第4話 新しい朝

カラオケではランチの後に、お互いに好きで、CDを交換したり、高校時代によく聴いていた曲を歌った。

18時頃にはカラオケを出て、お互い成人していたいし、カラオケの後は食事をしに和食の居酒屋にも行った。


「今日は楽しかったな、そろそろ帰るか。また連絡する……」

俯いて、愛梨は繋いだ手にギュッと力をこめて、首を横に振る。

「………、帰りたくない。」

「でも遅いから、帰らないと家族も心配するよ。」

「一緒にいたい。今日泊めてくれない?」

「俺は構わないけど、家は大丈夫なの?」

「今日友達の家に泊まるかもってお母さんには伝えてある。」

「それなら、泊まってくか?」

「うんっ😊」

「でも明日には帰れよ。約束だぞ。」

「わかった。」


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電車に2時間揺られて、帰りがけに近所のコンビニで買い出しをして、22半時位には俺のアパートに着いた。男の一人暮らしだし、シンプルな作りの1Kのアパートだ。築年数は数年で新しい方ではあるが。


 コンビニで買ってきた飲み物を飲みながら部屋で休んで交代でシャワーを浴びる。先に愛梨がシャワーを浴びて、次に俺がシャワーだった。俺の部屋着を貸してやり、リラックスして過ごして雑談もしていたが、お互いの視線が絡まり見つめ合う。もう止められなかった。


この一年ずっと想い続けた気持ちと、愛梨が愛おしいという想いに拍車がかかり、俺は愛梨にキスをした。そのままベットに倒れ込み、愛梨を抱いた。愛梨の唇を奪って、お互いの舌と舌が絡まる。彼女の密がぐちゃぐちゃになっている性感帯をせめて、蜜が溢れてくる。俺と彼女の激しい呼吸と体温を感じながら何度も何度も彼女を求めた。まるでシーツの波を泳ぐ2匹の魚のように。気が付くと窓の外は白み始めて、夜が明けようとしていた。まどろみながら、俺は愛梨を腕に抱いて朝を迎えた。


 おはようと挨拶をして、キスをする。お互い服を着て、昨日コンビニで買ったパンを食べて、簡単に朝食をすませる。こうしまた俺と彼女との新しい朝を迎えた。

これからは、二度と彼女の手は離さないとそう心に決めていた。

「愛梨。」

彼女の名前を呼ぶ。

「なぁに?」

「これからはずっと一緒にいてほしい。こんな俺だけど、これからまた、よろしくな。」

「陽樹あのね、私は陽樹だから、これからも一緒にいたいと思ったんだよ?離れてたこの1年はホントに寂しくて、辛かったけど、でも忘れた事は一度もなかった。」

「それは俺も一緒だった。ずっと忘れる事ができなかった。今までホントにごめ……」

俺の言葉を遮るように愛梨は俺にキスをした。そして、じっと俺の目をまっすぐ見つめてこう言った。

「わかってる、陽樹の気持ちはよくわかってるよ。だからもう言わないでいいから。これからがまた、新しいスタート。こちらこそ、よろしくね。」

「うん、ありがとう。愛してる。」俺からも愛梨にキスをする。

俺と彼女の新しい朝が始まった。もう二度と後悔しない、もう二度と彼女を離さない。これからは彼女を支え、愛するとそう誓った。


Fin



     



 









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「花は桜 君は美し」 風月 結花里(ふづき ゆかり) @mochako37

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