ざまぁ系って意外と古典

曇空 鈍縒

ざまぁ系って意外と古典

 ざまぁ系。


 なろう系や追放系と並んでインターネット小説の代名詞とまで言える有名ジャンルであり、読者からの人気も非常に高いです。


 同時に、知名度が高いからか、あるいはネット小説のシンボル的存在であるからか、さまざまな立場の人から攻撃されることが多いジャンルでもあります。


 それらの意見を否定するつもりは、別にありません。


 ですが今回は、ざまぁ系というジャンルがネット小説の付随品などではなく、かなり歴史の古いジャンルであるということを、紹介しようと思います。


 その手の文学史に詳しい方がいれば、指摘などいただけると幸いです。


 まず日本文学で私の知る限り最古のざまぁ系は、『落窪物語』です。


 こちらは平安ごろに書かれたと言われている作品で、内容は、継母に虐められている姫が、高貴な身分の男に助けられて継母に復讐し男と幸せになる話です。


 最終的に継母とは和解するのですが、話の展開は非常にざまぁ系に近いと言えるでしょう。


 そしてもう一つは、最古の記録が紀元前1世紀にまで遡る超古典『シンデレラ』です。


 これについては、あえて話の詳細を語る必要性もないでしょうが、まさに典型的なざまぁ系ではないでしょうか?


 絵本版では穏やかな終わり方をしますが、原作のラストでは、継母とその娘はかなり酷い目にあっています。


 それこそ、最近のざまぁ系の悪役側の末路が、薔薇色注:血の比喩表現ではないの道に見えるぐらいには酷い目にあっています。


 私が知っている古典ざまぁはこの二作品のみですが、おそらく、他にも存在しているでしょう。知っている人がいたら教えてください。


 私は、それらの作品が現在のネット小説における『追放ざまぁ』にまで繋がっていると考えています。


 結論として、ざまぁ系というジャンルは非常に昔から存在していた古典的な作品で、別にネット小説の付随品ではないです。


 さらに言うと、このようなジャンルが人気なのは何も今に始まったことではなく、昔から、それこそ何千年も前からなので、インターネットも現代人も多分関係ありません。


 私の言いたいことは以上です。


 古典というのは、現代の作品にも通じる名作が多々存在しています。


 もし機会があれば、ぜひ読んでみてください。おすすめは方丈記です。






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