第2話 旅立ちと出会い
私たちの船はこれから長い調査飛行に出る。
人類初の試みであると共にOrcaの処女航海にもなる。
アナウンス「まもなく出航致します。総員、直ちに配置についてください。」
アナウンスと共に私とロッズはハンガーデッキに向かった。
ロッズ「出航の時に襲ってくる馬鹿なんていないだろー。」
トム「意外にも戦時中は出航の時に奇襲をかけてた国もあるぐらいだから万が一ってこともあるだろ。」
ロッズ「でもここは宇宙だぜ?そんな簡単に襲ってくる奴なんていないだろ。」
トム「まぁ飛んでみたらわかるさ。」
ブリッジから船全体にアナウンスが入る。
キャプテン「キャプテンのジョンカークだ。まもなく船が出航する。今回の試みは人類にとって大きな一歩になるだろう。だがしかし、それに伴った危険も待ち受けていることだろう。だからこそ皆には気を引き締めて任務を遂行してほしい。以上だ。」
キャプテンの話が終わると立て続けにアナウンスが入った。
アナウンス「まもなくカウントダウンに入ります。」
ブリッジではクルーたちが慌ただしく出航に向けて手順を進めている。
ブリッジクルー「エンジン始動。第一から第五までのブースター及びワープコア起動、エンジン圧力上昇中。第一、第二チャンバー正常。管制ダンパー切り離し完了。出港準備OKです。」
キャプテン「最大船速でワープ。出航カウントダウン開始。10秒前。」
ブリッジクルー「5,4,3,2,1、出航します。」
轟音と共に船が勢いく飛び出していく。
身体がシートの背もたれに思いっきり引き付けられ、かなりのGが体にかかった。
辺り一面が青い光に包まれていく。
船が飛び去った後にはワープエネルギーにより出来た無数の青い結晶がきらきらと散らばってき、Noahから飛び出した船体は一瞬にして消えていった。
私たちを乗せたOrcaは最初のポイントである土星に向かう。
船がワープ航行をしている間に私とロッズはこれからのことについて語り合っていた。
ロッズ「ようやく飛んだな。」
トム「このまま何事もなく任務が終われば良いが...。」
ロッズ「またお前の悪い癖が出てるぞ。」
トム「すまない。常に最高の結果と最悪な結果を考えないと痛い目にあうからな。」
ロッズ「最悪な結果なんて考えてたらきりないだろ。いい加減その考え方辞めたらどうだ。」
トム「お前なんかに言われなくてもわかってるよ。」
ロッズ「ならこの旅の間は最高な結果だけ考えろよ。」
トム「できる限りの努力はするつもりだ。」
ロッズ「こっちまで気分悪くなるぜ。それはそうとみんな意外に平気そうだな。」
船内のクルーたちは皆作業に没頭し、不思議と穏やかな雰囲気が漂っている。
しばらく経つと船内アナウンスが船に鳴り響いた。
アナウンス「まもなくワープポイントの土星付近に到着いたします。」
トム「俺らも万が一に備えて戦闘機に乗り込む準備でもしようぜ。」
ロッズ「そうだな。まっ!どうせ意味ないけどな!」
そうして私とロッズはVultureに乗り込んだ。
ブリッジクルー「まもなくポイントに到着します。」
船がポイントに到着すると目の前に土星が現れた。
ブリッジクルー「通常エンジンに切り替え、メンテナンスのためにこのまま海王星付近まで航行します。」
キャプテン「メンテナンスに時間はどれぐらいかかるんだ?」
ブリッジクルー「このままいけば1時間以内には作業が終わります。」
キャプテン「作業が終わり次第ワープ航行に戻る。」
ブリッジクルー全員「了解」
アナウンス「只今、ワープコアのメンテナンスの為通常エンジンにて航行しています。一時間ほどでワープ航行に切り替わります。」
ロッズ「ほーらやっぱり何も無かったろ?」
トム「まだ気は抜けないぞ。」
私は管制官に無線を飛ばし状況の確認をした。
トム「こちらVulture 1。現在の状況を教えてくれ。」
無線「現在処女航海の為ワープコアのメンテナンス中、パイロットはそのまま待機せよ。」
トム「いつ頃終わる予定だ?」
無線「一時間以内には終わる予定だ。」
トム「了解。このまま待機する。」
ロッズ「一時間もこのままなのかよー。」
トム「仕方ないだろ。命令だ。」
ロッズ「こんなことなら小便しときゃよかった。」
トム「乗り込む前にしてこないお前が悪い。」
船のメンテナンスは順調に進んで行った。
ブリッジクルー「まもなくメンテナンスが終わります。」
キャプテン「わかった。船内にアナウンスを。」
ブリッジクルー「キャプテン!レーダーに複数に機影を確認!」
キャプテン「位置はどこだ!」
ブリッジクルー「二時の方向!8機います!」
キャプテン「船体を確認できるか!」
モニターに拡大された船体が映し出された。
ブリッジクルー「なんだこれ…。見たことないぞ…。」
モニターには黒く光る岩のようにごつごつした船体が映し出されている
キャプテン「向こうの周波数に合わせられるか?」
ブリッジクルー「通信できます!」
キャプテン「こちらは宇宙探査船Orcaキャプテンのジョンカークだ。こちらには攻撃の意思はない。繰り返す攻撃の意思はない。」
キャプテンが口を閉じた瞬間驚いたことに私たちと言語が流れてきた。
船籍不明船「あなた方のことはよく知っています。」
キャプテン「なぜ私たちの言葉が理解できるんだ?」
