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 外に出ると、空は厚い雲で覆われていた。朝とも昼とも夜ともとれるような、よくわからない色をしている。

 ボー・シエルの店先に立つ。いつも通り、イエティが握手を求めるように手を差しのべていた。

「ありがとう。世話になった」

 しっかりとその手を握る。彼らには何度も勇気づけられた。いつも見守ってくれていた。ここで最初にできた友達だった。

 すると、イエティはまるで生きているように、一際にっこりと笑い、手を握り返してくれた気がした。


 次の瞬間にはもう、アメの手はただ宙をさまよっていた。

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