おそらく作者は食べ物関連の仕事をしているんじゃないか。食べ物についての描写は一切手を抜いていない。もちろん、ファンタジーについても、相当な巧者だ。
例えばダンジョン探索。洞窟を進んで階段を下り、強いボスがいた、ってなダンジョンは描いていない。描かれているのはオーソドックスなダンジョン。でも、他と全く違う。ゲームでもそうでしょ。攻略本を見ないと攻略出来ないダンジョンがある。
聖人はそれをスラスラ攻略して行く。エルフも頑張って付いていく。だってエルフは聖人に恋してしまったから。
聖人に何かされる度に意識してドキドキしている。それがさしずめこの作品の調味料にラブコメ大さじ一杯って感じ。クスッとなる。けなげでもある。読んでいて楽しい。
エルフの語りもおもしろい。女性目線で読めば共感を持てるし、男目線で読めば萌える。上手く出来ている。男女、読み人を選ばない作品。
モンスターが倒されると、瘴気を放つ、毒に縁が深い世界。
一人旅をしているエルフの少女、シャウラは、規格外に強い聖人のライジェルと出会います。
このライジェルが、カッコイイ、強い、シャウラに紳士に接するという、隙のない男前。
シャウラは、(多分)ボーイフレンドもいた事がない少女なので、もじもじしたり、ライジェルにどう接したら好意を持ってもらえるだろう……、と考えたり。
ライジェルの紳士な行動にドキドキしっぱなし♡
行動に嫌味なところがなく、明るい少女で、モンスターなどには冷静な観察眼がある、賢さも持ち合わせたエルフです。
物語には、シャウラ目線の、素敵な殿方にドキドキする甘いムードが漂います。
そして、異世界グルメ、野草料理の美味しさが爆発しています。
異世界の冒険、バトル、たしかな筆力で描きあげる作者さまなので、男性読者さまも、楽しく読めるでしょう。
そして、女性読者さまに、広くオススメしたいです。
・ドロドロ恋愛は読みたくない。
・かといって青春ど真ん中甘酸っぱいのも肌がむず痒い。
・ほどほどに甘く、主人公が明るくほのぼので、かっこいいヒーローにドキドキしてる、バトルや冒険も絡めて書いてあると、読みやすく、なおGOOD。
という女性読者に、クリティカルヒットするでしょう。
おすすめですよん♫