(いみエモ話)野球の試合で、大人チームががきんちょチームに勝てなかった理由!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「野球を、やろうぜ!」野球の試合をするのは、良い。しかも、ガキたちが相手。けれども、どんな試合なのかを真剣に考えないと、痛いぞ。

  (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

   ☆

 「野球を、やろうぜ!」

 休日。

 先輩社員のおじさんが、過保護育ちの後輩社員たちと、LINEのやりとり。

 「なあ?野球、やらないか?」

 「おじさん野球っすか?」

 「今日っすか?」

 これまできつい生活をしてこなかった過保護世代たちは、皆、社会の現実に疲れていたはず。

 「良い返事よ、こい!身体を動かして、リフレッシュするチャンスだ」

 結果…。

 先輩たちの、期待通り。

 「ですね」

 「いきます!」

 「いきます!」

 「ストレス解消に、もってこいですね」

 好意的な返事が、返ってきた。

 が、心配の声も上がる。

 「でも、先輩?」

 「何だ?」

 「対戦相手は、いるんですか?」

 「いるよ」

 「AIが相手っていうのは、無しですよ?」

 「安心しろ。そういうオチは、ない。相手は、人間だ」

 「わかりました」

 おじさん(+過保護)世代チームの対戦相手というのは、こういう人たち。

 「近所の小学生たち連合」

 がきんちょたちをさそうのは、楽だった。

 おじさんたちの中には、近所のがきんちょチームの中に甥をもつ、本当のおじさんがいたからだ。

 「勝ったら、おじさんたちが、代わりに宿題をしてやる」

 「わかった。いく、いく!」

 この約束で、即、OK。

 「プレイボール!」

 謎の野球の試合が、はじまった。

 知っているかい?

 「ボールもバットも、グローブもなし」

 それでも、野球の試合はできるんだぞ?

 「俺に、まかせろ!」

 「いや、俺だ!」

 「いいや。俺だね!」

 おじさんたちが、はしゃぐ、はしゃぐ。

 1時間もしないで、試合終了。

 「負けた…」

 へこむ、大人。

 子どもは、その逆。

 「おじちゃんたち、弱いねー」

 「おいおい、小学生の君たち?お兄ちゃんと、言ってくれよな」

 「えー」

 「だっさ」

 「…くそう。小学生め」

 「これだから、おじちゃんたちの世代は」

 「お兄さんです!」

 「ああ、かほご…」

 「この、ガキ!過保護じゃない世代も、いるぞ!」

 「ぼくたちのようにさとっていないから、こうなるんだよ」

 「これだから、ゆ×りは…」

 「…くそう」

 「やったね!あの、努力のできない、大きくなっただけの世代をたおしたぞ!」

 がきんちょたちが、ぼろくそ言ったら…。

 「キレた」


  (この話の意味)

 「野球」は「野球」でも、これは、「野球ゲーム」の話。

 バット、グローブ、ボールも必要ない、野球。

 スマホとかのゲームなら、さとった世代の小学生たちのほうが、ゆとった大人たちよりも強いだろう。

 「頭じゃなく、身体じゃなく、コンピュータを使った戦いなら、負けないぜ!」

 大人になったあの世代は、言いがち。

 わかっていない。

 野球ゲームもそうだけれど、いくつものコンピュータゲーム系スポーツは、頭を使うものなんだぞ?

 最後に、こんな言葉が出たはず。

 「キレた」

 それは、人間がぷっつんしたという意味の音じゃないから。

 携帯ゲームの電源が、切れた音だよ。

 エモいなあ。




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