったが全然効いてない様子だった。



リカは懐から護符を出すと今度は10人の分身を出した。



どうやら1体1体の能力はそのまま引き継げるようだった。

そして虹色の剣を持つ10人のリカ達が大魔王を蹂躙してゆく。



懐からまた護符を出すと辺り一面炎に包まれた。


俺は隠れてリカを応援していた。


すると大魔王が叫び声を上げて倒れ炎の中に倒れてゆく。


炎に焼かれてゆく大魔王。再びリカが護符を出すと大魔王に向けて護符を投げつけた。するととんでもない爆発が起きた。




古城の半分が吹き飛んだ。




これで終りね。そういうとリカは爆発後の宝石を回収していった。



しかし世界は闇に閉ざされたままだった。



古城を後にして精霊神の元へ向かう。


そして精霊神の塔の天辺の石碑でリカが祈りを捧げると精霊神が舞い降りてきた。

そして精霊神は言う。「この世界には4体の大魔王が居ます。あなた達が倒したのはその中の1人です。残りの3人も倒してください人間よ」



嫌よ面倒くさい。なんで私がそこまでしなきゃならないの?大魔王を倒したんだから王様から褒美を貰って素敵な旦那様と幸せに暮らすわ。



精霊神もとまどっている。なんとか精霊神はリカを説得した。

それであと3体の大魔王はどこにいるの?そうリカが問いかけるとそれぞれ別の世界を支配してるらしいとの事。



「あなた達の元住んでる世界から異世界へ行ける」そう答えてくれた。



とりあえず王様に報告ね。リカは飛竜に護符を取り付けると巣に帰るよう命じた。



リカの移動魔法が発動する。一瞬で国に帰ってきた。



「リザーブ」リカが呪文を唱えた。景色が一瞬にして変わる。




王様に報告したいと衛兵にいうと王様のもとへと案内された。



大魔王は倒しました報酬を下さい。リカはそう言った。他の3体の大魔王の事は隠して。



あの後他の大魔王からも脅しがあったという。リカはチッと舌打ちした。



他の大魔王も全て倒した暁にはそなたの願いを叶えてやろう。



最初大魔王だけでいいって言ったじゃないですか。お望みどおり大魔王を倒してきましたよ。



大魔王が他にもいるとなった以上、全ての大魔王を倒してくれ。



そんなの面倒くさいです。他の冒険者がやればいいじゃないですか?勇者はまだ現れないんですか?リカが言った。



勇者は家系で産まれる者だ。ちなみに勇者は今8歳じゃ。



じゃあ勇者の父親が倒せばいいじゃないですか?リカが王様に問う。



勇者の父親は魔王に殺されてしまったのだ。今は幼い勇者の成長を待ってるヒマはない。



そんな弱い勇者なんて必要ないじゃない無いですか。私が全魔王を抹殺すれば願いは叶えてくれるのですね?リカが問う。



「そういうことじゃ。期待しておるぞ。」



王様から大魔王討伐の報奨金をリカは受け取っていた。



そして城を後にした。






なんて他人行儀な王様なの?基本的に他力本願じゃない。ヒデもそう思うでしょ?



