第4話 猫が待つ丘
ガラスの竜が夜空の水泳。美しい光沢の透明なガラス。硬質な質感の竜。イラストチックなデザインの竜は天の川を一生懸命水泳している。水泳の授業なのかな。少年はぼんやり夜空を見上げる。退屈な日常。勉強よりもゲームが気になる。
安らぎのアメジストは海の石碑となる。大海原に建つ紫水晶の石碑。誰が建てたものか。アメジストは酔いをふせぐ石。紺碧の大海原を行く海賊たちの航海。黒い帆がたなびく海賊船の船首の竜は大きなアメジストの宝石をくわえている。海賊たちも船酔いするみたい。ひとつなぎの財宝。少年の心は空の海を航海している。月がほほえむ。きみが望むならば大きな冒険はできる。でも、気をつけないといけないよ。大きな冒険にはつらさもあるからね。
少年が坂の思考をのぼりきればファンタジーの部屋にたどりつく。少女の心もそこにある。かわいいお人形さんが暮らす部屋。水玉模様のひらひらのスカートをはいたお人形さん。小さな館で暮らす小人たち。少女の聖域。少女は迷っている。現実と想像のはざま。少年も今はそこにいる。いつかふたりは物語の坂をのぼり、豊かな心を手に入れる。猫が待つ丘。ふたりがそこで出会えるといいね。
詩 風木慈雨 @himeraretasizen
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