4. 屋上と再エンカウント

ほら。やっぱね?おもったとーり。

すーぐ飽きたら書くの止めて、インクバシャバシャしちゃうんだから全く…

こっからストーリーおもろくなるのに何をやっているんだ著者は。

二ヶ月近くの逃亡だぜ?通るかこんなもん。


ままま。こんなのでキレてちゃこの先やってらんないからね。我慢大事よ我慢。

せっかくいいとこなんだしね。黙りますわ。


「それでですね〜!エモちゃんの表情が、ほんの少し!ほんの少しだけ変わるんです〜!大きくは変わらないんです〜!そこが肝なんです〜〜!!新たな快感に目が覚めて、顔は火照り、必死に耐えようと踏ん張るんですけど〜!エモちゃんは!そんな汚いことに手を染めていない純真無垢な箱入り娘〜!なんです〜!道の体験に我慢が切れて、口角がこう…フニャってぇ〜!目元がトロンっとしてぇ〜♪そんな顔を〜、私は見てみたいんですぅ〜♪」

「…」


…やっぱ黙れんわ。著者ごめん。


時刻は午後五時を回ったあたりか。やはり春頃。まだまだ太陽は明るく空で照っている。窓から陽が差し込み、光が横目でチラチラしてしょうがない。

ようやくついた教室前の廊下。目的の教室まであともうちょっとといったところ。周りには下校途中の初々しい生徒の姿が散見される。

スーツを着慣れていないこの年頃の子供というのは、なんとも可愛く見えるものだ。人が少ないのは、まだ友達の幅が狭く、遊びの予定なんかも決められるような状態だからであろう。


…裕翔は、この情景を見て現実逃避をキメていた。

まぁそりゃそうなるわな。うん。

だって知り合って十五分もしない陸上部の後輩女子の、なんかよくわからんうちに生徒手帳を盗られたという関係に過ぎないアタオカ女子の理想のプレイシチュを、向かう先で延々聞かされたのだ。

どうして裕翔は今のところマイナスの感情しかわかないようなイベントばっかり起きるんだろうか…いやまぁ、彼には感情が無いから別に大したことじゃない…かもしれんし。

いやでも、感情なくても流石に羞恥とかはあるかも…?


「それで…『やめ…て、おかし…くなる…♡』ていってくるんですよ〜〜♡♡♡」

「待った。アイツは絶対そんなこと言わんだろ。君よりかは関係値なんて数値で鑑みれば小数点以下も良いところだがこれだけはわかる。アイツは無知シチュをしたぐらいで折れるような玉じゃあない。…むしろその状況さえも楽しんでそうな感じがするぞ…」

「なるほど〜…初めて私の妄想を否定されました〜。ちょっとだけ怒りは湧いてくるんですが〜。興味が湧いてきたことも事実としてあります〜。具体的なシチュエーションとしては〜?」

「無知シチュと思わせておいての、余裕の当身技だ。『ナニコレ〜!?おもしろ〜い☆こんなの初めて!!』の型!アイツは想像を絶するような好奇心で、自ら快楽を望んでいくのだ!君の意見は確かに素晴らしいものだとは思う。が、そのタイプはは明らかにあの性格からは伺えない、受動型!自分からトラックに轢かれていくような能動型とは、あいつの性格からして非なるもの!…まぁ、あくまで僕の主観でしか語れないものであるから、根拠をと言われたら頭を下げるしかないんだがな。」

「…驚嘆、感嘆、反論…言いたいことはありますが〜、これだけは言わせてください〜…」

「何だ?」

「同士よ〜♡」

「乗るんじゃなかった、このビッグウェーブに。」


いや羞恥心なかったわ。そういうのもないのね。でも、一応耳元で小声で話してるから、TPO自体は意識してるのよね。ムカつくわね。

…というか、話を切り上げさせるためにド変態な話題に乗ったは良いものの、逆に感心されて関係が知り合いから同士にランクアップしているようだ。

裕翔もシンプルにこうなることは予測していなかったようだ。厄介な奴がまた増えたもんだと、右から入ってくる下話を左に受け流す作業を再開する。


とかやってるうちに、目的のB組教室に到着。

二人が中を覗くと…いたいた。窓側の席にぽつんと座っている少女の姿が見える。


「…なんか、しれっといるな。下手したらターザンで廊下の窓ぶち破って―みたいな展開だと思ったのに。」

「やっぱりウチのコは可愛いですねぇ〜♡」

「これが恋は盲目ってやつかね。」

「あのままスタンガンで痺れさせたい♡♡」

「…性癖は目隠れってのに改名したほうが良いのでは?あ、でもそれだと別の意味になっちゃうか。そこまで見越して考えてたんだなぁことわざ作ってた人は。昔の人ってすげー。」


