僕と君の学校祭-4

「やっと終わった〜」

僕と愛菜は2人でテラスのベンチに座って生徒会から買ってきたお弁当を食べていた。

「栞ちゃんと林太郎くんはもう少しで南校に着くって。」

「OK,じゃあ玄関に迎えに行くか。」

「うん。楽しみだね! それにしても大変だったね。」

「あんなに人が来るなんて思わなかった。」

「すごい飛ぶように売れていったよね。」

「うん。というか接客組凄すぎ。あんなにしっかりオーダーしてくれてやりやすかったよ。」

「ありがとう。じゃあそろそろ行こう!」


「久しぶり!」

「久しぶり? あれ、こないだも一緒に出かけなかったっけ?」

「まあ細かいことは気にするな。」

男子組が話題性にかけた話をしているのに対して女子組は

「愛菜ちゃんのメイド服か〜わ〜いい♡」

「ありがとう! 栞ちゃん今日浴衣で来てくれたんだね。 そっちこそかわいい♡ 気合バッチリだね。 よし!じゃあ学校祭回りますか!」

と、ハイテンションで話していた。

「よし行くか。」

「お〜!」

正面玄関の前では炭火を使った焼き鳥とか鉄板物を作っている屋台があった。

「あれ美味しそう! 201のやつ」

愛菜が言っていたのは2年1組が売っている焼鳥だった。2本で100円。どこかのお店で買うのよりは全然安い。

「買おう?」

「でも他のも食べたいし…」

「2本で売ってるなら2つ買ってみんなで分ければいいんじゃない?私達4人いるし…」

「確かに! 栞ちゃん流石!」

「じゃあ買ってくるよ。」

「あっ林太郎くんありがとう。」

焼き鳥は少し並んでいたが店の回転がとても早くてすぐ買ってきてくれた。

「う〜ん美味しい♡よしじゃあ行きますか!」

「えっもう食べたの?!」

「だって美味しかったんだもん。」

愛菜の串は一瞬にしてきれいになっていた。



そして僕たちは正面玄関から入り、一応全てのところを見て回ることにした。

今は1時。あと4時間も見て回る時間がある。 ても4時間って夢中になっているとすぐ過ぎてしまう。

なので一応急ぎ足で1階から回っていくことにした。


「はいどうぞ。」

生徒会の人がパンフレットを渡してくれた。僕たちは当たり前だけどもう持っているので栞さんと林太郎くんは受け取った。


まず初めに向かったのは一階にある図書室だ。

栞さんと林太郎くんが

「二人が書いたポスターを見たい!」

というので行ってみることにした。

図書室に入るとまあまあ人がいた。

ここで思い出したが、図書室は休憩室として一般開放されていたので何やら小さい子供などが椅子に座ってジュースを飲んだりお菓子を食べたりしていた。

真ん中には大きなポスターが5枚ある。

「黎くんのは…これか。『身近に潜むたくさんの名作たち。』…確かに新聞とかでもよく小説の引用とかあるよね。やっぱり文章ならではだね。テレビとかではそういう例えとか、引用とかできないもんね。」

「愛菜ちゃんのは『こんな恋がしたい! みんなに読んでほしい青春小説』ね!ポスターの書き方上手!絵とかがきれいでいいね。」

2人とも僕たちのポスターをしっかり読んでくれた。自分が書いたものをじっと見られるのはなんでか恥ずかしい。

そして1年生のも読んでいった。

「しっかり1年生入ってきてくれたんだね。良かった〜廃部ならなくて済んだね。」

「縁起でもないこと言わないでよ。2人とも1年生入ってきた?」

「僕の方はもちろんしっかり入ってきたよ。」

「私の図書局は11人かな。」

「11人!?すごい入部したね。」

「もともと私の高校では図書局は人気があったからね。」

「いいな〜 まあ1年生たちみんないい子たちだから全然大丈夫!」

「次行きますか。」

『お〜!』


そんな感じでいろいろなお店を僕たちは回っていった。

そして学校祭恒例?のお化け屋敷3年生が教室をいくつか使ってとても大きなものを毎年作っている。

「お化け屋敷へレッツゴー!」

愛菜はずいぶんとご機嫌だ。

「私無理かも」

「大丈夫、栞ちゃん。私がいるから。ね、行こう!」

そう言って愛菜は栞さんを連れている。

「早く行こう!黎もね。」

「わかったよ。」


…3分後


「キャァァァァァ!」

「もう少し声を抑えられないの?」

「ムリムリムリムリ怖いものは怖いの…キャァァァァァァァ!」

「ちょっと転ぶ転ぶ。」

愛菜は僕の腕をしっかりと掴んだまま振り回した。

さすがバスケ部、力が強い。

そうして瀕死の状態になりながらお化け屋敷を出ると、

「あ〜あ楽しかった!」

「思ったよりも怖かったね、でも大丈夫だった。」

女子組はさっきの怯え方はどこへ行ったのか楽しくお喋りをしていた。

「林太郎くん、大丈夫だった?」

「僕は大丈夫だったよ。 そっちは…まあ災難だったね。」

「本当だよ。 まあ楽しかったならいいんじゃない?」

「そうだね。」


そうしてあっという間に学校祭1日目が終わった。


「バイバイ」

「バイバイ。」

「また遊びに行こうね!」


2人が帰るのを玄関で見送って、僕たちは明日の準備へと取り掛かった。


2日目は特に何もなく、僕は愛菜と2人でゆっくりと学校祭を満喫した。

混みすぎてていけ中かった軽音楽部のライブを見たり、他にもやり残していたことなどを2人で楽しんだ。

そうして高2の学校祭はきれいな花火を愛菜といっしょに見て終わった。


「来年も一緒に回ろうね。」

「そうだね。」

「約束だよ。 ゆ〜びきりげんまん嘘ついたら針千本の〜ます。指切った!」


とても平和で楽しい2日間だった。

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本の神様 連載用 功琉偉つばさ @WGS所属 @Wing961

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