4 この幸せをいつまでも

ニャン太郎が毎日来てくれるようになって、今ではいないと不安になってしまう存在となった。しかし彼女は野良猫で家の中に居続けることは難しそうだ。今だってただカリカリのために立ち寄っているだけかもしれない。「うちの子になるかい」と問いかけるが気ままな今が好きなのよという顔をしている。ネコは神様からのプレゼントなんて話を聞いたけれどほんとうにそうだと思う。

神様が届けてくれたのならどうか神様に伝えたい。ニャン太郎のいる世界がとても素敵だと。この幸運をありがとうございますと。願わくばニャン太郎があと10年側にいてくれますように。今の健やかな姿で遊びに来てくれますように。

庭木に留まった小鳥を狙ってお尻をフリフリしながらいつも狩りに失敗するニャン太郎を見ながら、澄んだ冬の終わりの空を見ながら、一人静かに心から祈る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

猫が来ました @ikshi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る