船籍不明船「私たちはずっとあなた方の行動を見てきました。
あなた方はとても愚かで醜い種族だ。
私たちはそんなあなた方を抹殺する為にここへ来ました。」
キャプテン「抹殺だと?」
船籍不明船「あなた方は私たちの宇宙を長い間汚してきました。その償いを今ここでしてもらいます。」
そういうと船籍不明船との通信が途切れた。
キャプテン「非常警報!コード707を発令!総員直ちに戦闘準備!」
アナウンス「非常警報。707が発令されました。Vulture隊とcobra隊は直ちに発艦してください。」
非常警報が鳴り響く中、発艦準備をした。
トム「Vulture 1発艦準備完了。発艦します。」
激しい揺れと共にカタパルトから勢いよく飛び出すと後を追うようにロッズも発艦した。
ロッズ「ようやく出番だぜ!お前足引っ張んなよ?」
トム「お前こそちんたら飛んで撃ち落されても知らねーからな!」
そのあとも続々とVulture隊が発艦する。
トム「Vulture隊全機いるか?」
隊員「全機発艦完了!」
トム「了解。全機配置につけ。」
Vulture隊「了解!」
横一列に並んでいたVulture隊がひし形になるようにゆっくりと散会していく。
ブリッジクルー「Vulture隊、cobra隊全機配置につきました。」
キャプテン「船体の全シールドを前方に回せ。」
船体前方に一瞬まばゆい光が放たれ、青みがかった壁のようなものができる。
キャプテン「cobra隊、シールドを張れ。」
cobra隊の機体はBZ-1という機体で、BZ-1単体シールドを張れる。
その為cobra隊は船の周りを散会しながらゆっくりと回っている。
キャプテン「主砲一番、二番発射準備。目標船籍不明船!」
船体の前方にある主砲がゆっくりと敵船に向けて動く。
ブリッジクルー「発射準備完了しました。いつでも撃てます。」
キャプテン「船籍不明船に告ぐ、再度申し上げる。我々に攻撃の意思はない。
そちらが穏便に事を済ますなら武装は解く。」
キャプテンが無線を飛ばすと船体前方から白くとても速い何かがこちらに飛んできた。
白い光が船体前方にぶつかると船体激しく揺れ、爆発した。
キャプテン「一番、二番発射!」
キャプテンの掛け声と共に主砲から巨大な弾丸が飛び出す。
無線「Vulture隊は直ちに攻撃せよ!」
トム「Vulture隊全機出撃!」
私の合図と共に敵船に近づいていく。
トム「敵機射程内。全機攻撃開始!くそ野郎をぶっ潰してこい!」
ロッズ「痛い目見せてやる!」
Vulture隊が散会し敵船に一斉に射撃を始めた。
キャプテン「魚雷発射準備。Vulture隊はターゲティングを開始せよ!」
無線が入ると私たちは敵船に近づきロックオした
トム「ポイント20.99。Vulture隊ターゲティング完了。」
キャプテン「魚雷発射!」
魚雷が船体から発射されると敵船から艦載機が発射された。
トム「Vulture1よりブリッジへ。目標変更これより我々は前方の艦載機の撃墜に向かう。」
ブリッジクルー「了解。」
敵船と激しい攻防の中敵船に魚雷が命中し敵船下部から徐々に亀裂が入る。
キャプテン「船籍不明船に告ぐ。貴船は今危機的状況に立たされている。
今降伏すればこれ以上貴船に手出しはしない。我々には貴船のクルーたちを助ける用意がある。」
敵船「誰がお前たちの力など借りるものか!!お前たちに助けられるぐらいなら私たちはここで死ぬ!!!」
キャプテン「なら遠慮なく。」
そういうとキャプテンは、無線を切った。
キャプテン「全Vulture隊に告ぐ、装備をサイドワインダーから炸裂弾に変更。変更した後に敵船に集中砲火せよ。」
Vulture隊「了解。」
私はミサイルを切り替え操縦桿を強く握った。
敵船のブリッジ部分であろう部分に私は炸裂弾を撃ち込んだ。
トム「Vulture1、R-2!」
掛け声と共にミサイルが見事なまでに敵船に突き刺さり爆発した。
その後も次々に炸裂弾が敵船に突き刺さり爆発した。
敵船は跡形もなく吹き飛び我々は勝利した。
残っていた艦載機も一機を残し次々に撃墜された。
キャプテン「Vulture隊を全機回収。あの残った艦載機を捕らえろ。」
ブリッジクルー「了解。ゲート開きます。」
掛け声がかかると船体の真下の扉が開いた。
ブリッジクルー「ブリッジよりメインハンガーに伝達。艦載機を重力移動装置に手捕らえろ。」
格納庫のクルーたちは慌ただしく臨戦態勢に入った。
私たちとロッズは船に戻りハンガーデッキに向かった。
ロッズ「こんなの捕まえてどうする気だ?」
トム「こいつらをよく知っておかないと和平もくそもないからな。」
船に敵艦載機がゆっくりと入ってくる。
ハンガーに固定された敵機の扉がゆっくりと開いた。
開いた先には居たのは人間の女性であった。
彼女は見た目こそ人間そっくりだが、瞳は白く、身長もかなり大きかった。
戦闘員「おとなしくしろ!}
戦闘員が銃を向けると彼女は手を挙げながらこちらに近づいてきた。
我々人類が出会ったことがない未知の生命体に私とロッズは興奮を覚えた。
Reunion わいわい @MIKE34r
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