第8話 なぜ…オーパーツ!?
暗黒の宇宙に太陽光を浴び照らし出された美しく青い惑星「地球」。その美しい星の地上で人間同士は争い、兵器を使い互いを破滅に追い込み、私欲のための森林伐採を行い、原子力発電所からは平気で放射線汚水を海に流し、地下核実験を繰り返し、さら工場からは二酸化炭素を大量に排出、プラスチックごみさえ大量に河川や海に流し、生態系を狂わせ、大気を汚し、ことごとく自然破壊を繰り返すありさま…
そして最後に世界核戦争が始まる。地上には余すところ無く放射能が蔓延し人類は絶滅するというシナリオを地球の歴史の過去においてなんと4度も繰り返してきた。
その4度目に神々は大きな期待をしていたのだ。人間は好スタートを切り、順調に進化していった。太陽系内なら旅行が出来るまで科学が発展したのである。その頃の宇宙船は既に反重力推進力を利用していたらしくボディは他の惑星から採掘した強固な金属で造られていたという(※1)。 だが残念なことにその文明も最後は世界核戦争勃発により人類は滅亡した。人類は結局何ら変わらず行き着く先が核戦争なのだ。
(ただ個人的にだが、この戦争に関しては現代でいう「AI」も絡んでいた気配を感じる。)
絶滅後は5万年放置すれば大抵の人工物(地中に埋まった金や特殊合金類は難しい)が土にかえるのだ。前の文明の痕跡を消して地上をリセットして新たに再スタートという具合である。
その時代にあるはずもない技術による産物(オーパーツ)が地中から発見されてしまうのは以前にも滅びた文明が存在していたからである。何も不思議なことではないのだ。その度に神々は今度こそ完璧な人間を作ろうと、根気よく挑んできたのだ。
だが、それはまだ地球そのものが元気であったから何とか持ちこたえてこられたからである。ただ、「仏の顔も三度まで」ということわざがあるが、神の顔は何度まで許されるのであろうと考えさせられた…
そして現在我々が生きているこの文明は5度目であり、「最後」の挑戦だという。
この物語のタイトルが実は「第5文明の始まった年」である。6200年以上経過しているのだ。だが残念なことに人類以前に“地球そのものが危機”を迎えている。幾度にも渡る人間のエゴによる破壊は地球そのものを破滅に追い込んでしまったのである。
世界各地で起きている温暖化による気象異常、火山爆発、地震による地殻変動、地割れ、地滑り、巨大陥没、液状化、巨大津波、巨大竜巻、巨大砂嵐、熱波による森林火災、線状降水帯によるゲリラ豪雨、土石流、洪水、急激な気象変化など並べたらきりがない自然の脅威。戦争などしている場合ではないのだ。放射能で汚染された大気をさらに汚すだけである。気候変動による食料供給率の減少など負のスパイラルはもう始まっている。美しい星の天然資源を人間は必要以上に求め、吸い尽くし、需要がなくなったものは次から次へ廃棄、そうして無駄にしてきたツケが環境破壊を招き地球寿命を短くし、限界点を越えようとしている。これまでに経験したことのない異常現象が世界各地で発生しているのはその前振れであり、地球が悲鳴をあげているのだ。
※1
詳細は聞いていないので不明だが、その当時(56,000年以上前)、世界核戦争から地球脱出を試みた宇宙船があり、何らかのトラブルが起きたのか乗組員はいたのか全く謎であるが、地球の周回軌道上に浮かんだまま現代まで漂っていた。(前文明の遺産ともいうべきか)
最近まで謎の微弱信号を発し続けていたため話題になり、N〇S〇がその電波を追跡して北極上空付近で発見し撮影に成功。その後ネット上に「13,000年位前にに何者かによって作られた正体不明の衛星」などと紹介され、そこには機首を下げた状態で浮遊している船体の写真が公開されていた。その宇宙船が真っ黒なボディだったためか「Black Nnight Satellite(黒騎士の衛星)」と呼ばれていた。現在は消息不明。
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