うろおぼえももたろう

早く

うろおぼえももたろう

むかしむかし

あるところにおじいさんとおばあさんがすんでいました。


おじいさんはやまへしばかりに

おばあさんはかわへせんたくをしにいきました。


おばあさんがかわでせんたくをしているとかわかみからおおきなももが

どんぶらこ

どんぶらこ

とながれてきました。

おばあさんはそのもものおおきさにおどろきましたが

ひろっていえにもってかえることにしました。


ゆうがた

おじいさんがしばかりからかえってくると

おばあさんはそのももをおじいさんにみせて

かわでおおきなももをひろったからたべよう

といいました。

おじいさんはそのもものおおきさにおどろきましたがおなかがすいていたので

たべよう

たべよう

とこたえました。


おばあさんがほうちょうをももにあててきろうとすると

とたんにももがさゆうにわれ

なかからたまのようにかわいいあかんぼうがでてきました。


おじいさんとおばあさんはおどろきましたが

そのあかんぼうをそだてることにしました。

ももからでてきたそのあかんぼうをももたろうとなづけ

ふたりはたいせつにそだてました。

あかんぼうはすくすくとおおきくなり

りっぱなおとこのこになりました。


あるときとなりむらにおにがやってきました。

おにはむらのたべものやおかねやたからものをうばっていきました。

そのことをきいたももたろうはおじいさんとおばあさんにこういいました。

わたしはおにたちをゆるせません。

おにをたいじにおにがしまへいってまいります。

おじいさんとおばあさんはあぶないからとももたろうをひきとめましたが

ももたろうのかたいけっしんになくなくいくことをみとめました。


ももたろうのためにおじいさんは

にっぽんいちのももたろう

とかかれたのぼりを

おばあさんはきびだんごをつくりもたせてやりました。


よくあさももたろうはおにがしまへむけてしゅっぱつしました。

しばらくあるいているとくさかげからいぬがでてきました。

いぬはももたろうにいいました。

これからどこへいかれるのですか。

ももたろうはこたえました。

わたしはこれからおにがしまへおにたいじにむかうところだ。

いぬはそのことをきくと

わたしがおともをいたしましょう。

そのかわりにきびだんごをひとつわたしにください。

きっとおちからになりますよ。

といいました。

ももたろうは

いいだろう。

だんごをひとつおまえにやろう。

ひとつぶたべればひゃくにんりきだ。

とこたえ

だんごをひとつあたえました。


ふたたびおにがしまへむけてあるいていると

こんどはくさかげからさるがとびだしてきました。

さるはももたろうにいいました。

これからどこへいかれるのですか。

ももたろうはこたえました。

わたしはこれからおにがしまへおにたいじにむかうところだ。

さるはそのことをきくと

わたしもおともをいたしましょう。

そのかわりにきびだんごをひとつわたしにください。

きっとおちからになりますよ。

といいました。

ももたろうは

いいだろう。

だんごをひとつおまえにやろう。

ひとつぶたべればひゃくにんりきだ。

とこたえ

だんごをひとつあたえました。


またおにがしまへむけてあるいているとくさかげからきじがでてきました。

きじはももたろうにいいました。

これからどこへいかれるのですか。

ももたろうはこたえました。

わたしはこれからおにがしまへおにたいじにむかうところだ。

きじはそのことをきくと

わたしもおともをいたしましょう。

そのかわりにきびだんごをひとつわたしにください。

きっとおちからになりますよ。

といいました。

ももたろうは

いいだろう。

だんごをひとつおまえにやろう。

ひとつぶたべればひゃくにんりきだ。

とこたえ

だんごをひとつあたえました。


いぬとさるときじをおともにしたももたろうはうみべにたどりつきました。

ここまでくればおにがしまへはあとすこしです。

ふねにのりももたろうたちはおにがしまへすすんでいきます。


おにがしまへたどりつくとおにたちがさかもりのまっさいちゅうでした。

ももたろうはおにたちのまえへおどりでると

われこそはにっぽんいちのももたろうだ。

おまえたちをたいじしにきた。

といいました。

おにたちはおおわらいしてこたえました。

そんなにちいさいおまえになにができるというのだ。

やれるものならやってみろ。

おにたちはいっせいにももたろうたちにおそいかかりました。

ももたろうたちはまけじとおにたちにたちむかいました。

いぬはおにのあしにかみつき

さるはおにのかおをひっかき

きじはおにのめをつきました。


しばらくたたかいがつづきましたがとうとうももたろうたちがかちました。

おにたちは

こうさんします。

もうこれからわるさはしません。

とあやまりました。


ももたろうはおにたちがうばったものをもちかえり

おじいさんおばあさんとしあわせにくらしました。


めでたしめでたし。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

うろおぼえももたろう 早く @hayaku__

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