僕らの話。

Rotten flower

第1話

苔むした都会。横たわる僕。それを上から呆れた顔で見つめる彼ら。三、四年前ほどのことだった。植物の急成長で環境がガラッと変わってしまった。政治はパニックになり、暴徒が増え結果的に僕ら隠れていた人以外は亡くなり、苔たちの養分となった。

君は謎の植物を自ら食べに行こうという度胸はあるか。僕らには到底無かった。食糧が底を尽きるのはつい最近だった。七人が毎食を一人分で済ませれてしまうのだからこれほどの節約はないだろう。

それにしても、人類が豊かに生きていた頃と比べ空気がとても澄んでいる気がする。星たちが綺麗に見えた。

彼らと一緒に生きていて孤独感も感じなかった。みんなで笑い合って、将来どうしたいかの話もしたっけ。

段々と意識が遠のいていく。ここ一週間ほどほど何も食べていない。きっと動きすぎてしまったのかな。横になった僕を彼らが起こそうとする。

どうしてだろうか。触られている感触がない。五感を蝕まれてしまったのだな。

こうして、僕はゆっくりと目を閉じた。

彼らの声が聞こえた。

「まだ死ぬな。」

「僕ら頑張って生きてきたじゃないか。」


「もう死んだっていいじゃない。何も残ってないんだし。」


大丈夫。僕は知っている。僕が最後の一人だなんて。諦められないような性格なんて。


こうして、僕という概念と彼らという概念は無くなった。

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