家路

 夜の冷気は清く澄み渡り、私の胸を心地良く満たしている。高きに広がる空の星々もその輝きを増して、この暗黒を散らしてくれる。


 そして、軋みを上げて砕ける土もまた儚くも美しい光を星々に投げ返している。私の行く地上は間もなく白く覆われるだろうが、私が本来在るべき場所は暖かく迎えてくれるだろう。


 星々よ、願わくは、無事に私の世界に帰し給わらんことを。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夜の詩 本居 素直 @sonetto-1_4

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画