第2話 とある村の儀式
私はララ。ペポヨ村の村娘の1人。毎日のように友達と遊んでいる。ペポヨ村は、子供が30人くらいいる。数の勉強をした後は、仲の良い友達数人と遊んでいる毎日。
「ララー、ボール遊びしよー!」
「うん!」
そんな私には1番の親友と言っていいサナがいる。サナがいるから、私はもっと上を目指そうと思った。
そんなある日、私は村長に呼び出された。私は何か悪い事をしたのかと思い、ビクビクしながら村長の家に入った。
「村長、どうしたんですか?」
「ふむ。お主が次の村の長を務めてくれないかと思ってのぉ」
「えっ?!って事はキラキラ石の首飾りをくれるって事?」
「そういう事じゃ。早速で悪いんじゃが、このジュースを飲んでくれんかのぉ」
「わーい!ジュースまでもらえるの?」
「そうじゃ。ささ、飲みなさい」
「いただきまーす!」
ゴクゴク
「美味しい!」
(あれ……?村長、何か笑ってる……?)
「これにて儀式は終わりじゃ。この首飾りをお主に授けよう。大人になるまで生き延びれたら、お主が次の村の長じゃ」
「わーい!村長ありがとう!」
そして私は村長の家を出た。明日は友達と何して遊ぼうかな?
翌日、友達が遊んでくれるけど、どこかよそよそしい。まあ、皆機嫌が悪い時くらいあるよね。大人の人達は別に普通だし。
翌々日、友達が私の悪口を言っているらしい。遊んでくれるけど、何かあったのかな?まあ、たまたまそういう気分だったのかもしれない。
さらに翌日、友達が私にぶつかる事が多くなった。遊びの最中でぶつかる事はあるけれど、こんなに多くなかったような……?でも、友達だけじゃなくて、あまり喋らない子やサナも私を除け者にしようとしている。私、皆に嫌われるようなことをしたかな?
その日の夜そんな事を考えていたら、珍しくお母さんが床で寝ていた。起こそうと声をかけようと思い、お母さんの近くに行ったら、
「ごめんね、ララ。あなたが首飾りを渡されたばっかりにこんな思いして……」
「え……?」
お母さんは寝言を言っていたけれど、お母さんの特技は寝言をしていても、しっかり答えてくれる事だ。だから、私はお母さんに質問をした。
「首飾りを渡された事がどう関係あるの?」
「ジュースを飲む儀式は……、子供達に……嫌われる……ジュースを……飲むの……よ……」
「いつまで続くの?」
「大人に……なって……村の……長……になるまで……続く……わ……」
大人になるまで……?だから、最近サナ達がよそよそしいの……?そう考えると、ゾッとする事を思い出した。ペポヨ村の歴代の長達は1回殺されかけると。なぜ殺されかけるのかあの時は理由が分からなかった。でも今ははっきりわかる。
(早くこの村をでないと……!皆と遊ぶのは明日で最後にして、明後日になったら、この村を出よう……!)
そして迎えた翌日。私は友達と遊ぶ事にした。そしたら、サナだけが遅い事に気がつく。サナを待つこと10分くらい。背後から、サナが駆け寄る音がした。
「皆、お待たせー!」
グサッ
「え……?サナ……?」
「ふふっ、逃げようとしたって無駄だから。ララが逃げたら私達はどこまでも追いかけるよ?」
「クスクス」
「アハハ」
「キャハハ」
(そうか……、確かサナの家は鍛冶屋だったな……。ナイフを手に入れるのも、簡単だった……)
「ララ、あなたが助かったとしても助からなかったとしても、私達はあなたが村長にならなくて良かったと思っているのよ?大人しく現村長に首飾りを返したら?」
(ああ……、こんな子じゃなかったのにな……)
そう思って私は虚ろな目をしながら目を閉じた。そうして、私の意識は途絶えた。
夢か現(うつつ)かその定か 月桜 兎 @784136
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