物語の舞台は、妖魔が潜む現代の東京。
依頼を受けて、人に害を及ぼす妖魔を退治する退魔師の見習いが、本作の主人公:翠です。
彼は故郷の里を離れ、一人前の退魔師になるべく、東京で妖魔を退治する試練に挑みます。
しかし、心配な点が一つ。
翠は、やさしすぎる退魔師だったのです。それはもう「泣きむし翠」と呼ばれるほどに。
さて、翠は無事に一人前の退魔師になれるのでしょうか……?
妖しくもやさしい雰囲気を纏った作品です。
妖魔に対峙する翠が迷い、ゆらぐ繊細な心の動きが丁寧に描かれています。
だからでしょうか。翠の成長する姿が鮮やかにうつりました。
ちょっとシャレがきいている設定も面白かったです。
最初に出会う妖魔:サキュバスが潜んでいるのがまさかの場所でして。
今後、登場する妖魔たちもどこに潜んでいるのかドキドキします。
登場人物たち――翠と対峙している妖魔も含めて――みんなを、素直な気持ちで応援したくなりました。