バードそれがいい

k_pote

第2話

【第二章】

【本文】

ジョンはエミリーの写真に映っていた不気味なシルエットや模様が何を意味するのか、一晩中考えていた。彼はそれらが鳥の守護神と何か関係があると推測したが、具体的な証拠はなかった。


翌朝、ジョンはエミリーの友人たちに連絡を取り、彼女が鳥の観察に出かけた場所を教えてもらった。それは、町の北にある小さな湖の近くの森だった。ジョンはすぐに車を走らせ、その場所に向かった。


森に着くと、ジョンはエミリーの車を見つけた。彼は車の中を調べたが、特に変わったものはなかった。彼はカメラを持って、森の中に入っていった。


森は静かで美しかった。ジョンは鳥のさえずりや風の音に耳を傾けながら、歩いていった。彼はエミリーが好きだった鳥の種類や名前を知っていたので、彼女がどのような場所に行ったかを推測できた。


やがて、ジョンは湖のほとりに出た。湖は青く輝いており、水面にはさまざまな鳥たちが浮かんでいた。ジョンは湖の周りを見回したが、エミリーの姿は見えなかった。


ジョンは湖のほとりにある木の下に、エミリーの持ち物が置いてあるのに気付いた。彼は駆け寄って、それらを調べた。そこには、バックパックや水筒、帽子や手袋、そして鳥の図鑑やメモ帳があった。ジョンはメモ帳を開いて、中身を見た。


メモ帳には、エミリーが鳥の観察をした日付や時間、場所や鳥の種類や数などが書かれていた。ジョンはそれらを読みながら、エミリーの熱心さや情熱を感じた。彼はメモ帳の最後のページに目をやった。


そこには、エミリーの筆跡で、次のように書かれていた。


「今日はとてもラッキーだった。湖の向こう側に、あの鳥を見たのだ。あの鳥は、この町の伝説に出てくる鳥の守護神だと言われている。私はずっとその鳥に会いたかった。その鳥は、私に何かを伝えようとしているような気がした。私はその鳥に近づこうとしたが、急に飛び立ってしまった。私はその鳥を追いかけた。その鳥は森の奥に消えた。私はもう少しでその鳥に追いつきそうだった。でも、そのとき……」


メモ帳はそこで途切れていた。ジョンは驚いた。エミリーは鳥の守護神を見たと書いていたのだ。しかも、その鳥に何かを伝えられたと感じたとも書いていた。それは、一体どういうことなのだろうか。


ジョンはメモ帳をポケットに入れて、立ち上がった。彼はエミリーが鳥の守護神を追いかけた方向に目をやった。森の奥には、暗くて深い影が広がっていた。ジョンは迷わず、その影の中に入っていった。


彼はエミリーを探すために、森の中を歩き続けた。彼は時々、鳥の守護神の姿を見かけたが、いつもすぐに姿を消してしまった。ジョンはその鳥がエミリーの行方を知っていると確信し、必死に追い続けた。


やがて、ジョンは森の中にある洞窟にたどり着いた。洞窟の入り口には、鳥の守護神が止まっていた。その鳥はジョンを見て、鳴いた。ジョンはその鳴き声に何かを感じた。それは、警告でもなく、招待でもなく、ただの確認だった。


ジョンは鳥の守護神に頷いて、洞窟に入った。洞窟は暗くて湿気があった。ジョンは懐中電灯を持って、奥に進んだ。彼は洞窟の中に何かがあると感じた。それは、恐怖でもなく、期待でもなく、ただの真実だった。


ジョンは洞窟の奥にたどり着いた。そこには、エミリーがいた。彼女は洞窟の壁に沿って座っていた。彼女の顔は青白く、目は虚ろだった。彼女の手には、カメラが握られていた。


ジョンはエミリーの名前を呼んで、駆け寄った。彼は彼女の肩を揺すって、意識を呼び戻そうとした。しかし、彼女は反応しなかった。彼女は生きていたが、何も感じていなかった。


ジョンはエミリーのカメラを取って、中身を見た。カメラには、エミリーが撮影した写真が残っていた。ジョンはその写真を見て、息をのんだ。


写真には、鳥の守護神が映っていた。その鳥は、美しくも恐ろしい姿をしていた。その鳥は、エミリーの目を見つめていた。

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