三答制+正答制 - パラグラフリーディング＋三答制の開示（カサイ袋の最愛ミステリーガイドブック下）（さんたん）

三答制の開示+正答制（丁）

カサイ袋の最愛　三答制の一

〔三答制Ⅰ〕容疑者のなかで、唯一、Ｘ（秋田）だけがＹ（早業作業）によって、殺害可能な時間をつくることができた。成海たちが三浦の部屋にはいったとき、Ｚ（監視カメラにガラス窓の破片が映っていた）が、Ｚ（フェンスの手前には防虫ネットが張られている）ため、Ｚ（部屋の窓が割れた）としても、Ｚ（敷地外まで飛ぶはず）がなかった。唯一、Ｘ（上階の部屋にいた秋田）だけが、Ｚ（破片を山なりに投げて、監視カメラの範囲内）にいれることができた。また、Ｚ（密室外の濡れた地面、密室内の水たまりも、秋田が冷房をオンオフ）することによって、作為できる。ほかの容疑者はＺ（二階）にいなかった。つまり、Ｙ（密室だと誤認させること）が可能なのは、Ｚ（二階）にいたＸ（秋田）だけである。ゆえに、Ｘ（秋田進太郎）が犯人である。

カサイ袋の最愛　三答制の二

〔三答制Ⅱ〕犯人はＺ（夜中の十二時三十分）、寺崎恭吾を殺害したあと、Ｚ（屋上から突き落と）した。寺崎がＺ（誤って、落ちたと誤認）させたかったからだ。Ｙ（死体移動）のトリックである。Ｚ（夜中に、多目的研究センターにいた者）は、容疑者のなかで、ひとりだけである。そのあと、Ｚ（死体を回収しているが、死体を放置しているあいだに、芦ヶ池の氾濫）が起きてしまった。犯人はＺ（寺崎）のかわりに、Ｚ（備品室のクロマグロ）を置いた。Ｚ（桐生）はつぎの日、Ｚ（みなのまえで、氾濫の解決）を説明しているが、Ｘ（秋田）だけが、Ｚ（大木ではなく、備品）だと証言している。Ｚ（ききとれなかったにしても、備品だと解釈すること）はありえない。Ｚ（芦ヶ池に備品とも言えるクロマグロのぬいぐるみが沈んでいた事実）を知っていたのは、当事者の犯人だけである。ゆえに、Ｘ（秋田）が犯人である。

カサイ袋の最愛　三答制の三

〔三答制Ⅲ〕犯人はＺ（水槽内の水）を使って、寺崎を殺害した。あとから、Ｚ（水槽内に電解水）がはいっていたことを知り、寺崎の身体を分解した。Ｙ（胃袋のなかの特徴を消すこと）にしたのだ。しかし、Ｚ（胃袋をいれたゴミ袋）は白い蠍に回収されてしまった。成海たちはそれを発見し、Ｚ（池の水と電解水という、ふたつの特色）を検出する。この事実は、Ｚ（多目的研究センター内の水槽が使用されたこと）をあらわしている。Ｚ（水槽）は事件まえ、Ｚ（水質環境研究所の部屋）に置いてあった。ゆえに、犯人はＺ（水質環境研究所の研究員）である。Ｚ（犯行のあった夜）に、Ｚ（多目的研究センターにいた人物）かつＸ（該当する研究員は、秋田）しかいない。したがって、Ｘ（秋田進太郎）が犯人となる。

カサイ袋の最愛　正答制の一

〔正答制①〕犯人が天井裏への侵入に見せかけた時点で、その作為をした犯人の体格が絞られる。天井裏には小柄な人間以外に、はいることができなかった。ゆえに、真逆の体格の人物が怪しくなる。容疑者のなかで、高身長で大柄なのは秋田しかいない。したがって、秋田が疑わしい。

カサイ袋の最愛　正答制の二

〔正答制②〕犯人は寺崎のばらばら死体を、犬飼に奪われてしまった。これは犯人がゴミ袋による横流しを知らないことを示しており、ふたりが現在進行形で犯罪をつづけていたことを知らなかったことにもなる。とうぜん、三浦と寺崎、どちらかいっぽうが捕まえれば、ほかの罪まで公になることがわかっているはずだ。したがって、盗用問題がほんとうだったとしても、公にするわけがない。つまり、論文の盗用騒動そのものが犯人の作為にほかならない。寺崎が三浦を殺したという偽の動機をつくるためだ。論文の盗用は、現場にあった封筒と証言だけが示している。封筒にあった文章は、パソコンで打ちこまれていた。だれにでも作為できる。ゆえに、論拠は証言だけになる。論文が盗用されているという相談を、明確に証言していた人物は、ひとりしかいなかった。秋田だけである。したがって、秋田進太郎が疑わしい。