第14話 夕日のせいだよ

「え?」


 「ア.....」


 「本当!?」


 「ア....ホントウデス....デモ...」


 勢い余って『入部する』なんて言ってしまった。だが別にいい、入部すること自体は全然嫌じゃない、むしろ入部したい。原咲さんと一緒にバンドをしたい。だがしかし問題が一つある、それは...


 「俺が入部して原咲さんに迷惑掛からない?」


 「え?どうゆうこと?私は迷惑というか歓迎なんだけど」


 「いや、実は...今日の朝俺と原咲さんで登校してると見て『原咲さん見る目なさすぎ(笑)』とか『うわ〜、いい気味(笑)』とか言われてたから...俺に対してなら良いんだけどね?...はは....」


 そう。問題は俺と一緒に部活をして、俺といて、原咲さんにいじめが起きないかだ。


「ない....」


 「え?」


 「良くない!!」


 「っ!...そう、だよね....」


 覚悟はしていた。こう言われるのはだから。でも覚悟していても、2度目でもやはりキツい。


 「違う!そうじゃなくて!!!」


 「樹下くんに対しても良くない!!!!」


 「え?」


 「皆樹下くんに何にも知らないのにそんな事を言うなんて最低!!!ありえない!!!ふざけんな!!!」


 「ちょっと?原咲さん?」


 「それに誰と一緒にいようがそんなの私の勝手でしょ!?なんでそれをわざわざ厭味ったらしく言われないといけないわけ!???本当に許せない。こうなったら『自主規制』して『自主規制』して『自主規制』にしてやる...」


 「原咲さん!?(そんな単語どこで覚えてくるの????)」


 怖い。怖すぎる顔が般若になっている、これが『怒らせてはダメな人』と呼ばれる人なのだろうか...

 そんなことより原咲さんを呼び戻さないと。完全にこちら側の声が聞こえてない


 「戻ってきて!原咲さん!!戻ってきて!」


 「っは!私は何を...」


 「あ、戻ってきた」


 原咲さんってやっぱりどこかおかしい。なんだろう天然?って呼ばれるやつなのかな、好奇心旺盛な子猫を見ているような気持ちになる。


 「....なんで笑ってるの樹下くん」


 「いや、クㇰ...変だな〜って思って....プㇷ゚....」


 「ふ〜ん、まあいいや。笑顔になったし...私は今の樹下くんの顔の方がだよ。」


 え??好きって言った?今?





 うるさい、鼓動の音がうるさい。止まれと思うたびにどんどん早くなり強くなっていく。それに比例するように顔は熱を帯びていった。


 「それより!」


 「軽音部、入部するんだよね?」


 「....原咲さんがいいなら」


 「だ・か・ら、私は歓迎って言ってるでしょ?」


 「そう?じゃあ...」






 「よろしく、原咲さん。」


 「うん!」




 原咲さんも同様顔が赤く熱い。




 『『夕日のせいだよ』』俺と原咲さんは笑った。





 




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学校1の美女がドラマーだった!どうやら軽音部(同好会)に入ってほしいそうで... @renainou

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