🎼4話🎼 電話
亮が部屋を出て行って、静かな時が訪れる。南にある窓から差し込む夕日にそそられ、窓を開けた。
(気持ちいい……)
南の島ということもあり、湿った暖かい風が流れ込んでくる。東京と違い、道路を通る車は稀で、目前に広がる海の潮の音が心地よい。窓にもたれかかりながら、ポケットからスマホを取り出し、電話をかける。
「……もしもし、母さん」
「蒼空! 無事についたのかしら?」
「うん。大丈夫。香蓮さんにも母さんからのお土産渡したよ」
「そう。ありがとう……で、白砂島はどうかしら?」
「……うん。いいところだね。すごい落ち着く場所」
「ふふっ。でしょ。ゆっくりするにはもってこいの場所なの」
「そうだね」
「……ねぇ蒼空。今更だけど、あなたは今までよく頑張ったわ。急にクビって言われてショックだったでしょうけど、一回そのことは忘れて、めいいっぱい”青春”してきなさい」
「……うん。色んなことやってみる」
「そうよ。島民の皆さんとかお友達とか。学生らしいこと沢山して、私にお土産話してちょうだい」
「わかったよ母さん。ありがとう」
「……どういたしまして。困ったらいつでも電話しなさい」
「了解」
それからしばらく何でもない話をして時間は過ぎていった。
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