後日談

『勇者、魔王を討伐する』と国中では恐怖の終わりに喜んだ。


 ある人は勇者を称え、ある人は宴を開き、ある人は勇者の銅像を作った。街や村のどこを見ても、勇者を称える声で溢れんばかりに盛り上がっていた。それは国王も同じで、毛並みの整った白いひげを撫でた。


「魔王を討伐するとはよくやった。それでだ。勇者はどこにいるのだ?」


 国王が疑問を問いかけると、従者が心苦しそうな表情で耳打ちをした。


「それが……勇者様も……」

「何っ!? 勇者が……!?」


 王は唸るが、すぐに顔を明るくさせた。


「命がけでこの国を救うとは、あの勇者は英雄だ!」


 それからは勇者に対する待遇が凄まじかった。勇者がいた村は豪華な墓が建てられ、子供は勇者の武勇伝を聞かされ、勇者のようになれと言われるようになった。


 めでたし、めでたし


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終焉のためのハッピーエンド 葱巻とろね @negi-negi

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