力のあるものが戦うのは当然じゃないか?と思った。


しばらくは休憩しようとの事で1週間位リカの家で休息しようとリカは言い出した。


食ってはギルドに行って酒を呑み。酔いつぶれるリカがリバースするので背中をさすりながら家に帰る。そんな日々が続いた。



魔王討伐で莫大な報奨金が入ってるから当分遊んで暮らせるとの事。



1週間が経ちリカは大魔王を倒しに行くと二日酔いで騒いでいた。



俺はギルドに行き冒険者カードを作るようにリカに言われた。



冒険者カードを作るとレベルとステータスが見れるらしい。



俺は冒険者カードを作ると自分のレベルと能力を確認した。




LV14・・・・・・まだまだだ。



リカにレベルを聞いてみた。



するとリカは自分の冒険者カードを見せてくれた。レベル738!こりゃ魔王1人で倒せるな~と密かに思った。



ギルド内で異界の洞窟の話をリカは聞いてきた。



街の外に出るとリカは護符を取り出し何か唱え出した。



すると飛竜が召喚された。飛竜に乗ると異界の洞窟にいけと指示した。



あっというまに異界の洞窟についた。


リカは飛竜に戻れと言って巣に戻した。



洞窟に入ると3つの扉があった。


リカは1番右から行くといい俺はリカに着いて行った。


扉をあけると広間があり空間の歪みがある部屋に着いた。



リカはヒョイっと空間の歪みに入る。俺は少し遅れて空間の歪みに入った。


するとまた異世界の祠に着いた。




遠くに街が見える。とりあえず街を目指す事にした。


街まで来る間に魔物には会わなかった。


街に着くとギルドへ行きリカは情報収集を始めた。



この世界の大魔王は邪悪な存在ではないため魔物は少ないという。


そして東の果てに大魔王城があるという情報も持ってきた。


リカはとりあえずギルドで食事を頼み酒を呑んだ。



リカが酔っ払い始めると俺は外に出て宿を探した。



宿に予約を取るとギルドに戻った。リカはもう出来上がっていた。



リカに宿を予約したというと宿に向かう。途中リカが道端にリバースする。



俺は背中をさすってやり大丈夫か?と声をかける。まだまだイケるとリカは答えた。



宿に着くとベッドにリカを寝かせた。どうやらすぐ寝たようだ。



俺は書置きを残し隣の部屋で寝た。



そして朝が来た。よく眠れた。



リカを起こしに行くとまだ起きてなく、しかも寝起きが悪かった。リカは起きると気持ち悪いと言った。二日酔いになってるようだった。



リカを連れて街の外に出るとリカは飛竜を召喚した。



そして飛竜の背に乗り大魔王城まで向かうように言った。



大空を移動出来る事によって難なく十分程で大魔王城に着いた。



大魔王城は簡素な作りになっており扉を開けると大広間に辿り着いた。



大広間には誰も居なかった。石碑が1個部屋の中心に置いてあった。



リカが石碑に祈りを捧げると、大魔王と名乗る妖精が現れた。



「この世界は私の支配下にある。しかし人間に悪さをするつもりはない。人間の守護者光の精霊よ」と大魔王と呼ばれる妖精は言った。



リカは大魔王と話をしている。


そして一緒に他の大魔王を倒そうと妖精は言った。妖精は倒されると人間への加護が失われると言っていた。


案外いい奴なのかもしれない。妖精は自分の事を『ピノ』と名乗った。


普段は隠れて呼ばれたら出てくるという話だった。



この世界での大魔王はあっけなく仲間になった。



そしてリカはリザーブの移動魔法を唱える。すると周りの風景が一変し、異界の祠の前に着いた。中に入って今度は中央の扉を開くと空間の歪みがある部屋に着いた。



リカとピノは空間の歪みに入ってゆく。俺も遅れて空間の歪みに飛び込んでいくとやはり祠に着いた。



近くに街が見える。魔物もウヨウヨしている。



俺が先陣を切り魔法で魔物を倒してゆくとリカは後ろから着いてきた。



そして街に入るときピノは姿を消した。



とりあえずお決まりのギルドでの情報収集だ。



この世界の大魔王は凶暴らしく、よく街に攻めてくるという情報を得た。



この街の冒険者は強いらしく大魔王が来ても追い払えるとの事だった。



前回大魔王が攻めてきたのは1週間前。そろそろ大魔王が攻めてくるんじゃないかとギルド内で噂になっていた。



リカは大魔王が来るのを待つと言っていた。




そして昼間からお酒を呑んでいた。俺は道すがら倒した魔物の宝石を換金した。




リカは先に宿を取るといい、宿を予約した。

そしてギルドに戻るとまた酒を呑み、つまみを頼んだ。



リカと雑談してみた。


歳は何歳か聞いたら26歳だという。俺は28歳だと言った。するとリカは俺の事をずっと年下だと思ってたらしい。ま~役に立たないからそう思う気持ちはわかる。

