「もし周囲の人が自分のことを忘れてしまったら」という想像をしたことはないでしょうか?この作品は、この想像が実現したらどのようになるのかを丁寧に描いています。起こるはずのない不条理な事態なのに、何故か実感を持って読んでしまう。これは作者の力量によるものか、読者の個人的経験によるものかが判別できないところもまた、作品の魅力だと思います。