第5話
ーよくも私の殿方…楓様を私から奪いましたわね。
ー許さない…祟ってやる。
ー覚悟なさい…泥棒猫…!
手が伸びてくる。
「うわあああっ」
恐ろしい夢で飛び起きる。
この頃、こんな悪夢しか見ない。
これって生霊ってやつ?
六畳の御息所やん!私が夕顔か葵の上なの⁉︎
笑えないよ!ここで死にたくないよ!
「楓様がお見えになりました」
ナイスタイミング!
「二人きりで話したいの、下がってもらえる?」
「仰せのままに」
女房は下がり、楓は簾の前に座る。
「話とは何でしょう」
私は楓に悪夢のことを話した。
「なるほど、生霊の可能性が高い…ところで」
「その生霊は頬に痣がありましたか?」
「え?」
「少し心当たりがあります」
私は夢のきおくを探ってみる。
そうだ、あの生霊は…
「痣がございました」
すると少し沈黙が流れた。
「…その生霊は夫婦の契りを交わすはずだった女子でございます」
「え?」
楓の話によると生霊になってしまった彼女は楓のもと婚約者だったという。
しかし、彼女の父はでっちあげの罪を着せられ、婚約も破談になってしまったと言う。
「これは私が必ず解決して参りますので、紫苑姫はご安心くださいませ」
「え?」
「策がございますので」
「は、はあ」
まあ解決するならいいか。
源氏物語大好きな私が平安風異世界でモテちゃうってどゆことよ 揺月モエ @nakamoe0429
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。源氏物語大好きな私が平安風異世界でモテちゃうってどゆことよの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます