第23話 巨人は普通に存在した

 T県N市のKヶ原と呼ばれる場所には遠い昔、巨人が住んでいた。そこにはS岩と呼ばれる大きな岩を数枚重ねて出来た岩屋が残っている。まわりは巨岩には縁のない場所である。とても人間が運んできたり重ねるのは無理な巨岩だ。そこに住む精霊の頭に聞いたのだが、かつてそこには三人の巨人が住んでいたという。そこにある巨岩は確かに巨人二人で一緒に持ち上げれば楽に重ねられるだろう大きさである。

 初めの頃はその山で狩りをしたりしておとなしく暮らしていたが、ある日ふもとの里へ下りたそうだ。里人は皆初めは驚いたそうだが、人なつこくおとなしい性格と知って安心したそうだ。三人は手伝いをすると意思表示して、力仕事を任されるようになって最初はうまくやっていたようで、それが楽しくなり、山に帰ることもなくなったいったそうである。

 だが、時が経つにつれ、人間という動物は勝手なもので、彼らをだんだんとうとましくなってきたのだ。ある日、里人の男たちが集団で彼らの寝込みを襲って殺してしまったそうである。精霊は言う…おとなしくずっとここで暮らしていれば殺されることもなかったろうに…人間と仲良くやっていこうとしても、人間の中にはそれに気づいてやれない者が必ず出てくるものだ。

確かにそうだ。返す言葉がなかった…

 地球各地に存在していた巨人はもともと他の惑星から“肉体労働の協力者”として派遣されていた。おもに“力仕事”である。最後は自分の星に戻った者や、殺されてしまった者、巨石に封印された者などさまざまであった。

巨人の役目で代表的なものがピラミッドである。ひとつ2.5tもある石を近代的な道具が無い時代にどうやって人間がそれを運んできて重ねられようか。どだい無理な話である。遠くの石切り場から運んでくるために使用したものは船なんかではなく、“飛行石”である。現存する全てのピラミッド建造後はすみやかに飛行石はかけらひとつ残すことなく撤収したそうだ。人間の文明の進化に影響が出てしまうのと、過去の文明の状況から判断して、悪用することは間違いないからだ。飛行石はそれだけが採取出来る惑星があるそうだ。

 エジプトの一角にエジプト人が感謝の印として「○トホル神殿」を建てたが、そこに神として刻まれている“○トホル”はもちろん実在の神である。あまりにも彫刻がそっくりなので驚いた。もっとも当時の人間が“想像”であそこまでリアルに描けるはずがない。間近で見る機会があった証拠である。その神はしばらくして自分の星に帰っている。神々の中には、その星の王でありながら自ら地球の人類進化に貢献するために参加希望した例が意外に多かった。神の世界の一日の長さは人間世界の143年にあたる(5.9年/時)。地球でいう一日24時間なんて短いものではない。留守を守っていた側近たちは責任が重く大変だったと思う。

(宇宙には“宇宙時間”があり、めまぐるしく進んでいる…会話も分かりやすく言えば超高周波。人間が決めた基準や法則などは地球だけの話であって広大な宇宙には通用しない。ほかの惑星から来た者たちが地球人に合わせてくれているだけなのだ。)

 聖書の「○ノク書」などに登場する“ネフィリム”は神々と人間の間に出来た子供を指している。いわゆる“半神半人”である。○ノク書の“○ノク”は章のタイトルではなく、宇宙に実在する○ノク星のことであり、本来その惑星人と人間の混血がネフィリムと呼ばれる者なのだ。そちらの遺伝子を受け継いでいるので確かにそれはそれで“巨人”に育っていった。

 この時代、地球外からやってきた協力者の神々が人間と“交配”して“半神半人”を造ることに関しては禁止はされていなかった。それも研究の一環であったのだ。代表的なところで有名なのは“○ラクレス”である。正真正銘の実在半神半人であった。彼の体は強靭でかなう者など誰もいなかった。父親はかの有名なギリシャ神話の最高神“○ウス”(実在)なのだから、まさに“この親にしてこの子あり”で何をおこなうにも派手である。父○ウス神の登場は必ず派手な雷をともなうのだ。力の誇示といえよう。

実はこの日本にも、“半神半人”がたくさん居た。

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