【速報! ワイ、勇者の亡霊と相対する】 後編
1名無し(新人)
続きを話すで
2名無し分身
待ってた
3名無し分身
前回の話だけだとわからないこと多かったから
4名無し(新人)
亡霊がワイに質問をするところからや
亡霊『それで質問あるんだけど』
ワイ『なにか?』
亡霊『そっちの二人は? 君の彼女?』
ワイ『いや、仲間と勝手について来た変な奴だ』
亡霊『ふーん、小さいところを見るとユーモンクス族かな? それと……いや、まさか。まさか……』
ワイ『ロリポップがどうかしたのか?』
亡霊『いや、僕の妹に似てるなって。まぁ、気のせいでしょ。そっちの子は導き手だったりするの?』
ワイ『一応な。俺は勇者ではないが、勝手についてきてるんだ』
亡霊『へぇ、懐かしいねぇ。昔僕にも居たよ。仲間も多かったし、彼女も十人くらいいたし、こう見えて、おじいちゃんより全然強かったし。モテたんだよねぇ。強い奴はモテるから、君の後ろの二人も彼女かと思ったけど、違うんだ?』
ワイ『彼女十人いたのか……』
亡霊『ちょっとちょっと! 煌剣出すのやめてくれる? アンデッドだけど、その剣は浄化作用も全部乗せの最強剣だから、ガチで斬られたら死ぬんだよ。さっきは掠っただけだから、死んでないけど。掠っただけで理性取り戻すんだから、強すぎる奴だからしまってしまって』
ワイ『まぁ、いいけど。取り敢えず情報には感謝するよ。それじゃ』
亡霊『待ってよ! 結構暇なんだよね。最近までずっと寝てたし、せっかくだから君の手下になるよ。そっちの方が面白そうだし』
ワイ『えー。骸骨の幽霊はあんまり欲しくないんだが……』
亡霊『僕強いから、近くにおいても損はないと思うよ』
ワイ『レベルは?』
亡霊『61だね』
ワイ『強いな』
亡霊『まぁ、おじいちゃんの教えが良かったからね。君はどっかお爺ちゃんに似てるし、是非仲間にしてくれよ』
ワイ『……おけ。わかった。ならいきなりだが俺の手下ってことで』
亡霊『あれ? 仲間って話じゃ』
ワイ『手下ならいいぞ。それでなんだが、鬱蒼森林という場所にダンジョンがあるんだ』
亡霊『ふむふむ』
ワイ『そこのダンジョンに人が入らないように防衛してくれ』
亡霊『そのダンジョンが攻略されるとなんかマズイの?』
ワイ『そんなところだ。取り敢えず人が来たら追っ払ってくれ。念のためだが俺の手下であること、は誰にもいうなよ』
亡霊『ま、いっか。負けたら言うことを聞くのが古来からの慣わしだしね。おっけ』
ワイ『はい、ではこれで』
こんな感じで終わった。今現在、ダンジョンの外で人払の役割してくれてるんじゃないか?
5名無し分身
レベル61かぁ!
6名無し分身
結構高いね
7名無し分身
分身最強勇者今のレベル72だったよね?
8名無し分身
だとしても良い戦力でしょ、外で動かせるわけだし
9名無し分身
そもそもダンジョンに入らせないのが一番でしょ
10名無し分身
それがいい
11名無し分身
リア充は切り刻むように命令してるやろうね?
12名無し分身
おいおい、ワイ達は温厚な日本人だぞ
13名無し分身
そんなに危ないことはさせないでおこうよ
14名無し分身
せいぜい、身ぐるみ全部剥ぐくらいにしておこうぜ
15名無し分身
たしかに
16名無し分身
そうしましょう
17名無し分身
我々は人権意識が高いので
18名無し分身
ほんで?
19名無し(新人)
そのあとは無事に帰ったで。ルミィが死んだと思ってビックリして、それが何回もあったから体調崩したのは前回言ったな。無事体調は戻してたで。ほんで、ロリポップの団長さんに呼ばれて色々と話もした
また勧誘されたけど、なんとかスルーした。ここだけで3時間かかった。
20名無し分身
ほんまにお疲れ
21名無し分身
ようやってるわ
22名無し分身
これからの方針は初代勇者の証拠探しってことになりそうやね
23名無し分身
せやな
24名無し分身
一番、何か情報ありそうや
25名無し分身
初代勇者日本人説だしな
26名無し分身
ほな、頑張りましょか
27名無し分身
イッチ、お疲れ!!