今後の大魔王が攻めてくるまでの間何をするか相談した。

するとリカはずっと呑んでるという。アル中なんじゃないかと思った。



日が暮れ夜になってもリカは呑み続け夜中になった。



大魔王は来ないと分かるとリカと一緒に宿に戻った。



宿に戻るとピノが姿を現した。ピノは次に大魔王が来るのは3日後だという。



なぜ分かるのか聞いたら予言が出来ると言う。



リカは3日間は呑み続けると言った。



そうしてだらけた生活が2日間続いた。リカは呑んではリバースしての繰り返しだった。その度に俺は背中をさすってやる。



3日目の朝リカを起こしに行くと2日酔いだと言って2度寝した。



しょうがないからリカの側に居てピノと喋ってた。



「今日の15時に大魔王はこの街に来る」ピノはそう言った。



チェックアウト時間が近づいて来たのでリカを起こした。



そしてギルドに向かうとリカはまた酒を注文した。



今日の15時に大魔王が攻めてくるらしいとピノに言われた事を言った。



「呑んでても大魔王如き敵じゃないわ」そうリカは言った。



15時前にはリカはもう泥酔していた。こんなんで大魔王を倒せるのか?そう思った。



15時が過ぎ空が急激に暗くなる。



すると街の上空に大魔王とその手下がやって来た。


街の冒険者が大魔王の手下の相手をする。



冒険者は意外と強かった。次々に魔物の群れを殲滅していく。リカを呼ぶとリカはふらついて外に出てきた。



ピノが姿を現し「スネークバインド」と唱えると大魔王は地上に引きずり下ろされた。



大魔王はピノを見ると「これはこれは大魔王ピノではないか。不戦条約を忘れたか?」と問いただした。ピノは「人間に害をなすものは許せない」そう言った。



リカがダルそうに大魔王の前に立った。



懐から護符を出すと10人のリカの分身が出来た。しかしリカがリバースすると分身も一斉にリバースした。



「あんたなんてサクッと倒してあげるわ」リカがそう言うと10人のリカが大魔王に襲い掛かった。



リカ本体は気持ちが悪そうだった。



分身が大魔王を翻弄してゆく。3mはありそうな怪物だ。ピノも大魔王に魔法攻撃を仕掛けてゆく。大魔王に止めを刺しにいくリカ。そして大魔王はリカの剣に刺され絶命した。



街のギルドの連中が歓喜に沸き上がった。リカは大魔王の死骸を護符で焼ききるとデカイ宝石を回収した。



そのデカイ宝石をギルドで換金してくるように言われたので、俺はギルドで換金し数十枚の金貨をリカに渡した。



するとまたリカは「今日はあたしの奢りよ!祝杯だ~!」と言ってギルドの連中と一緒に呑んでいた。




俺も少し酒を呑み、ほろ酔い気分になる。



そして泥酔したリカを連れて宿に戻る。残る大魔王はあと1匹だ。



リカをベッドに寝かせるとピノと少しお喋りした。



ピノは大魔王を名乗る事は止め光の精霊を名乗ると言う。



そして最後の大魔王の情報も話してくれた。



大魔王の中で最大の力を持つ大魔王らしい。



そんな奴に勝てるのか?っとピノに聞いたらリカの方が多分強いだろうと言った。



予言でリカが大魔王を倒してる姿が見えたのだという。



そして俺は眠りについた。



翌日起きたら9時だった。慌ててリカを起こしにいくとまだ眠いなどと言っていたが、強引に起こした。



リカはまた二日酔いで起き上がって着替えた。着替え中俺は部屋の外に出ていた。



着替えが終わってリカが部屋から出てくる。気分が悪そうだ。



ギルドに行って迎え酒よ。そう言うリカを街の外に連れ出した。



「大魔王を倒しにいくんだろ?呑むんだったら次の街で呑めばいい」そういって強引にリザーブを使わせた。景色が一変する。



異界の祠に着いた。移動魔法で酔ったといいリカがリバースする。俺はまた背中をさすってやる。



異界の祠に着くと今度は左の扉に入った。残る扉は1つだけ。



そして部屋に出ると時空の歪みがあった。




リカは時空の歪みに飛び込みピノもそれに続く、俺はワンテンポ遅れて時空の歪みに入った。



またしても祠に着いた。



近くに大きな街が見える。リカは歩きたくない。休んでいくと言ったが俺がリカをおんぶして街まで運んだ。


ギルドに入るとリカは元気を取り戻していた。


さっそく酒を頼むと一気に呑み情報収集を始めた。



俺もギルド内で大魔王の情報を聞いた。



すると西の最果ての地に大魔王の城があるという情報を掴んだ。



リカは明日出発するといい酒とつまみを頼んだ。



「ヒデもたまには付き合いなさいよ」そう言って俺はリカの酒に付き合って雑談していた。



「護符って俺でも使えるのかな?」俺はリカに聞いた。すると「レベルが高くないと効果は薄いわね」と言われた。何枚護符を持ってるか聞いたが、護符は使用する前に紙に書いてストックしてあるという。


