【最終回】本番

 父さんが母さんの容態に合わせて出張の予定を変えたので、明日帰ってくる事になった。俺達のも、明日から今日に切り替える事にした…。



 放課後になり、俺と舞は一緒に彼女の家に入る。すると入って早々、舞子さんが来てくれた。


「2人共。話したい事があるからリビングに来てちょうだい」


「わかったわ」

「はい」


何の話だろう? 舞子さんの表情から推測すると、悪い話じゃないような…?


リビングのテーブルの椅子に座る俺達3人。それからすぐ舞子さんが口を開く。


「私の勘違いだったら悪いけど、今日するつもりかしら?」


何をするかは言うまでもない。の事だ。


「そのつもりです」


「…まぁね」


「やっぱりそうよね。清美さん達の帰りが早まったんですもの。2人のも早くなると思うのが自然だわ」


「そう言うって事は、金曜の夜にやる事を予想してたんですか?」


「もちろん。2人共Hに興味津々だし、同じ部屋で寝てるのよ? 学校に差し障らないのは金曜日でしょ?」


俺達の考え・行動は筒抜けのようだ。さすが母親かつ年上だ。


「だからね、今日は2人共ゆっくりしてて」


「えっ?」


てっきり注意されるかと…。舞は何も言わずボンヤリしている。


は結構体力使うのよ? せっかくの時間なんだから大切にしないと」


お互い初体験なんだし、経験者のアドバイスを聴いておこう。


「でしたら、お言葉に甘えます…」


「夕食は“精がつくもの”にするわね。事前・事後関係なく力になってくれるはずよ」


をするタイミングは、舞と相談して決めよう。



 着替え終わった制服を舞子さんに預けた後、俺は舞の部屋に向かう。ノックすると、小さい声で返事があったので早速入る。


彼女はベッドのふちに座っているので、隣に座る事にした。


「まったく、お母さんには困ったものよね」

顔を少し赤くしながら、舞はそう言った。


「ああ…」


俺はいつでも舞を押し倒す準備はできているが、そうしたら怒られるな。


「ねぇ正志。いつりたい?」


まさか彼女から話を振ってくるとは。正直に伝えておこう。


「今が良いな」


「そう…」


「舞が嫌ならタイミングを変えるよ。いつが良い?」


「お風呂の後…って言うつもりだったけど、正志にペロペロされたり事を考えると、むしろお風呂の前が良いかも」


「そうなのか?」


「だってあたし達の後に、お母さんかお父さんが入るのよ? お風呂に入り直せないんだからそうなるじゃない」


最後の人が舞子さんなら、入り直しても何も言われないだろう。しかし拓海さんだと気まずいよな。舞と拓海さんが話してるところはあまり見てないし…。


「わかった。俺と舞の希望は合ってるから、今ヤらせてもらう」


「絶対優しくしてよ。それと、持ってる?」


「ああ持ってる」

ポケットに入れたのを取り出して舞に見せる。


「制服を舞子さんに預けた時にもらったんだ。回数を抑えるために1つずつ手渡しするって」


「そのほうが良いでしょうね。ゴムがあるだけ正志はヤるだろうし」


「それはさすがに無理だろう…」

どれだけ性欲旺盛なんだ?


「…まぁ良いわ。頼むわね正志♡」


「ああ!」


俺は舞をベッドに押し倒してから責め始める。



 ……ここまでは以前と同じ方法で責めた。舞は気持ち良さそうな顔に加え声も出しているし、責め方は良いはずだ。


「舞。下も脱がすぞ」


ここからは未知の領域。うまくいく事を祈るだけだ。


「下を見られるのは初めてよね。…胸とは比べられないぐらい緊張する」


こういう時、なんて言えば良いんだろう? 俺は言葉をかけずに脱がす。


「あれ? これって…」


舞の下着は少し濡れている。これは“受け入れOK”のサインだったな。


「すごく恥ずかしい…」


彼女の顔は真っ赤だ。でもすごく可愛くて興奮する。


「そろそろを堪能させてほしい」


「…わかったわ。でもゴム忘れないで!」


もちろん忘れてないが、彼女の目の前で装着する。


「これで準備は完了だ。…行くぞ」


そして、俺のは入り始める…。



 ついに俺と舞は、童貞と処女を卒業した。この解放感と気持ち良さは何物にも代えがたい。このままベッドの上でのんびりしたいが…。


「正志、そろそろ夕食の時間よ」


舞が掛け時計を見た後に言う。…確かに昨日食べた時間と同じぐらいだ。


「よし、リビングに向かうか」


俺と舞は一緒に部屋を出た。



 リビングに向かうと、ウナギのタレの良い匂いがする。そんなに奮発したの!? 舞子さんは太っ腹だな~。


「2人のその顔、もしかして…」

俺達のそばに来た舞子さんがテンション高めに言う。


「はい、そのまさかです」


「おめでと~!!」


「お母さん喜び過ぎじゃない?」


「舞も大人の仲間入りね。食事中に詳しい話を聴かせてちょうだい♪」


「わかりました」



 夕食のメニューはうな丼だ。テーブルの椅子に座ってから、舞子さんが嬉しそうに話を切り出す。


「どうだった? 初体験?」


「とても良かったです。最高でした!」


「男の子はそうよね。気になるのは舞よ」


「……あたしも良かったと思ってる。気持ち良かった」


小声で恥ずかしそうに言うのがポイント高いな!


「初めてで気持ち良く感じるのって、結構珍しいのよ? さすが私の娘ね♪」


「そうなんだ…」


舞のムッツリが限界突破したって事だな。


「私と拓海さんがよくる気持ちわかってくれた?」


「まぁね…」


これは今後もヤりたいという意思表示だな? 時間と隙を見つけてどんどんヤるぞ!


「明日“清美さん退院祝い”をするんだけど、“童貞・処女卒業祝い”も一緒にやりましょうか」


「一緒はマズいのでは? 母さんが知ったらなんて言うか…」

下手したらぶっ倒れるかも?


「安心して正志君、そっちはだから。表向きは退院祝いよ」


「それなら安心ですね」


「でしょ?」


舞子さんはお祝いをたくさんしてくれる。本当に良い人だ。



 こんな風に、が終わった後でも俺達3人の関係は変わらない。高校生になっても、いや大人になってもこの関係が続く事を願うよ…。

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【完結】母と彼女のお母さんに教えられる、愛の性教育 あかせ @red_blanc

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