これは友情なのだろうか

あき

これは友情なのだろうか。


 一瞬にして世界が変わる瞬間というのがあるとしたら今この瞬間だろう。僕は友人のユウスケが僕のペニスを舐めているのを見ながらそう思った。男は男の気持ちの良い場所が分かるというけれど確かに僕はユウスケの口の中にあっけなく射精した。

「ごめん」僕がそう言うとユウスケは、問題ない、僕がお願いしたのだからと言った。

「それに、してもユウスケとこういう関係になるとは」僕とユウスケは同じ高校の同級生だった。僕は大学に受かりユウスケは大学に落ちて浪人を選んだのだのだった。浪人したとはいえユウスケは医者という目標があり医学部に落ちて医者を目指し浪人したと言うわけだ。目標というかユウスケの親が医者だから親と同じ仕事に就きたいんだろう。

 ある日、僕のスマホにユウスケからメールが来た。

 少し気晴らしがしたいからカラオケにでも行かないか? という誘いだった。

僕はOKと返事を返し、ふたりで繁華街のカラオケ屋に入った。

「勉強はどうなの?」

僕はアニメソングを歌い終わりユウスケに質問した。

「全然ダメ、今年も受からなかったら、どこか入れる学部に入るよ」

「そうか、僕が言うのも何だけど長い人生、1年浪人するぐらいどうってことないよ」

 僕がそう言ってユウスケの頭を撫でた。するとユウスケは子犬のような瞳をして僕の目を見つめキスをしてきた。強引に舌も入ってくる。

「ちょ・・・止めろよ」

 僕はそう言ってユウスケを突き飛ばした。ソファーから落ち床で項垂れるユウスケに僕は聞いた。「お前って同性愛者ってやつなわけ?」

「分からない。ただ昔から性欲を感じるのは男なんだ。受験でストレスが溜ってしまって悪かった」

 びっくりした。LGBTと言う奴なのだろうか。

「1回、1万円くれたらやらしてやっていいぞ」と僕は項垂れているユウスケに言った。

 それを聞いてユウスケは僕を睨んだ。

「怒るなよ。僕は同性愛者じゃないし、お金でも貰わないと割に合わないだろう。それにユウスケだって僕が好きなわけじゃないだろ。ただのストレス解消なんだろ。そこに付き合うならお金もらわないと割に合わない」

 それにユウスケの家は医者だけあって裕福だ。ある程度、お小遣いぐらい貰ってるはずだ。

「わかった。ごめん」そうユウスケは言った。


 カラオケを出て2人で商業施設に中にある多目的トイレに入るとユウスケは僕のズボンをおろし僕のペニスを口に含んだ。そしてユウスケの口内に僕は果てたというわけだ。しかし障がい者のみんなが使う場所で僕は男同士で何をしているんだのだろうか。まるで変質者だ。

 それからユウスケは僕の出したそれを飲み込み、それから僕を抱きしめてキスをした。

「今日はこれで終わにしよう。良いストレス解消になったよ」そう言ってユウスケは僕に財布から1万円をだして渡した。

「なあ、カオル。また電話をしてもいいかな」とユウスケは下を向いて言った。

「とりあえずコメダ珈琲にでも行って休憩しようぜ」僕はそう答えた。これは友情なのだろうか。それとも違う何かなんだろうか。


                            了

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

これは友情なのだろうか あき @tarnas4

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る