男の闘い!

羽弦トリス

男の闘い!

僕は夏に45歳になる、老害。

29歳で統合失調症を発症し、人生の殆どを失った。しかし、彼女だけは家族が反対する中、僕の味方となり、30歳で結婚した。

嫁さんは年下であるが、気が強く、しっかり者で勤勉。

息子が1人いるが、僕は今、パートという名の福祉作業所で働いているので、我が家の大黒柱は嫁さんだ。

嫁さんには苦労掛けた。

必ず、いつの日か恩返ししたい。

僕は精神科の薬を飲みだしたらブクブク太り出して、38歳の時に性機能不全で泌尿器科を受診すると糖尿病になっていた。

嫁さんは第二子が欲しくて、人工受精を5回したが、僕に問題があり出来なかった。

だが、性行為自体は34歳が最後。


僕は23歳の時に入社試験を受けて、名古屋の会社に就職した。

ブラックだった。

朝の6時半から翌日の午前中まで。

残業という名の夜勤だった。

だから、生活リズムが狂い不眠症になった。

寝たいのに、眠れないのは疲労が解消せずに精神を破壊する。

だが、若かったのでこんなヤツラに負けるものか!と思い勤務し続けて、6年目でうつ病になった。

うつ病の治療をするも回復しないので、大学病院で調べてもらうと統合失調症だった。

それは、29歳の時。

即日、措置入院になった。


退院して静養して、ブラック企業には退職届を提出した。

許せん!会社の連中の事は今も恨んでいる。

ソイツらが、義母に居酒屋で僕の悪口ばかり言うで、

「あんた、名古屋じゃ悪いウワサしか聴かないから、家に来ないで!顔も見たくない!」

と、言われた。

ちょうど結婚して半年経った頃だ。嫁さんも自分の親の発言には腹を立てていた。

それから、数年後、義母は病気で死んだ。


僕は焦っていた。就職に焦っていた。

福祉作業所なんかで働いていたら、生まれる子供も面倒見れないと。

だから、無理やりクローズで働いたが、半年しか続かなかった。

障害手帳2級なんだから、自分の病状を知るべきだった。理解すべきだった。


病気は段々酷くなった。

働いていた福祉作業所が2箇所潰れた。障がい者を食い物にする事業所はどんどん潰れる時代。

嫁さんは、一般就労は慌てなくていいと言ってくれたが、甘えているようで、今、大学病院で肥満治療をしているが、それで動ける身体になったら、就職しようと思う。

僕は節目節目で闘ってきたが、今、パートしながら、ペンクラブなどで文章を書いているのでどこにチャンスが転がっているか分からないので、執筆だけは続けようと思う。

嫁さんばかりに負担は掛けられない。

もちろん、お金は渡しているが、一般就労出来たらもっと渡せるのに。


男なんだから、逃げては駄目だ。

僕は無理して病気になり、闘う事を避けてきた。

しかし、障害に負けてはいけない。兎に角、あきらめない。

男、男と書いているが、女性も同じ考えている方もあるかも知れない。

僕は、ずいぶん人生を遠回りしてきた。

あの時、仕事を断れば、と言うように、たら、れば、は使いたくないが失敗した。

だけど、自分で納得出来る人生ならそれでもいい。

今が大事なのだ。

現在はとても苦しいが、将来、良い判断だったと言うくらいの努力をしたい。


人の助けも有り難い。

兎に角、あきらめない。





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男の闘い! 羽弦トリス @September-0919

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