c
イタチ
第1話
不自由な二人
登場人物
・完璧なロボット精神
アサカルト・パーフェクトゴッツ
読書マニアの病人
イタラヌス・キレーヌ
世の中は、不平等だ
私は、足を切られ今日から、立派な障害者だ。
それもこれも、糖尿病が悪い
決して、太っているわけではないが、この細身の両足でも、切られてしまえば、それでお終いだ
部屋に引きこもり、毎日、パソコンと、本ざんまい、食べるものは、皆お菓子、肌は、恐ろしく、白く、到底、働いているようには見えない、しかし、そんな事はどうでも良い、障害者年金をかけてに
私は、これで、いよいよ、部屋に引きこもれる
毎月、透析しに、病院に、来いと言われたが、正直めんどくさい
人に会うくらいなら、足や腕を・・いや、腕は、まずい
本が読めなくなる、足が良い
口の中は、虫歯だらけで、つい先日、無理やり、歯医者に行った折に、全て抜くことを、私は強く所望したくらいだ
なんでも、世の中には、インプラントで、全部の歯を抜くと言うが、それなら、手間のかからない総入れ歯のほうが、私の好みである、たしかに、歯ごたえも、気になるが、さしたるものも食べず
ジュースしか飲まないような、私は、野菜ジュースで生活をしよう、そんな事を、考えたりもした
しかし、世の中の、女や男は、脱毛と言って、デリケートゾーンを、丸裸に、すると言うが、果たしてどうだろうか、生物として、そこにあったもの、それこそ、親知らずを抜く必要性は、どの程度あるのか
どちらにしても、介護が必要な時に、掃除が楽になると言って、それを、無くすとも言うが
その文法・論法・方法で、いうのであれば、歯を、大事にしましょうと、教育しても
結果老人ホームで、さして、歯磨きもされず、刻一刻と、私のような、虫歯人間の成れの果てを、引き起こすだけではないのか
それであれば、その手間をさせないために、私の望む、全入れ歯も、さして、おかしくはない事にならないではなかろうか
無いしても、どちらにしても、車一台、自転車一台、所有もしていないこの私が、今日始めて
晴れて、病院と、ずぶずぶなのかは知らないが、新品の車いすが、私の手元に、ころころと、転がっている、実にこぎみいい
本しか持たない私の腕は、自分の体重を、車と言う物をたやすく動かす、そんなものでさえも、かなりの労力を、力をもって、顔に久しぶりに、汗を、かきながら、表に出た
私の部屋には、カーテンが、三重
舞台で使うような、暗澹たる暗幕が、そこには垂れ下がり表の喧騒を、シャットダウンし
最近はやりの、密閉密室、血液が垂れても、表に出ないような、そんな住宅建築のなか
清々しい姿などどこにもなく、そこにあるのは、本が、ひしめき合い
そこから漏れ出す、紙とインクのにおいだけであろう
そんな、ジップロックのように、密閉された、暗黒の部屋には、換気扇も付いておらず、ただ、お菓子と活字が、消費され続けていた訳で、その不摂生・不衛生のため、私は、久しぶりに、暗黒部屋から、表に出て、病院に運ばれたわけだ
救急車の喧騒の中
私は、医者に、つべこべ言われず、天涯孤独の身の上の中
「切るか切らないか」ではなく、年金ももらえるし切りましょう
と言われたところに、よほど切羽詰まって居た所があったのかもしれない
親の残した数百万の財産は、本に消え
孤独な、孤独部屋の中で、私は、本の中で、孤独死すると思って居たが
そんな、即身仏は、遠い夢であり、こんな、糖分でできたような私は
死んでも、砂糖になれることも出来ず、ぐずぐずの腐りやすい死体になるに違いない
こんな、ハエも、寄り付かない密閉世界で、紙蟲も私を、食べることもない私は孤独なのだろうか
微生物は、体内に、ひしめき合い、私を最初から、乗っ取っているのかもしれないが
私が、倒れるところを考えれば、それも、私の趣味か、腸内細菌の堕落のせいか
どちらにしても、私は、ヤンデレのように、彼らを道ずれに、死んでいただろうが
私の足が、本を読むたびに、うじうじと、くさりおち、痛んでいたが、死ぬ気であったわたしは、それにすら気もそぞろに、海外の文学を、読みふけっていた
貴族階級は、馬鹿にされるが、文化においては、キチガイじみた彼らの趣向は、凡人では、到底考える暇もないほど、現代の漫画のように、阿保みたいに、巻数を増やし続け、その難解な文章体は、幾ら登ろうとも、それを、はたから崩される難解な山脈連を、思われる
それは、初心者殺しと言ってもよく、その文法を、独特怪奇な話の流れとは別に知って居なければいけない、そのエリート主義は、やはり、独特の味がする
私は、原文そのまま、甘い粉砂糖を、舐めながら、文字を、読み進めていた
そう、読み進めていたにもかかわらず、私の文字を、邪魔する部外者が、現れた
それは、赤い燃え盛る、様々な色の中、それに混ざるように、オレンジ色の服を着た人間たちが
火の中から、私を、救い出した
何と言う所であろう、最後の金を振り絞り買った「ポワール姫全122巻」が、火の渦に消えていく
燃えていく、私の手の中の、代120巻が、消防士の手によりたたき落される
「危ない」
危ないじゃねーぞ
そう思うが、もはや、声帯など、私の体内に、存在していないのであろう、声帯を、拷問で、切り取られても、私のよりは、声が出るのではないだろうか、それほどまでに、息をするだけの穴となっていた
その空洞は、ここ十年何かを、震わせたことはない、きっと、かなり衰え、そうはしなくても、誤嚥性肺炎で、きっと、砂糖菓子が、肺の中で、私の全身ごと腐らせたに違いない
私は、呻くように、身を震わせながら、渡すの部屋よりも、何十倍もきれいであろう、救急車のメタリックな白い内側のベッドに寝かされ
触られただけで、ぼたぼたとおちる
私の肉体から、こすれて、破けた皮膚から、血が滲み落ちる
「これは、火傷じゃない・・何かご病気でも」
私は、気恥ずかしく、自分でも、知って居る、その症例を、口に出すこともなく
うぅーうーと
喋らない猿のように、呻き、ウジ虫のように
や、ウジ虫だって、触られただけで、血まみれになるような弱い肌ではないだろう
私は、自分の肌の中、肉体を、内側から、食い続ける、本の虫に違いない
健康、ルール人間をやめ、その快楽を、貪る、その意識は、何処までも、私は
「はい、意識は、ありますね、大丈夫ですか」
燃え盛る、黒い部屋は、部外的、物理法則により
燃料を、更に、燃え上がらせている
背後に、振り返った、体は、筋肉痛を、起こし、更に体を横たえる
長らく、動かなかったせいで、筋肉もとうに無いのであろう
私は、智を垂らしながら、泣くこともできず、地面を、赤く濡らした
ゆるゆると、長い痛みが、かゆみとともに、肌に、通っていく、文章の麻酔さえも、肌の意味不明な痛みは、私を、多少なりとも、縛って行く、取り出した、ゴミ箱から、かっぱらってもらった、雑誌は、低糖な、痛みの麻酔と、なり替わることなく、色鮮やかな苦痛が、文字となって、こぼれ落ちていく
私は、白い清潔な空間の中、手術の切り口から、縛った縫い後から、体液を、垂らしながら、相も変わらず、ページをめくった
先ほど、白い天使と、名高い、看護師が来て、お金がないなら、出て行ってくれと言う話を、こんこんと、紙を前に話す。死ぬつもりでいた私に、何と陳腐なプリント紙を、渡したものだ
私は、ため息を、漏らすこともなく、話を、ただただ聞いているフリを、徹してしていた
辺りは、何とも、絶妙に、熱のこもった、まるで、電子レンジの中に、閉じ込められて、死んでしまった猫の内臓で、温まるかのような、人肌の繰り返しに、思えたが、それも、あと、二日で、おさらばらしい、しかし、私には、いまだに、年金も、入っていない、これは、生活保護か、それとも、職業訓練場に、更に、行くべきか、しかし、本は読むことはできても、小説さえかけない、この私は、簿記をする時間はない、生活に興味は全くないのだ、それも、本の毒に、毒されている結果に相違ない
私の脳は、活字で、真っ黒く、私の瞳は、活字で、真っ黒く、私の心は、活字で、侵略浸食され、どこもかしこも真っ黒け、その行き先も、黒いに違いないが、それで、心が、病まないのは、もはや、光も届かぬほど、底の底に、居るに違いない、私は、ぼんやりと、ゴミ捨て場に捨ててあった、漫画を、漁りながら、白い部屋で、その黒い染みを、見つめ続けた
何処までも、黒い世界に、こもりながら、私の考えは、刻一刻と、時間は経過を続けていた
私は、もうそろそろ用意をお願いします、そういわれても、漫画の続きを、手に取っていたが、無理やり、車いすに、載せられると、この白い檻から、放り出されることになったが、世界は、明るく、私の読書体系において、ただでさえ、暗い洞窟で、ライトを頼りに、船を編んでいたような、自分の読書だ、昼間の日光は、私には、到底明るすぎる、目がつぶれる心配もあるが、ひ弱が、ひよこの殻を、被ったような、こんな私は、どこかないかと、その車輪を、とろとろと、回していたが、ふと、私のお眼鏡にかなうような場所を、発見することが、私には、幸いにして、出来上がった、出来るだけ、人当たらず、人も来ず、そして、柔らかそうな場所、私は、自分と同じ匂いが、精神的にある、全ての不用品の世の中のゴミ溜め、病院裏の黒い袋が、まるで、クッションのように、そこには、私をいたわるように、置かれていた、私は、そこまで、車椅子に、座り、移動すると、その真横から、その黒いクッションへとダイブする、私は、その何とも言えない、においに、辟易する、薬品と、血の匂い
それは、読書体系において、何とも言えない雰囲気を、醸し出し、これが、血と機械と膿とが蒸気を上げながら、噴出するような、暗澹たる、ブラックな童話でないことが、偲ばれる
手に持ち合わせているのは、労働者を、血の通った機械だと認識するような、社会主義者が、出てくるようなものではなく、隈どりが、舞台で、見えを切るような、そんな童話をコミカライズしたものを、暢気に、黒いゴミ捨て場で、それらに、うずもれながら、読み込んでいた、幾分も時間がたっただろうか、それとも、まだ、一秒もたっていないだろうか、私は、意識しないまま、本を、読んでいた
幸いにして、ゴミ捨て場には、医学書から、猥本まで、ありとあらゆる、紙も、隅のほうで、ビニールテープに、十字に、多方面に、縛られ、私に、食べられるのを待っている、どうせ、また、新聞なりに、生まれ変わる前に、私が、それを、読みこんでも、罪ではないではないか
私の、思考は、犯罪を、肯定しかねなかったが、それを、否定する影が、私を覆った、それは、日のせいか、時間のせいか、雲が、太陽を、遮ったせいか
長らく、ライトの太陽の下で、生きていた私は、何と言う事だと、それに、太陽に、文句を言うために、顔を上げた、いつも照らしてくれればいい物の光量と言うボリュームを、私好みに、絞ってくれれば・・・、私は、本から顔をそらし、中々、新しく出来た、体は、不自由であったが、不慣れさを感じながら、上を見た・・誰だ。ゴミ出しの誰かだろうか、制服のようだが、この病院のものではない
体つきは精悍そうではあったが、こんな私の前に、立ち止まるこの男は、下種な顔でもなければ、いやそうな顔でもない、そうであれば何か、私と同類かと言えば、私にさえ興味がない・・
しかし、なぜここにいるかの言えば、それも全く私には、理解の範囲外と言うしかなかった
用事もないにに、こんなところに、立ち止まるほど暇人がいるかどうかと言えば、いるかもしれないが、それ以前に、私以上に、何もなさそうな、そう、白い真っ白に、空っぽ
そんな印象を受けた、つまり、馬鹿なんじゃないか
考えるやつも、途方もなく馬鹿だが、考えないやつは、何処まで見馬鹿だ、なぜなら、それは、人間でではない、もはや、神、自然現象に近い
それを、病人と言うには、余りにも高度すぎて、人間には、計り知れない
きっと、頭の良い奴一人と、馬鹿一人であれば、癒しは、到底計り知れない
天才は、考えるが、馬鹿は、生まれてから馬鹿なのだ
それは、ギフトであり、呪いに他ならない
しかし、目の前の、木偶の棒は、いつから居るのだろうか、案外神経質な、わたくしに置いて、こいつは、なぜ太陽を遮ってまで、私の前に、突っ立っているのだろうか。
私は、産まれて久しく、本を置いて、目で、奴を、観察してみる、軍隊のような、服装だが、こんな服をした軍を、世間一般的、流通している書籍で、拝見した事が無い
灰色であるが、どこか動きやすそうである、どこかの国のように、軍服にもかかわらず、チャックを使用するような、国ではなさそうだ、じゃあ、何処かと言われれば、先ほどの堂々巡りを、堂々と、するに陥る、何なのか、なんだというのか、やはり、チンピラか何かの類か、これが、俗にいう人に言う所、伝え聞いたことは、何一つないにしても、本や、映像でいう所のメンチを、切るというのか
メンチカツでも、切って居ればいい物をと、小癪な事を考えたが、奴の思考は停止したアンドロイドロボットのように、微動だにしない、これは、ほって置くべきだろうか、もし、しょばだいなんて、その何も話すことのなかった口が、開けば、私は何と、話したものだろうか、私には、言葉の武器が存在しない、看護婦も、それに対して、素直にうなずいていると、勘違いしていたのだろうか、それとも、めんどくさいことが嫌で、そのまま受け流したのだろうか
私は、一人孤独に、ゴミ捨て場に、本一つ片手に、倒れていた訳であった。
男の人相は、実にあいまいさを、讃えていた、髪は短く、刈られ、その灰色の髪は服装と揃いを、わざわざ、合わせているように感じる、しかし、なぜ、こちらを見ているのか、それは今のところ、謎である、両足の無い変な女が、ゴミ箱に寝ていて、それに対して、余りの育ちの良さに、唖然としているのか、それとも、同じような、考えも、次第に、本を読むことへと、シフトチェンジし始めようとしたころ、さすがにまずいかと、私は、車椅子を、片目に、その男に、言葉を吐いた
「なあ、お兄さん、ちょっと、手伝ってくれないか、車椅子まで、私を引きずるのを」
私は、だいぶしたものはいい物の、苦労して、だいぶしたにもかかわらず、相も変わらず、それ以上に大変そうな、その車椅子に戻ることを考えていなかった、刹那的と言うのは、言葉は、かっこいいが、しかし、現実問題、果たして、どうやって、あそこまで戻ったものだろうか、私は、ここからの脱出を、試みるため、ついでに、そんな言葉を吐いていた。そう、吐いたはずであるが、私の言葉は、脳内再生にとどまり
目の前の男は、その言語を、さして、首をかしげることもせず、こちらを、眺め、立ち止まり、ゆっくりと、フクロウのように、首を傾げた
それでも、その目線は、相変わらず、私をとらえている、まずいのであろうか
そう考えていたが、男が、ゆっくりと、こちらに近づいてくる、それは、ごみを捨てるような、そぶりでも、無ければ、何か、私に話をしようと言うような感じではない、何だ
それは、まるで、無駄なく、陽炎が歩くように、私は、気が付くと、目の前から、顔をどけた、その男が、手に何かを持っていることに気が付いた
それは、如何やら紙の束であり、その紙を見て、私は、声を詰まらせた、それは、それは、病院が、示した、働き口であったり、過去に、何でも屋の仕事が、街中で、紙の束が、街中で、張り出されており、そのフリーペーパーよりも、何倍も、ざらついたその紙を持って帰ってきて、それを見て、どのように、その仕事を、こなそうかと、妄想していた自分があったのだ
その時も、紙を片手に、事細かに、私は、それを、文章体にして、その最初から結末を、文字に、直したのだ、余りにも、暇になった私は、紙を、何処からか、かっぱらってきて、そこに、渡された、小さな仕事を、事細やかに、かいたのであるが、それを、奴は、手に取ってみている
「何をやっているんだ」
声は、相変わらず、喉に張り付き、言葉にならない、過去に、自転車に一度乗れば、もう忘れないと、言ったやつがいるが、声はどうやら違うらしい
私は、紙を返せという言葉が出ず、仕方なく、本を読み始めた
きっと、病院を抜け出した、誰かなのだろう、私は、仲間なのかどうかは知らないが、文字をまた、本を手に取り、読み始めた、どの程度の時間がたったのだろうか
また、目の前に、影ができた、日光が、ついに、遮られる時間になっただろうか、そう思って、本を閉じると、目の前に、奴がいた
しかも、何かをこちらに差し出した
見ると、何かの、紙が、袋に入っており、その下には、コインと紙幣が、数枚入っていた
「何だ」
声は、やはり出ないが、手を、突っ込んで、紙を眺める
そこには、如何やら、仕事に対する、確認のようなことが、かかれ、どうやら、それが完了したらしい
しかし、分からない、それと私が何の意味をしているのだろうか
しかし、そうはいっても、渡されている、それを、付き返そうとしたとき、その、灰色のような、肌色に近い、薄く冷たい唇が開く
「仕事は、平等だ、半分受け取ってください」
何を言っているのだろうか、そうはいっても、私は、その理由が、どうやら、私の書いたあの落書きに起因していると言う事を、渡された中に入っている領収書のようなものから、把握していた
「じゃあ、貰っておくよ」
私はそう言って、奴に言う
「しかし、それよりも、私をとりあえず、車椅子に、載せてくれ」
私は、紙袋と、車椅子を、交互に手ぶりで、示すが、奴は、首を傾げた
仕方なく、手元に転がっていた鉛筆と、そこら辺の本に、文字を書いて示した
「この金と引き換えに、私を、車椅子に、載せてくれ」
奴は、それを見ると、金を受け取らず、車椅子に、まるで、人形でも、軽く持ったように
猫を持つように、車椅子に、摘まみ上げて、載せた
「あなたは、これから、何処に行くんですか」
そこで、私は、ふと気が付いた
私の本の城は、燃えてしまい、何も残っていないという
じゃあ、何だ、私は、大家に、文句を、言おうとも思ったのであるが、覚えていた電話番号に、幾らかけても、何一つ、返信がない、今日も今日とて、ここで、ゴミの中で、眠りにつこうとも、考えもしていなかったが、どうなるのだろうと、漠然と、そこに、思いを寄せてもいた、今のままでは、無一文のまま、この街を、彷徨い、消えることもできず、倒れるだけに、留まってしまうのだ
私は、頭に、頭痛を、感じながら、急に、全身が、ピリピリと、しびれ始めた
「どうでしょう、私の家に、泊まりに来ませんか、丁度一部屋、ベッドが空いています」
何だろう、こいつは、私を、包丁で、切り刻む殺人鬼なのであろうか
さして、このまま、警察に保護でもされてみようか
私の思案は、ぐるりと、この小さな、建物の裏で、ゆっくりと、動いている
「あなたは、どうして、そんな事を、聞いたんですか」
私は、本を、脇に置きながら、奴を、みると、さして、何かを、考えていると言う訳もなく
「いえ、家が、無さそうなので」
私のどこを、どう見て、そういったのだろうか
言葉は、喉から出ず、そして、さっき会ったばかりだ、それなのに、何をもって、私に、そんな事を、言ったのだろうか
「何が、望みですか、まさか、私の体が」
奴は、じっとしためで、こちらを見ている
「私は、女などに、興味はありません
しかし、あなたの文章は、実に、現実的だ
無駄な、情緒も、また、誤った、指令もない
あなたは、良き、相棒になれそうです」
気がいよいよ狂って居るのかも知れない
たかが、数千円
額にして、昼二つ分くらいの仕事を、わざわざ、一人ではなく、きっちり、二つに分けているあたり
何とも、言えない、危なさが、そこには、感じられた
私は、文字に書いていう
ーあなたは、きっちり半分立ち言ったが、割り切れない数字の場合、端数はどうするのー
それを、見た男は、直ぐに、口を開く
「簡単な話です、そんな仕事は受けない、先ほどに、読ませていただいた、紙の中で、この仕事だけが、端数の割り切れる仕事だったからです」
信用はできそうだ、なまじ、分かりにくい狂い方よりも、分かったほうが、安全だ
しかし、安全と言うだけで、其ればかりではないだろう
ーしかし、途中の何か、別要因により、途中から、端数になったらー
男は、目を動かして、口を開いた
「単純です、その金は、すべて捨てればいい」
私は、思う、実に単純に、狂って居る、実に、分かりやすい
奴の部屋は、何とも言えず、何もなかった
何もない、それはきっと、展示会に、作られた、部屋よりよほど、何もない
テレビもなければ、エアコンもない
ただ、そこには、ソファーと、ベッドだけが、備え付けられた
狭い部屋であった
廊下には、シャワーと、小さな台所
それ以外、この部屋には、何もなかった
ー布団はー
車椅子を、押されながら、私は、答えを聞く
「いえ、私には、不要なので」
こいつは、ロボットなのか、それとも、北国、出身か、または、気温に対する、神経も参って居るのだろうか、先ほどまで、本を読みながら、押されていたが
ここまで来て、いよいよ不穏だ
ーあなたは、何処で寝るんですかー
私の問いに対しても、実に丁寧に
「ソファーに、寝ていました、ベッドは、前の住人が、置いて行ったものです」
食べ物も、あるのだろうか、もしかすると、充電器を、背中に刺すかもしれない
そんな事を、考えていたが、冷蔵庫は、しっかりと機能しているらしい
ーあなた、仕事はー
私は、テーブルに、並んだ、ご飯を、食べながら、横のメモ帳に、書き込む
皿には、スープとサラダ、米が、並んでいた
「先日、首になり、今日、あなたに、出会いました、非常に、似ていると、思ったわけです」
何処が
似ているのかは、分からないが、すぐにでも、生活保護を、依頼しなければ
病院では、申請を、進めていると言うが
私は、ぼんやりと、皮の向けて、沈んでいるトマトを、木のボールの中で、探りながら聞いた
「あなた、本当に、私を、襲わないでしょうね」
目の前の目は、こちらを向いた
その瞳は、私を見ていない気もした
「はい、私は、切られていますので、子供を、作ることは、出来ませんし
それに、性欲は、任務に、支障を、きたします、ですので、たとえ、麻薬を盛られても、私は、それに耐えきる訓練を、オールAで、こなせます」
私は、トマトをつぶした
余り、好きではない
しかし、こちは何を言っているのだろうか
警察だろうが、軍隊だろうが、そんな事をするとは思えない
やはり、気を付けたほうが良いかも知れない
それは、そういう事が、目的にしろ、また、ただの、電波か、キチガイか、そのどちらにしても、海外映画の悪役に、相当しそうな、めんどくささだ
悪役の悪は、悪役の常識だった場合
私の存在は、どうして、示すべきであろうか
狭い部屋は、まるで、檻のように、それは、何色に、染められているのだろうか
緑色のサラダが、木のボールの中に、重ねられている
レタスのちぎられたその層を前に
私は、疲れたせいか、眠りそうな猫のように、うつらうつらと、ただ、部屋の中に浮かんでいた
深夜目を覚ます
何か音がする
それは、荒い息使いなどではない
何かが、繰り返し、動いている音
あの身のこなし
私は、ふと、横を見る
何かが、動いている
私は、思考を停止した
いつの間に、私は、ここに寝ているのか
暗闇の中、静かに、早く動くそれを、見たとき、こいつが、どうも、言葉だけの変人ではなさそうだと、気が付いた
それは、ただの腕立て伏せだが
かなり、いや、機械のような、正確さで、ぶれがなく、音もなく、動き続ける
なんだ、やっぱり頭がおかしいのだろうか、なぜ、深夜に、誰かが寝ていると言うのに
いや、私は、一日であるが、居候としているが、しかし、だからと言って
「どうしましたか」
声が一切、切れていない、どういうことだ、腹話術か、何かだろうか
私は、尋ねるのが、めんどくさくなって、起きたことなどなかったかのように、目を、ゆっくりと、閉じた、久方ぶりに、同じ部屋に、異物を、感じる
ゆっくりとしたまどろみの中
戦々恐々と、夜は更けていく
病院では完全な、暗闇などなかった
しかし、この部屋の窓は、何もない部屋のくせに、やけに分厚い黒いカーテンが、始終かけられていた。
朝と言うのは、地獄の黙示録でいうよりも、世界創世のように、全てが、ぐにゃりと、歪み、作りかけの卵の中身のように、不安定で仕方がない、いつも冷静を、装うとしている聖者であっても、この世界が、ぐにゃりと、歪むような、光景の中では、盲目のネズミよりも、タップダンスは、愉快に踊れるに違いない
私は、暗闇の中で、目を覚ますと同時に、この場所が、私の慣れ親しんだ場所ではないことに、とうに気が付いている、しかし、だからと言って、私は、枕元に、置かれていた本と、電気スタンドの明かりをつける以外の行動は、余り起こしたくはなくなって居た
繰り返し、まったく繰り返しだ
体操選手から、肉体を奪ったら何が残る
学者から、知識を失させたら何が残る
私から、何かを奪った場合、それは何に当たるのだろうか、消費しかしない、この私
この私においては、私の思考は、停滞の化石の森のような、地面の底にいて、また停止した化学変化を、楽しもうとも考えたが、私は、嗅ぎなれないものを、鼻にした
何だろうか、今までは、菓子と本の匂いに、長らく、付けこまれて居たが
私の鼻腔には、つい先ほど、近い時間に、嗅いだような、何かが、鼻を動かす、料理である
病院では、流し込まれる点滴と、私の口内にも、優しい、かまないで済む食料が、あったが
私は、目を、本から移動させる
「ご飯ですよ」
見ると、味気ないテーブルの上に、昨日とさすがに、色々と、内容は違うが、食料が、置かれている・・さて、どのようにして、移動させようか
私は、自分の体の不自由に、さらに拍車をかけながら
考える
ここを、出ていくのは、忍びない
「あの、すいませんが、数日同室していて、構いませんか
仕事も、お願いします」
男は、全てを、テーブルに、置いて言う
部屋は、相変わらず、暗い
ライトの明かりだけが、そこには、ぼんやりと、背後を照らすが
まるで、啓示を前にした後光のようにも取れるが、どちらかと言えば、それは、警察署の取り調べなのかもしれない、しかし、こんな暗闇にもかかわらず、キッチンで、料理をし、なおかつ皿に盛り付けて・・先ほど私が、本を読むために、寝起きに電気スタンドを、付けたときには、まったく、何の明かりもなかった、しかし、目の前の料理は、確実に、出来上がっている、それが、インスタントの類ではなさそうであるが、そうであったとしても、真っ暗闇の中で、どうしてどのように、いや、なぜそのような状況のままに、更に盛りつけるなんて、馬鹿な真似をしなければいけないのか、百歩譲って、暗闇で目が聞く、日光を、眼球に浴びると体に異常をきたすから、常にサングラスを、かける、みたいな話は、見た所、無いような気がする、でも、だとしても
湯気を立てる、スープを見ながら、頭を、ひねる
しかし、その説明は、一切なく、手を合わせた、その男は
こちらを、真顔で見ながら、言うのである
「何を言っているのですか、あなたは、今日も、私に、仕事の指令書を、書かなくては、いけないのですから、ここにいてください」
私は、真顔で、スープを、飲みながら、皿に、目を移した男を見た
そういえば、また、同じ服を着ている
こいつは、私服と言う物が、無いのだろうか
銀色のスプーンを、スープを入れて口に運ぶ
昨夜の残りなのかどうかは、分からないが、まったく違う味がした。、
「それで、五件の仕事を、したってわけですか」
私は、心の中で、扉が開いた瞬間
そんな事を、ふと思った
私は、持ち合わせていた、紙で、料金が、ぴったり半分に、なるものだけを選び、片っ端から、それに対しての、調べを、電話なり、なんなりで、調べ始めた
そして、材料がたまった午後に、それらすべてを、書き始め、一時間ほどして、奴に、今日やるべき、仕事を、どれか選ばせようと、考えたが、奴は、その紙を、持って、出て行ってし
まった
どれか一つ仕事を終わらせても、2000程である、腕慣らしには、丁度良いかも知れないが、しかし、2人の大人を、何とかするには、いかにも難しい、しかし、奴は、どうも奇妙だ
私は、猿に、コンビニまでの、お使いができるかどうかを、考える程度の成功を、思ったが
しかし、目の前に、帰ってきた、男の紙袋は、あの紙、全てと引き換えに、五件すべての依頼が、
完璧に、終わっていた、正直、こいつは、一人で、仕事を、終わらすことができるのではないか、それこそ、こいつは、何をやればいいのか自分でもわからないと、言ったが、しかし、もしそうなら、繰り返しの仕事であれば、奴の天職と言えるに違いない、私は、不要なのでは
そう、聞いてみる
紙を見るが、奴は、首を振って、一切の感情が、分かりかねる
半笑いと、何も見ていないような、そんな、透き通った不純物な顔をして、私に言う
「私は、一つの場所に、留まれない」
追われているのか、だとすれば、こいつがいない間に部屋を捜索してまずい粉なんかが、出てきたら、まずいから、さっさと出て行ったほうが良いかも知れない、そういえば、歯医者の予約もあったはずだ、一応、それを理由に
「これが、報酬の半分です」
奴は、紙袋から、さらに半分に分けられたのであろう、小さな、茶色の同色の紙袋を取り出すと、私に、テーブルの上に、二つ置かれた一つ小さいほうを、私に渡す
「どうも」
割に、合うのだろうか、私の疑問に気が付いたのか、奴は、私を見ることなく、まるで、近づくとなる、展示物につけられたスピーカーのように、口をあまり開くことなく、いや、動いていないが声が聞こえた
「物事の対価は、めんどくさい物です、少なくとも、私を、怪しんでも、行動を、ともにし、なおかつ、私にもわかりやすい、れっきとした、文章を、提示していただくので、私は、これを対等とします
それに、こんなことを、私は口酸っぱく言われました
対価は、平等にしないと、喧嘩になる、喧嘩になったものにあるのは、死だと」
かなり極端な話だ
そんな事では、幼稚園は、血の海に毎日なっていることだろう
こいつは、一体どんないかれた上司か、教官か、そんな、場所にいたのだろうか、どちらにしても、気が付いた時にはそこに彼の姿はなく、台所で、音のない作業が行われている
そういえば、昨日食べたスープの中には、肉が入っていた、まさか・・私は、人肉でも入っていないだろうか、これは何の肉だったか、私の記憶は、実に都合よく書き換えられているのか
