第27話 コラボ第二弾③ 目的
このコラボの目的は二つある。
ひとつは白鶴ちゃんの登録者を増やすこと。
増やすことにより、陽キャたちの劣等感を刺激する。
これは計画の一環だ。
すでに白鶴ちゃんと野呂さんの特異性に世間は注目している。
この条件はすでにクリアしたも同然だ。
問題は二つ目だ。
俺は白鶴ちゃんと野呂さんを切り捨てることができるか、ということだ。
まさか自分の推しが復讐に関わってくるなど夢にも思ってなかった。
計画の変更を余儀なくされた。
そして、このまま計画を進めることになれば野呂さんと白鶴ちゃんを裏切ることになるのは確実だ。
彼女たちの真の望みを踏みにじり、壊す。
だから覚悟が必要だった。
このコラボはその予行演習。
配信活動は大変だけど楽しい。このまま順調に夢に向かっていきたい。
白鶴ちゃんと野呂さんはそう思っていることだろう。
その純粋な思いを汚し、壊す。
コラボ相手に選んだ二人は登録者を大量に抱える配信者と同時に白鶴ちゃんのガチ恋ファンだ。
俺が二人の活動をサポートする前から白鶴ちゃんの配信を見ている。
初期から支えている。信者といってもいい。
二人は白鶴ちゃんにガチ恋している。
だからこそ、お互いが許せない。
推しに認知されたい。反応してもらいたい。
自分が推しにとっての一番じゃなきゃ嫌だ。
他の奴が自分を差し置いて、推しに愛されるなんて考えられない。
だから他のファンが許せない。相容れない。
互いに認知してもらおう。好いてもらおうと二人は争い、潰しあう。
見ている側はギャグや冗談に見えるだろう。
だが本人たちはいたってまじめだ。
画面越しでは感じえない険悪な雰囲気。
本気で潰しあう。
今までは俺がサポートして隠していた。
二人の配信を支えると称し、SNSの管理をしてきた。
だから二人はファン同士で陰湿な争いがあることを知らない。
その配信者の影の部分を目の当たりにして、二人はどうなるのか。
二人は弱い。
受け止めきれずに病むだろう。
特に野呂さんは精神的に弱い。
だから配信者として活動することに嫌気がさすだろう。
野呂さんの夢を壊す。
それが今回のコラボを組んだ俺の二つ目の目的だ。
俺と君の復讐譚 ~いじめられている俺と追放された彼女で始める復讐生活~ @tokoroten7140
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。俺と君の復讐譚 ~いじめられている俺と追放された彼女で始める復讐生活~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます