第33話

俺..瑠斗はしばらく泣いて、腫れた顔を治して

いつもの様子で凪都のいる俺の家に戻る。すると、凪都は驚きながら肩を絡めて来た。


「おかえりぃー!るい!待ってたぞ!」


「お、オォ。どうしたんだ?急に」


「んん?いや、るいが感極まってないか心配

だったからさー」


「え、そんなにワケナイヨー」


俺は、声が上ずってしまった。それのせいで、凪都はそれを無情にもつついてくる。俺は無言でこのまま、凪都に格闘技の技をかけた。凪都は謝ってきたためこれでやめておいた。


「うぅ、ごめんってぇ。」


「フン。てか、お前妙にテンション高いけど

どしたん?」


「...今なら言えるか。今日の夢さ、俺泣いてたじゃん?」


「え?あ、あぁ」


なんで急に言い出したんだ?まぁ、まずは話を聞いてみるか。俺は凪都の顔が嬉しそうな顔と悲しそうな顔が混ざっていた。ほんとにどんな夢を見たんだこいつ。


「実は、俺が見た夢....家族とお前の家族と会える夢だっt...!?」


「な、なぁ!俺の家族とお前の家族は元気にしてた!?幸せそうにしてたか!?」


俺は凪都を揺さぶりながら、問い詰めた。俺も余裕がなくなっていたのだ。俺は見れてない分、凪都に聞くしかなかったのだ。凪都は、

酔いそうになっていたため凪都の肩から手を

離した。


「うん、幸せそうしにしてた。俺らの幸せを

願ってるって」


「な、なんで、俺の時はみんな出てくれな

かったんだ?」


「それはみんな曰く、るいの精神が持たない

かもしれないのと、るいの意思が揺らがないようにするためらしい」


凪都の物言いに俺は笑ってしまった。みんな

らしい。でも、やっぱり復讐には反対だった

のか。まあ、それででも俺の復讐は止まらないけどな。みんなは俺のやることを尊重してくれようとしてくれたことに俺は嬉しくなった。ん?待てよ?凪都がそれを言ったってことは..


「なぁ、なぎ。もしかして、今の俺もみんなに会えるってこと?」


「うーん、それは分かんない。でも、みんなに会う前にるいがちゃんと不眠症が治ったら

会えるんじゃないか?多分」


「そっか」


俺は落ち込んだ。俺も、みんなに会いたい

のだ。でもわがままを言う訳にはいかない。

みんなが安心して俺に会えるように俺がちゃんとすれば良いんだ。俺がそう思い、意気込んでいると凪都が急に頭を叩いてきた。加減されたのは分かっていたが、結構な威力で叩かれた

ため痛い。


「いってぇ!な、なんだよ!?」


「どうせ、るいはなんか自分が頑張ろうとしてると思ってさー」


「当たり前だろ?」


「お前、不眠症のことなんも知らないのかよ?」


不眠症、確かに詳しくはよく分からない。

眠れなかったり、あまりよく眠れなかったり

するってことと精神的なことが原因なことは

知ってるけど改善する方法は知らないな。

俺が考えていると、凪都は呆れたように笑い

おもむろに立ち上がる。


「るい、今から仲間を見つけて綺麗な景色を

みる旅に出るか。この世界ぶっ壊す旅に出るかどっちがいい?」


「は?お前絶対、後者したがるだろ。それに、なんで旅?」


「まぁ、俺は後者してみたいけどさぁー。ここでいる必要も無いし。それに、こういうのは

ストレスの理由があった場所から離れたら少しはマシになるらしいから」


「え、そうなの?」


「うん」


なら、秘密基地と家はどうしよう?

こういうのは、残したくないんだよな。凪都はどうするつもり何だろうな。壊すなんて言ったら本気でしばき倒すけどな。


「いいけど、家と秘密基地はどうする?」


「うーん、残しとこ?少なからず、思い出だし」


「良かった。もし、壊せって言ったら本気でしばくとこだったわ」


「あっぶねっ!こえぇこと言うなよ、るい!」


「ハイハイ、じゃあ行くぞー」


「ちょっ!!おい、置いて行くなよぉ!」


こうして、俺と凪都は旅に出た。


この先、何があってもこのふたりの絆は壊れ

ないだろう。瑠斗の家族と凪都の家族は優しく

2人を見守っていることだろう。

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最強の英雄は復讐がお望み 紫野 葉雪 @Hayuki1007

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