28名無し分身
ここまでが第一歩だが、偉大なる一歩だ
29名無し【本体】
こっちもで色々やっておくから、ほな期待してるわ!
30名無し(新人)
おけ!
◾️◾️
アタシには好きでもないが、嫌いでもない、なんとも言えない奴がいる。黒髪と言うこれ以上ないほどに不良と言う男だった。
百沢幾人、と言う変わった名前らしい。煽ってくる、譲歩しない、音高を自称する癖に絶対に譲ったりせず、芯が強く、言いたいことをハッキリと言う、言ってしまいすぎる男だ。
全体的には弱い男だ。ステータス、レベルがアタシよりも弱いと言うのが良くわかった。
『アタシは超新星、ロリポップよ。一緒に組めるだけありがたいと思いなさいよ!』
『お前と一緒にいてもなぁ。監視役だしなぁ』
『いいでしょ! 監視させないよ!』
『監視のくせにそれをバラした時点で最早効力ないて』
『あんたがジャンケンでアタシに勝つのが悪いんでしょ!』
『人のせいにするとは……』
弱いくせに堂々としている。他に弱い冒険者ならばいくらでもいる。でも、その男は言ってしまえば……光っているのだ。
ダンジョンに入った時、あの大きな石像を前にして輝く黄金の剣を取り出した。あれは、珍しいスキルだと一発でわかる。
団長が眼をつけていたのがよくわかった。あの人は人を見抜くが得意、原石を見抜くのが得意だ。だからこそ、アタシを無理に誘ったのだろう。
黄金に輝く剣。
見ていると、あの殺傷力に驚きを隠せない。見ているだけに肌にビリビリ伝わる、生命の危機感を感じる剣。
思わず、彼に近づくのが怖くなるほどだった。
だが、これだけでも驚きが終わることはない。勇者の亡霊との対決に彼の真価が発揮されていた。
あの亡霊はアタシよりも生物として圧倒的に格上であった。剣を振るう速度がまず見えない。剣を振った際の勢いだけで風が舞う。
死ぬ。
死線を超えたことはある。だからこそ分かる、これはどう足掻いても死線を越えることはできない。
だがしかし、逃げる選択肢が彼だけにはなかった。あの暴力性の塊と言えるルミィですら逃げようと彼に語るのに。
「逃げないよ。二人は逃げてもいいよ。俺はテンション上がって来た。温厚な性格だから荒事が苦手だけど」
温厚、どこが温厚なのか知らないが彼は笑いながら挑んでいった。勝てるわけがないと思った。最強の剣があってもそれを扱えるのかは話しが違う。
そして、予想通り、彼は死んだ。
死んでしまった。ルミィは顔を青くして地面に顔を埋めた。アタシも心が締め付けられるようだった。別に好きでもない、嫌いでもないのに。
「あぁ、そう。なんか、気に入っていたのね。アタシは」
彼を知らず知らずのうちに気に入っていたのだった。アタシからしたら、酷い目にあったり、嫌いな部分が沢山だけど、好きか嫌いかで言ったら、好きになっていたのかもしれない。
「敵討ち、するがらじゃないけど。してやるわ」
勇者の亡霊は力なく倒れさった。彼の手元を見ていた、輝き続けた剣は力を失っていった。輝き色は消えた。それが消えると亡霊は今度はアタシ達の方に顔を向ける。
ざざ、と土を踏む音が聞こえた。その男は立っていたのだ。首が飛んでいたのに、血が吹き出たと言うに気づいたらまるで新品の道具のように立っていた。
「どこ見てんだよ。俺の剣の眩しさに目が辛いのか?」
再び、彼の手には輝く黄金の剣が携えたれている。
「新品だぜ!」
意味わからないことを言いながら彼は挑む。殺されても、挑み続ける。きっと、何度でも勝つまで戦うのだろう。
何が温厚だ。
真逆ではないか。だが、それでも彼は光っている
「だから、俺はレギオン入らないって」
「あらあらあら、我儘な人ね」
「いや、アンタの方が我儘でしょ」
団長にくっ付かれて、入団させられようとしている彼を不思議と庇う気はなかった。アタシも人をみる目があるのかもしれない、彼が仲間になってくれればそんな嬉しいことはないからだと思う。
分身スキルで異世界を支配もせずに、日本にただ帰りたい 流石ユユシタ @yuyusikizitai3
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