2024/8/6 完結

 6/16。葉ネギが発芽し始める。早く育ってくれないと置き型エアコンが出せない。わたしの部屋には壁のエアコンがなく、窓にダクトをつなげるタイプの置き型エアコンを夏になると出してくるのだが、葉ネギが窓のスペースをちょうどダクトぶんくらいとっている。頑張れ、大きくなれ、と念じながら世話をする。


 6/23。ジャガイモの葉っぱが虫に食われて大変なことになったのでマイルドそうな殺虫剤を購入。家にあった花用殺虫剤はジャガイモには使えなかった……。まあ花と食べ物では薬が違って当然である。安心なのが大事だ。


 6/24。マイルドそうな殺虫剤を試す。弱りすぎていると害があるらしいのでビビりつつプシュプシュやるものの、殺虫剤の効能のなかに今回調べたら出てきたジャガイモの害虫はいなかった気もする。晴れたら陽当たりのいいところに移動しよう。

 ついでに書くけど切り戻ししたナデシコが復活して咲いてニッコリ。切り戻し遅れて全滅しかけたやつも芽が出てきた。本当に切り戻しって意味があるんだなあ……。


 6/26。アジサイが茂ってジャガイモが日陰になってしまったのでジャガイモの鉢を移動。元気を取り戻せるだろうか? それから葉ねぎに水やりする。


 7/18。葉ネギを収穫した。納豆に入れて食す。おいしかったけど収穫した部屋がネギくさくなった。それがネギの宿命……とりあえず再度の収穫よりエアコンを優先したいので、謎土には大地にお還りいただいた。感謝。


 7/30。ジャガイモの地上に伸びているふた株のうち片方がしおれてきた。そろそろ収穫だろうか。えねっちけーEテレの「趣味の園芸やさいの時間」ではとっくに収穫していたのでたぶん大丈夫なはず。


 8/4。ジャガイモの収穫を決意する。ただし外はヤベェ暑さとヤベェヤブ蚊なので朝早くにやりたいとスケジュールと睨めっこするなどした。


 8/5。明日の夜に雨の予報が出た。これは明日の日中にジャガイモを収穫しなければならない。とりあえず朝早くは朝ドラの特別編成などで無理そうなのでお昼にやろうと考える。新聞紙を敷いてバケ土をひっくり返せばすぐ終わるのではないだろうか?


 8/6。うっかり4時半起きする。なんでや……。しかし芋を掘るぞ! と意気込み、まさにイモなジャージを着て園芸手袋をしジャガイモ掘りを開始する。

 新聞紙を広げてそこにダバーッとバケ土の中身をあけ、期待に胸を膨らませて土の塊をほぐしてみるも、芋らしい姿は食べられそうにない小芋がふたつ……。


 無念の大失敗でした!!!!


 収穫ゼロの理由の可能性としては、水やり不足と陽当たり不足、害虫に食われまくった事が考えられる。ぜんぶじゃん!!!! そうだよぜんぶわたしが悪いんだよ!!!! それを思うと昔の牧場物語の序盤でジャガイモをドンドコ生産できるのが羨ましい。チートスキルじゃん(チートものではありませんがジャガイモラノベが読みたい方には佐々木鏡石著「がんばれ農強聖女」シリーズがおすすめです)!!

 一つの種芋からは茎が出なかったので、それも収量が足りない理由と思われる。なお種芋は土のなかで皮だけになってクチャクチャになっていた。

 今回のジャガイモは残念な結果だったが、とても楽しかったので懲りずにまたやりたいと思っている。バケ土でなくポテトバッグだったら似たようなやつを「趣味の園芸やさいの時間」でやっていたのでいけるかもしれない。というか家庭菜園自体をもっと色々やってみたいと思った。


 おそらく、容器の中で成長してどういうふうに実るのかわからないジャガイモなどのイモ系野菜より、トマトやピーマンやナス、あるいはレタスやバジルなんかのほうが育てやすいのではあるまいか。

 ただジャガイモというものがどういう構造なのかわかったのはとても面白かった。地面の下の茎にぶら下がる姿はあつ森のジャガイモに近い。まああつ森のジャガイモみたいにイモが露出していたら緑色の毒ジャガイモになると思うのだが。

 えねっちけーの「趣味の園芸やさいの時間」の畑みたいにたくさん穫れたら楽しいだろうな、と思ったが、あれはプロのスタッフが面倒を見ていて、植え付けと基本的な世話と収穫だけタレントがやって映像になっているわけで、ああいうふうにドッサリ収穫するのはシロートには難しかろう。


 目標だった「自作のジャガイモでカルビーのポテチ味のフライドポテト」とはいかなかったが、なぜ小学校で夏休みにアサガオやミニトマトを観察させられたのかが分かる気がする。植物が育っていく様子はとても興味深い。

 趣味で長いこと育てている多肉植物はジワジワとしか育たないので、やはり野菜を育てるのは楽しい。

 途中なぜかネギを育て始めたりナデシコの切り戻しをしたりと脱線したが、とにかく楽しかった。


 Xがツイッターだったころは元気だった「外国人名言集」という国際人材会社のアカウントのツイートで、中国語では「イモ掘るしかない」という言葉を「努力するしかない」という意味で使うのだと言っていた。

 もうちょっと努力できればおいしいお芋さんが実っていたのかなあ……と思ったが及ばずであった。

 しかしこれは伸びしろですやん。来年もイモを植えるぞ、そして他の野菜もやるぞ。絵画教室の先生のように戦争に備えているわけではないが、家で野菜がとれたら嬉しいことは葉ネギが証明してくれた。ありがとう葉ネギ! ごめんよジャガイモ!(了)

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ジャガイモ栽培記録 金澤流都 @kanezya

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