一月の青空

@watanabesan

くそみてえな記憶

クリスマスも終わり、始まったばかりのはずの冬がもう終わってしまいそうな空気を感じた。



昨日購入したグレーのブラインドカーテンから覗く光はなんだか心地よくて、目が覚める前からそれを感じていたような気がした。



無理やりバイトして作ったお金での買い物はすごく気持ちがよかった。




夜に向かって始まった朝は、今日もすごく寒い。

夏には暑すぎるといい、冬には寒すぎるという、無い物ねだりの連続の日々に対して若干のストレスを感じながら、重たい背中を背中で持ち上げ、一つ深呼吸をする。


引越し祝いで友達がくれたコーヒーメーカーは優秀で、自分のスマホからどのコーヒーを作るか選ぶことができる。

無理やりバイトしたおかげで、気持ちは高揚しているので、珍しくカプチーノを選択してみた。




もしかしたら甘ったるさを感じて嫌気がさすかもしれないけど、その好奇心に対する不安は高揚している気持ちがかき消してくれた。


先にもらえないと与えられない自分が嫌だ。




「9時に待ち合わせ。」


本当に頭が冴えているみたいですでにそれに対してストレスを感じてきてしまっていた。



ピーっと音が鳴り、もしかしたら甘ったるさに疲れを覚える可能性のあるカプチーノが出来上がった。



全然いけた。笑



美味しい。

好きな女の子に下品と思われることをしたくなくて、

あえて美味いとは言わないように心がけて一年がたった。



床に気持ちよさそうに寝転んでいるペットボトルをゴミ箱にぶち込む。

“ストラス解消”。





ベランダに出てhighlightにhighlightのZIPPOで火をつけて、朝一発目、特大に臭い息を地球に向かって放つ。



一月五日の朝六時二十分の風は気持ちよかった。












「今日は15年ぶりに東京に雪が積もる見込みです。」


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