第37話 記憶と共に歩む未来

美織学は、夜な夜な訪れるミジンコだった頃の記憶と、それに伴う恐怖や寂しさに今も苦しめられることがあった。冷たい水の中を彷徨う夢から覚めた時、彼の心は不安でいっぱいになる。しかし、そんな時でも、椎やるんというかけがえのない友人たちの存在が、彼に安心感と温もりを与えてくれた。


彼らは学が抱える深い記憶を知った上で、それでも変わらずに彼を受け入れ、支え続けてくれた。友人たちとの絆が彼に勇気と力を与え、学は自身の過去と向き合い、それを乗り越えていく強さを手に入れた。


また、学は自分のアートを通じて、ミジンコだった頃の記憶を表現する方法を見出した。彼の作品は、見る者に深い感動を与え、彼自身もまた、自分の中に眠る深い感情と向き合う機会を得た。アートは彼にとって、過去の記憶を受け入れ、それを力に変えていく手段となった。


この日、学は椎、るんとともに、彼の新しいアート展示会の会場にいた。会場は学の作品で満たされており、来場者は一様にその深みと美しさに感動していた。展示会の中心作品は、ミジンコの視点から描かれた水中の世界を表現したもので、学の感情や記憶が色濃く反映されていた。


学は、椎やるんと共に自分の作品を前に立ち、来場者からの反応を見守っていた。彼らからの温かい言葉や、作品に対する深い理解に、学は心からの感謝を感じていた。そして、彼は深く自覚していた。ミジンコだった頃の記憶は、これからも彼と共にあり続けるが、それはもはや彼を縛るものではなく、彼のアートと人生を豊かにする源泉であると。


夜が訪れ、星空の下で、学、椎、るんは再び約束を交わした。過去も未来も、そして今も、彼らの絆は変わらず続いていく。学は、ミジンコだった頃の記憶と共に、これからも歩んでいく。友人たちと共に、そして自分自身のアートを通じて、彼は無限の可能性に向かって進んでいくのだった。


この物語はここで幕を閉じるが、学、椎、るんの旅はまだ続いていく。記憶と共に歩む未来は、彼らにとって新たな物語を紡いでいくだろう。

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ミジンコだったんです。 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92

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