第5話 外の世界を探索してみると、俺の運命を変える人が現れる

さて、屋敷から外に出たわけだが……。


「なんだこれ?」


目の前には一面の畑が広がっているのだが?


(見たことがない作物ばかりだな?)


「これはメロンだね」


後ろから声をかけられる。


振り返ると、そこには一人の老人がいた。


(誰だこの人?)


俺は首を傾げる。


(もしかして、ガンプ爺さん?)


『RE:ゼロ・ブレード・アーティスト・オンライン』におけるお騒がせキャラだ。

意外に重要な役割を持っていて、こいつがしでかした事件がのちに、俺の運命を変えたりすることになる。


(本当にそうなのか?)


半信半疑だが、話を合わせることにした。


「まちゅ?」

「ああそうだよ」


お?正解だったらしいぞ! ならば……。


「うーまーいーでしゅ!」


よしっ!言えたぞ! ゲームでは選択肢を選ぶだけだけど、現実は違うな。

ちゃんと発音できるかどうか不安だったが、ちゃんと言えたようだ。


「そうかい?ありがとうね」


そう言ってガンプ爺さんは嬉しそうに去っていった。


(やっぱりガンプ爺さんなのか……)


いやでも待てよ?

確かゲームではセリスがメロンの種を持ち込んで、それが広がって栽培されるようになったんじゃなかったか?

だが、既にメロンはある。


(もしかして、俺じゃなくてもう誰かが持ち込んだのか?)


そうかもしれない。

そう考えると辻褄が合うな。

セリスが持ち込んだから栽培されたのではなく、元々栽培されていたものがセリスのせいで広まったとか?

いや……わからん……。


(でもこれで収穫量が増えれば、村は豊かになるんじゃないか?)


そう考えれば悪いことではないよな?


(まあいいや。とりあえず情報収集をしないとな)


「ばあぶ」



(さて、どうしたものかな……?)


さらに、外を歩き回ることにした。

まずは畑を見て回る。


(初めて見るものばかりだ)


それに見たことのない虫も飛んでいる。

だが、不思議なことに嫌悪感はない。


(俺は虫が平気だったかな?)


いやでもゲームの中で飛んでいた昆虫は平気でなかったはず……。


(まあ転生したばかりだしな)


深く考えるのはよそう。

ちなみに今の俺は赤ちゃんだから、普通に喋ることも難しいし書くこともできない。

両親には「ばあぶ」くらいしか喋れないと思われているようだ。

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影の支配者に憧れて~転生したのは聖女を殺す悪役でした~回避するためにはどうするか!? うんこ @yonechanish

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