こんな雑談をしに、裕翔は遠路はるばる教室に来たのではない。

とっとと話しかけて、ぱっぱと出すもん出してもらおうと意気込んで、声を掛ける裕翔。


「お〜い。宇津呂。」

『…私の名前、覚えててくれたんですね。』

「ウオッ?!」


裕翔が肩をビクンッ!と跳ね上げて慄くのも無理はない。

裕翔たちがいる扉前から、一番遠い場所にあるであろう恵望の席。

その席に向かって、裕翔は声をかけたのだ。

恵望に


それなのに…宇津呂は…裕翔の隣で、耳打ちをしてきたのだ。


一体何が起こったのか、脳の中で処理が追いつかなくなった裕翔は、扉の縁にもたれかかって、少しうるさい自分の心臓の音と格闘していた。


「お〜…久しぶりに見ましたねぇ〜、エモちゃんの『ざんぞーけん』〜。」

「流石に私も、あれだけのクオリティのデコイをペース早めに作るのは骨が折れるから。」

「あれ〜、どうやって作ってるんですか〜?陸上部の練習とかに〜つかえたらいいな〜って思ってるんですけど〜…」

「別に企業秘密ってわけじゃないからいいよ。でも何に使うの。」

「やっぱり〜、貝◯わせって〜良いストレッチになると思ってるんですよ〜♡」

「よく分からないけど、ある程度動かせるようにプログラミングもできるとだけはいっておく。」

「ありがとうございます〜、お支払いは一括経費で払いますねぇ〜。」


そんな裕翔の眼の前で一つの怪しい商談ができちゃうくらい、裕翔はビビっていた。


「び、びびってないが。」

「あ、ヒイラギ先輩。こんにちは。」

「あ、ああ。」

「ご注文はデコイですか?」

「いらん。どちらかといえば注文は学生証だ。」

「やです。」

「…なぜだ。どうして脈絡がない上に、お互い全く知らない者どうし。僕が間接的にお前になにかしたってんなら話は別だが、説明もないのに理解なんてできるわけない。それにあの時は、いわゆるとほぼ同じだ。そこになんの生産性も、理由付けもない。訳が分からない。…一体お前は何がしたい。」


恵望は、少し思想した後、ゆっくりと答える。


「…そうですね。理由を話さずにあのような行動に出たのは、ごめんなさい。」


恵望は、裕翔に頭を下げる。

それはもう、上品に。

まるで、今自分たちが交渉の場に立っているのだと、錯覚させるほどに。


「あのときは時間もなかったのであんまりに説明不足すぎました。先輩は、私に学生証を盗られた時点でとあるゲームに参加してるんですよ。」

「どういう意味だ。」


この言葉からである。

二人の日常が、ガラリと変わって。

最初から最後までハチャメチャな、ラブコメディが始まったのは。


「一年間。学校がある日は毎日。休みの日でもできるだけ。私と、

「…」

「たったそれだけです。」

「…分かった。1年後には学生証も返すということだな。だが、それではとして、完璧なものではない。宇津呂。お前のも、だ。」

「分かりました。」


………

えええ…

なにこの、なんというか、煮えきらないっつーかなんつーか…

こう、うちの作品に全くテイストのあってない急な真面目ちゃん展開っていうか…

そもそもこんだけこっちが盛り上げたのに、こんな単調でシーン終了するとか…


なんか!!!!!締まりが悪いわ!!!!!!!!

なんもかんも置いてけぼりにすなっ!!!!!


「あら〜?対◯忍的シチュを模索していたら、いつの間にかよくわからない事になってますねぇ〜…ま、ふたりとも頑張ってくださ〜い♪ROUND1…FIGHT♪(小並感)」


_____________________________________

二ヶ月ぶりジャイ。

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無感情くんと無表情ちゃん COOLKID @kanadeoshi

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