俺もリカも相当酔っ払い、宿に向かった。



そしてリカをベッドに寝かせると俺も部屋に行った。



ピノと少し話して俺は寝た。



朝起きると頭が痛かった。ピノにリカを起こさせに行った。しかしピノは戻ってきてリカが起きないと言った。しょうがなく俺がリカを起こしに行った。目覚めは相当悪く起こすのに数分かかった。


リカは気持ち悪いというと、お酒呑むの止めたら?と俺は言う。


しかしリカはお酒呑むのを止めないという。



「ちょっと勢いつけていきましょ」そうリカが言うとギルドで酒を注文した。



完全にアル中くさい気がした。



1杯呑むと街の外へ出て飛竜を召喚した。


リカは飛竜と何か話してる。そして飛竜の背中にのると猛スピードで大空を駆け抜けた。



リカはテンションが高いようだった。空の上ではしゃいでいる。



そして大魔王城へと着いた。かなり大きめの建物だった。



中に入ると複雑な迷路のような場所だった。魔物も沢山生息している。


しかしテンションの高いリカに魔物は瞬殺され俺は宝石を拾い集めていた。


迷宮の案内役はピノがしてくれた。




ピノは何度もここに来た事があるという。特に迷う事無く大魔王の居る広間まで辿り着いた。


「よく来たな愚かな人間よ。ここで我に喰われるがよい」そう大魔王が言った。



「あんたこそここで倒されるのよ。覚悟しなさい」そういって大魔王を挑発した。



「人間界を荒らすのは止めなさい」ピノが言う。



「お~そこに居るのは大魔王ピノではないか。人間と組んだのか?」



ピノは大魔王に精霊になった事を伝えると大魔王は激怒した。


大魔王は体長5mはありそうな化物だった。

リカは懐から護符を数枚出すと分身が20人位現れた。



そして大魔王に突撃してゆく分身達。魔王は翻弄され慌てていた。


「こうなったら奥の手を使うしかないな」大魔王がそう言うと呪文を唱え始めた。


すると大魔王はリカの姿になった。


「これで互角だ。いざ勝負。」リカの姿になった大魔王は言った。

しかし20人の分身とピノの前ではなす術も無かった。


リカは大魔王に止めの一撃をさすと懐から護符を取り出し大魔王に向けて放った。


すると城の半分が吹き飛び大魔王はデカイ宝石になっていた。



俺はまたしても何もできなかった。

外が見えていたのでリカは飛竜を呼び出す。



そして飛竜に乗って街に戻った。辺りは光に包まれている。



大魔王を全て倒した事によって世界は光に包まれたのだ。



街に戻るとリカは真っ先にギルドへ向かうと酒を注文し呑んだ。



「私の手にかかれば大魔王なんて単なるザコだわ」たしかにその通りかもしれない。ピノは人間に姿を変えるとリカと一緒に呑んでいた。



リカとピノが仲良さそうに喋る。

「ピノは私の家に住むといいわ。大豪邸が待ってるんだもの」リカはそう言った。



「じゃあそうしようかしら。城の石碑にいても暇だし」とピノは言っている。



「ヒデも私の家に住んでいいわよ」リカがそう言う。


しかし俺は帰りたいと言った。



ギルドで大魔王を倒した宝石を換金してこいと言われ、俺はギルドカウンターで換金してリカに金貨を数十枚渡した。


その日は夜中まで3人で呑み続けた。



そして泥酔するリカと俺を連れピノは宿屋まで運んだ。



翌日起きたら頭が痛くて気持ち悪かった。完全な二日酔いだ。


リカの部屋へ行きリカとピノを起こす。


リカとピノも気持ち悪いと言いながら宿を出た。



王様に報告しに行くわよ。そう言ってリカは移動魔法リザーブを詠唱した。





一瞬で景色が変わる。





母国に着くと城へ向かった。衛兵に事情を話すと王様の前まで連れられた。



王様はよくやったと言う。



リカは家具付き大豪邸を望んだ。もちろん税金は免除で大魔王討伐の報奨金もくれと言っていた。



王様は今は使ってない貴族の屋敷があるからそこを与えると言った。



王様は俺にも褒美をくれると言ったが何もしていないので断った。



リカは王様から大金を受け取ると早速貴族の屋敷へと向かった。



「広くてなかなかいいわね。まぁ男は手に入らなかったけど。」リカそう言った。