それとも、記憶を消したのか、肉など最初から入っていない私の妄想だったのだろうか、私は確か肉を食べたはずであるし、その歯ざわり味を覚えているような気がするが、それより一歩先には進めない、ただ台所で、動く腕は、音はないが、それでも、明らかに、何か動いている
しかし、腕しか動いていないせいか、まるで、調理している体は、人間だが、調理している部位は、明らかに、別の動作をしているような、形だけの調理機器を、連想させたが、私は、その興味深い、不気味な、同居させてもらっている、誰かに、置いて、目を離し、別の事を、考えるべく
読みかけの、調査表を、見ながら、文字を、一字ごとに、目で追い頭へと、移していく
気狂いが、ぐるぐると回り、頭の中で、それを、正当性のある別のものに皮をかぶせゴムを張り付け、必死に別の、悪意を、善意にくるんでいく、私は、一人、目の中の、何かを、必死で考えに、感情に変えながら、考えていく、感情は、代用が利かない、それでも、無機物を愛する、私のなんと、どろどろと、おぞましき、無機物だろうか、それを、感情と呼ぶべきか
「できましたよ」
全ての、仕事の表を、書き終えた私は、紙を脇にどけ、目の前の、ボウルを、見た。
「それでは、歯医者に行きましょう」
私は、奴と、過ごして、一週間ほど経過していた。何かが起こる訳もなく、ただ淡々と、日が過ぎている。日給にして、二万が、一人の人間の報酬として、高いのか安いのか、それが、冷と言うというよりも、便利屋としての価値に近いのであれば、そんな物かもしれない、私は、そんな折に、給金を、半分にしていた時、そんな会話と言うか、筆談へと、移行して行った、私は、その時に、歯についての会話から、歯医者の予約を、思い出した
ーそれじゃあ、この時間にー
私は、予約を、思い出して、その時間に、連れて行ってもらう事にして、本に目を移した
この空間は、謎である、ただでさえ何もなかった空間が、半分ほど徐々に本の影がちらつき始めたその中で、特に、別段、何かがあるわけではない、相手は、まるで、家具のように、そこにいるが、しかし、最も、強力な、まるで、重機と操縦者のように、そこには、存在しているようにも思えるが、見た所、寄生生物と宿主にも、思えなくはない、どちらにしても、活字が、目を通せば、ジワリと、油を刺したように、ゆっくりと、物語が動き出していたのである
「まずいですねこれは」
歯を、直ぐに、全て抜き取ったらしく、コロンコロンと、銀色の湾曲した皿に、ペンチも必要もないような細いピンセットのようなもので、一つ一つ、とげでも抜くように、抜き取られる
口の中の感覚は、もともと無いに等しかったが、麻酔を打たれた口の中は、徐々に、まだ神経が通って居たと見えて、血の味が、とぷとぷと、満たし始めた。そんな折に、私は、声をかけられた
「全ての歯を、抜き取りましたが、これは、本当にまずいです」
私は、喋ることもなく、その瞳だけが、歯医者のほうへと、マスク越しに見る
「直ぐに、病院へのにゅいんの用意が必要です」
何ですか、私は、そんな意見を、相手へと向ける
「ああ、バイ菌が、虫歯ですかね、それが、体のほうに回ってますね・・・死にますよ、急がないと」
私は、待合室に、待っていた、あの男とともに、白い救急車に乗せられて、そのまま、あの病院へと、逆さに戻り
「また来たんですか」と言わんばかりの声を掛けられながら、お金は、大丈夫なのだろうかと、上司が部下に話している、幸いにして、私は、今、健全に、十万ほどの現金を、所有していたが、果たしてそれにおいて足りるものかは、正直なところ全く感知なところではない
その後、私は、病院内を、たらいまわしされるように、ありとあらゆる検査ののちに
「まずいですね」と、またな字ような話し方を聞いたが、顔は全く似ても似つかない奴であった
「どうしたんですか」
横に男が立ってそんな事を言っている
「ええ、少々厄介な、アメーバが、体内に・・後は、合併症が、数種類・・・持って、後、一週間が、半分半分いきれるかどうか、体も、だいぶ切らないといけませんね、それくらい危険度の高い浸食率です」
男は、さも当然に
「それで、治るんですか、治療費は」
医者は、眼鏡越しに、男のほうを見た
「まあ、やっては見ますが、これは、非常に、高価な薬が必要でして、それが、半年ほどの投与が、必要でして・・・明日に、注文しますが、それまでに、考えておいてください」
私は、紙に書いて聞く
ーもしそれ以外のものはー
医者は、こちらを向いて言った
「気合と、根性です」
私は、また病室に戻ってきていた
あの時のベッドは別の人間が寝転んでいて、私は、隔離されたような、空間を作られ
その中で、また寝転がっていた
ーどうするんですか、私は、あなたとお別れの様ですが、これであいさつとします、数日ですがー
