藤泉都理




 人類滅亡の日に何が食べたいか。

 その問いに、大切な人の手料理だと答える人が多いのではないだろうか。











 箪笥貯金の十万円を片手で握りしめ、貧乏人の入店はまかりならんと威圧する高級寿司店の扉を、片手で音を立てながら開く。


 お任せで頼むよ。


 カウンターに立つ、熟練の風格を纏う職人に言い、カウンター席に座って待つ。

 店の前を素通りする事しかできなかった高級寿司。

 注文しただけでもう満腹なのだが、意地でも食べてみせるよ。












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藤泉都理 @fujitori

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