第40話 一生コイツの言う通りにしてやろう

 わかった事がある。


 コイツはとんでもなくウブな恥ずかしがり屋だ。


 そのくせ、その数十倍、性欲が強い。


 そして行動力は人一倍どころか数億倍ある。


 怖がりで、強がりで、適当。猫のような気まぐれさはない、犬のような実直さで。


 ああ悔しい。あんまりにも、あんまりだ。


 こんないいヤツが、おれの元に来るなんて、おれを求めてくるなんて、恵まれすぎてる。


 だから。そう、だからだ。


 おれはコイツの口から「好きだ」という言葉が出るまで、絶対に手を出さないと決めた。


 そして、おれの方が先に言ってしまったら、一生コイツの言う通りにしてやろう、そんな風に決めた。





 とまあ、これが、おれとロボの出会いだった。


 これから始まる破天荒な人生の一人目の登場人物。


 いや、ホント、これからのほうがずっと大変な目にあったわけだが。


 それはまた今度の機会に語るとしよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人狼発情期 がっかり亭 @kani_G

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