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あぁ、今日も疲れた。
2日続けて眠りを邪魔されて疲労は溜まる一方だ。
疲れた体を引きずる様にして帰宅し、くすねてきた廃棄のコンビニ弁当を温めて食べる。
ここ最近は値引きされた惣菜やら弁当ばかりでちゃんとした食事をした覚えがない。
不意に母の作った手料理の事を思い出して涙が滲む。
都会の会社に就職が決まり自分の事の様に喜んでいた母、そんな母が俺の現状を知ればどんなに悲しむ事だろうか。
そんな事を考えると気分が沈む。
明日もバイトだし、今日こそはしっかり寝ないとなぁ。
嫌な事を忘れる様にベッドに横になり布団を被る、しかし今日は寝付けない。
眠れないまま何度も寝返りしていると。
ドン!ドン!ドン!
誰が力強くドアを叩きながら大声で叫ぶ。
「お前に謝りたいんだ、ドアを開けてくれ」
もう何年も聞いていないのに、その声は父親のものだと直ぐにわかった。
幼い頃の記憶の中の父親は酒ばかり飲んで俺や母に暴力を振るい、挙げ句の果てには莫大な借金を残して行方を消した。
そんなクソ親父が謝りたいだと?
冗談じゃない、今まで溜め込んでいた感情が爆発し怒鳴り返す。
「ふざけるな、帰ってくれ!お前のせいで俺や母さんがどんなに大変な目にあったと思う!それを今更なんだよ、一体どのツラ下げて会いに来たって言うだ!」
ドアを叩く音はピタリと止まり、何やらブツブツ囁いている。
一体何をしているのだろう?
ドアの覗き穴から外の様子を伺うと、まるで外からこちらを覗き込もうとしている父親の顔が見えた。
「ドノツラ、、、ドノツラ、、、ドノツラナラ、ドアヲ、アケテクレル?」
ドアの外にいるソレは、まるでシールの様にベロリと父親の顔を剥がす。
「コノ、ツラ?ソレトモ、コノ、ツラ?」
身体中に貼り付けられた無数の顔、その中にはコンビニの客や別れた彼女の顔も有り、まるで服を試着しるかの様に次々と顔を張り替える。
「コノ、ツラナラ、ドア、アケテクレル?」
俺が最後に見たのは、良く見知った母親の顔だった。
ミシッタカオ じゃせんちゃん @tya_tya_010
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