人間にの姿に変身したピノとギルドで呑むと言い出した。


俺はしょうがなくリカに着いて行った。どうせ吐くまで呑むんだろう。そう思った。



「ヒデも呑みなさい。今日は私のおごりよ」リカはそう言って酒とつまみを注文した。



ギルドから冒険者が集まってくる。「あんたが大魔王を倒したんだってな。噂になってるぜ」冒険者の一人がそう言った。




「大魔王なんてチョロイわよ。もっと強い敵と戦いたいわ。」リカが気分良さそうに言う。




俺はギルドのカウンターで冒険者カードを更新してもらった。



レベル30になっている。リカにくっついていっただけなのに俺もレベルが上がるのか。そう思った。


リカがギルドの中心で盛り上がっている。冒険者も巻き込んで。


リカに近寄ると精霊神の元へと連れてってくれと言った。



「今度ね、今度。今は一緒に呑みましょう」そうリカが言った。



今度っていつなんだ?俺はそう思った。


酒飲みは夜中まで続いた。


そして泥酔したリカとピノを連れてリカの屋敷へ行く。


ベッドがある部屋にリカとピノを寝かせると俺はリビングで寝た。


朝が来て目が覚める。俺はリカとピノを起こしに行った。



「あと10分。」そういってリカはまた寝ようとした。



そしてピノを起こした。頭が痛いと言っていた。妖精の姿に戻ると俺の肩に乗っかってきた。しょうがないからリカをほっといてキッチンに向かった。食材はあるようだ。



俺は朝飯を作った。そしてまたリカを起こしに行く。




「朝飯できたぞ~」そうするとリカは、頭痛いと言いながら起きて来た。


3人一緒に食事をする。精霊でも飯は食うんだな。そう思った。

今日は精霊神に会いに行くぞ。俺はそういうとリカは面倒くさいと言った。


俺の人生がかかっているのだ。駄々をこねるリカは少し可愛かった。



リカは着替えをするとギルドに行きましょうと言う。



今日はお酒は無しだ。精霊神の元へいくぞ。そう言うと、「1杯だけ。ね?」っと言った。



しょうがないからギルドへ向かう。そしてリカはお酒を頼んだ。



そしてリカに酒が入ると急に元気になった。陽気なやつである。



そしてピノと共に街の外に連れ出すとリザーブを使わせた。


精霊神の塔の頂上に着く。外から行かなくてもいいのか?俺がそう聞くと一度行った場所なら移動魔法で行けるとの事だった。なんて便利なんだ。そう思った。


俺が精霊神の石碑に祈りを捧げても何も起きなかった。



「徳が足りないからよ」そう言うとリカが石碑に祈りを捧げた。


すると大きな光が空から舞い降りてきた。



「よく来ましたね勇者達よ。あなた達の望みを叶えましょう」そう精霊神が言ってきた。



「あんたなんてケチョンケチョンにしてあげる」ピノはそう言って光に攻撃した。どうやら精霊と精霊神は仲が悪いらしい。



俺は精霊神に元の世界へ返してくれと言った。



すると願いを叶えてくれると言う。



リカにお別れの挨拶をすると、またすぐに会えるわよ。リカがそう言った。





俺は光に包まれた。





ピノは精霊神に必死に攻撃している。



リカの笑顔を見ながら世界が真っ白になった。



次の瞬間俺は現実世界での家で目が覚めた。



日付を見るとBARで呑んだ次の日だった。



全て夢だったのかな?そう思うと会社に行く用意をした。



そうして1ヶ月が過ぎた。



リカとの激闘の日々を懐かしく思った。



1人で居る時に魔法も使ってみたが発動しなかった。



そりゃそうか。そう思い日々を過ごしていた。



とある日BARに呑みに行った。そして泥酔して家に辿り着いて、リカに買ってもらった異世界の服をなんとなく着て寝た。



すると目が覚めるとまた見慣れない世界に戻っていた。





リカが笑顔で言う。「また会えたね♪」俺はまた異世界に召喚されてしまった。





To be continued?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

女僧侶の物語~ストーリー~ ぴこちゅ @Pikochu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