異星人のプログラム
柩屋清
1話完結
『ーー地球人の皆様、我々は異星から来た生命体、即ち”宇宙人”である。近々、交易をしたく訪ねた訳であるが、その返答を、一年後に受けたく再来する・・・・』
TV
「何故、トップ・シークレットにせんのだ」
日本国・総理は苛立ちが納まらない。
世界中では宇宙人に地球が占領される前に、長年の恨みを晴らそうと、紛争や殺し合いが増え始めた。
宗教、思想・・・・あらゆる違いがこの世の終末をタイムリーとばかりに革命という言葉を正当化し、人々が動き始める。
「私の声明など誰も聞いてはくれない」
総理はこの時とばかり政治家の無力を感じた。
*****
「これが正式なる親善です」
FAXで届いた原稿を封筒に納めて少年
役人は、それを総理に手渡しながら、このFAXの機材・一式も近日、総理官邸に借り入れると付け加えた。
聞けば少年の家ではFAXはほぼ、使用していないらしい。
更に政治に関心が無いので
「何故、あんな子供なんだ!」
総理は自分が選挙に勝ち与党より選出された経緯を価値あるモノと信じている。
「世界中で、似たような現象になっている様です」
役人は一礼をし、設営担当者にFAXの配置場所を指示した。
「そんなんで宇宙人と闘えるのか!?」
「まだ、闘うと決まった訳ではありません」
珍しく役人が総理にモノ申した。
*****
「UFOを見たからだーーと思います・・」
後日、少年|αを官邸に呼び出し尋問をする。
「本当か?」
総理は十歳の少年の言葉など心の底では信用していない。
オレンジ色の電球サイズの飛行物体がカタカナの”エ”の字の様に編隊を組み、深夜、彼の父親の運転する自家用車の後部座席で見たーーと云うのだ。少年は車に対し、平行に飛行していた・・とも付け加える。
「何故、ワシには見えん・・」
少年を帰し、総理は役人に対し、本気で落ち込み、そう尋ねていた。実は同時刻、同じ高速道路を、同方面に総理も別の車の後部座席で窓の外を眺めていたのだ。あんな証言、嘘に決まってるーー今回、役人は黙ったまま、その発言を受け入れた。しかし世界中で同じ様な目撃証言が
*****
「やはり噂は本当だったのか・・」
米国や中国、ロシアなどの国々の武器は全て、宇宙人の通信網・占拠時に消えてしまった、ーーという情報が駆け巡ったが、どうやら、事実だ、と判明した。
米国が自衛隊に在日米軍基地を返納する、というのだ。
日本ではトラブルが無かったが、別の国では、駐留大国の軍人家族は地元住民による攻撃を受けたーーというニュースも流れた。
では参りますーー少年αはTV報道を見ていた総理に一礼をし出達の準備をする。あれから一年、今日がその約束の期日だ。領内・無人島にて水・二
(了)
異星人のプログラム 柩屋清 @09044203868
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