第弐ノ作品 天使の起床

ふあぁ…。


今何時だろう…。


ワ、もうこんな時間じゃん。急いで着替えないと。


天使である私、アミシャの朝はここから始まる。


天使になってからというもの、神に命じられ、下界を監視している。


下界は、作家である神の書く物語をそのまま反映している。


他の天使は嫌々下界を見るが、私はこの光景が好きだ。


何でもない日常から残酷な戦場まで全てが大好きだ。


退屈を吹き飛ばしてくれるこの世界が好きだ。


度々、死んでしまった魂がこちら側に流れてくる。


下僕たちはそれを温かく出迎える。


一方では地獄に流れる魂もある。


そんな魂を待っているのは熱い業火であった。


普通の天使が地獄の様子を見る事はないが、私は役目を果たすが故に地獄に

来る事がある。


それは更生した魂を天国へ解き放つ事だ。勿論地獄の了承も得ている。


良い行いをするとアピールする醜い姿は私の好奇心を狩り立てる。


こいつが本当に良い行いをするか、罪人に戻るか。


そんな事を考えながら下界と地獄の行き来をしていると、いつのまにか日が落ちている。


しまった。また定時を過ぎてしまった。


夜勤の奴にバトンタッチしよう。そして寝よう。定時過ぎだと気づいた瞬間、眠気がどっときた。


そもそもデスクから地獄ってなかなか遠いから結構ブラックなんだよな…


あぁダメだもう…せめて夜勤の奴に電話しよう。


………………。


グーグー………。




何だこの話は……ふざけているのか……?


これを書いた奴のセンスを疑うな……


それでもこれを読み終わるまでは生きられるのだ。


どんなくだらない内容でも、生きるために読むのだ。


2ページ目読破。残り24日。

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断罪室 ふかひれソーダ @fukahiresoda

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