男に、紙を、見せようと、いすのほうを見ると、いつの間にか、そこには、あの男の姿はなくなっていた、何処に行ったのか、もともと気配も足音も、動作だって、必要最低限みたいな省エネと言うよりも、冷凍保存されたような、奴であるから、急にいなくなっても不可思議ではない
もしかすると、あんな奴である、病院にいると言う事で、不都合があるかもしれない、出会いこそ、病院のうらのゴミ捨て場ではあったが、そういえば、奴はどうしてあんな所にいたのか、私には全く想像もつかなかった
そんな奴が、この場所に、帰ってきたのは深夜、面会もできない時間帯であったが、三階の窓から、奴は来たようである
その手には、紙が握られている
私は、電気スタンドの中、その紙が、ちらりちらちらと揺れているのを、影の中に見た、相変わらず、奴の顔は、見えず、どちらにしろ、代りばえがえが無かったに違いない
紙を、受け取ったそこには、とんでもない額
三千万円の報酬と、とんでもない、それ同等の、いや、其れでさえ少ないくらいの内容が、差し迫って書かれている、それは、残念な、内容だ
それこそ、ただただ名前だけが書かれ、方法も何もない、何を考えているのだろうか
私は、ぼんやりと、その黒い文字を、見ている
こいつは、果たして何者で、何を考えて、何処からこれを、こんな話を持っていたと言うのだろうか
私は、頭を抱えながら、悩む、これをどうしたものか、その文字は、黒々と、紙の上に、染み隣に意味を持ち、そしてそこには、あったと言う訳だ「警察署長を、消せ・マインメーデル」
この街の警察署長は、悪徳で名が通っていると言う事を、聞いたことがあるが、私と何か、関係が、出来るとは、到底考えていなかったが、私は、上を見上げる
「これは、どういう意味でしょうか」
文字の返答は、言葉でも文字でもなく、こくりと、頷くに、徹していたわけだ、そんな灰色の死神を前に、私は、どうしようもなく、そこにいるしかないのである
私は、何がしたいのであろうか
ただ、そこに突っ立って、本を、見ている
私は、なぜ、そこにいて、何を読み、そして、何を、考えていたのだろうか
ただ、そこには、私はいたらしい。
それは、やけに長い、解説文となった、幾重にも、連絡を取り合い、そして、中々の費用が執拗であったが、幸いにして、スポンサーは、その金まで必要経費として、出してくれるのだから、ありがたい、さすがに、水増しすることもなく、ただただ、びた一文そのまま計上するつもりだ、いや、もう決まっているところだから、これは不変で不動なのかもしれない、私は、いちいち、紙に書きながら調整を、考えていた
「これでどうよ」
私は深夜、紙に、全てを書き終えて、全てが完成したとき
どうにも体が、汗まみれであり、まるで、熱に浮かされたように、オーバーヒートしたのは、明らかに、私の脳以外の問題であろう
病気でうだった私は、意識もうろうの中、ベッドの中に、落ち込んでいったのであった
私が目を覚ました時、以外に、元気な私が居た
しかし、場所は、前に、居候していた、私の見知ったあの部屋であり
私は、どうだったのかと、聞くと、机の上には、大金が、置かれて頂けだけであり、どうもそれが、成功したような感じである
話の概要は、適当なものである
つまり、その紙には、消せとしか書かれておらず、私は、相手に、消えることを、進めるが、相手も、よほど、相手が怖い存在らしく、更には、どうも、首が回らないほど、
あくじをはたらいたていたと見えて、逃げる機会を、伺っていたようであった
ゆえに、スポンサーが、これにより一人増えたことになる
後は、彼に、国外逃亡の、手続きを、お願いしたと言う訳である
よほど、暗いほうに精通しているらしく、彼は、偽装パスポートまで、紙に書けば、用意していたようであった、更には、聞くと、ありもしない病気を作り、その余財として、不要な治療を、させていた節もあり、歯医者から医者、整骨院、針灸まで、あらゆる、ピンハネを、狙っていたと言うのだから、恐ろしい話だ
「それで、私のは」
彼は、何も言わず、そこに立っていた
「では、分けます」
紙に、書いた、私の言葉の前に、目の前で、札束が、ケーキのように、二つに、分けられた
くしくも、その日深夜、眠りにベッドに着いた時
部屋に一つ欠けられている、カレンダーに、私は、日付を思い出していた
ああ、今日は、私の誕生日であった
私は、暗闇の中、布団の中で、くるまっていたのであった
「やめてくれ」
言葉とは、裏腹に、私の脳内にあるのは、練習通り、もしくは、それ以上を、遂行するに、とどめている、それ以外にはない、私は、私にできることは、世界最高の誰かの真似、それ以上でも、それ以下でもない、誰かが認める、常識外の繕いでしかない
私は、暗闇の中、誰かが、消えるのを、後にする、こんなことに、何の意味があるのか
その答えでさえ、誰かの答えでしかない
c イタチ @zzed9
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。 cの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます