補修版特典 もう少しだけ根性論をおすすめしてみましょう

 せっかくですので、根性論の先に何があるか、その一端をお話しようと思います。


 社会的生活をしている上で、わたしたちは多くの人間と関わることになります。当然、色々な人格や性格の人間がいて、あなたにとって好悪の別れる人もいるでしょう。会いたくもないような人もいるでしょうし、、お近づきになりたい人もいるでしょう。とにかく、世の中には自分では想像できないくらいの種類の人間が存在していることは、わたしに言われるまでもないと思います。


 そういう中で、やけに説得力のある人間に出会ったことはないでしょうか。特に声が大きいわけではないし、存在が輝いているわけでもないのに、その言動に妙な説得力と信ぴょう性がある人です。ちょっとばかり話をしてみるだけで、その人の頭の中にはかなりの引き出しがありそうで、持ちネタや話題にも種類が豊富そうな人って、あなたのまわりにはいませんでしょうか。


 ここまで書けばお察しだと思いますが、根性論に基づいて自分を磨き上げていくと、そういう人間になれます。そして書く文章にも説得力や魅力が出てきて、美文や上手な文章でなくとも読者を惹きつけられるようになります。


 わたしたちがある作家について、言う事、書いてあることに厚みを感じるのは文章自体の良し悪しではなく、その底辺にある人格を感じているからです。どんな荒唐無稽な論理であっても、「なるほど」と思わせるのはその人のそういったファクターが多分に含まれているからなのです。


 小説を書いているとき、もっと上手に書かないと読者から褒められない、もっと面白い話を考えないとウケない、と考えがちですが、本著はそういうことではなく、自分を磨けばいいのですよ、と主張しています。様々な例や視点から説明をして、それを包括したものを根性論と言っているわけです。


 物語がつまらないから読まれない、文章が下手だから読まれない、というのは仕方のないことかもしれませんが、書いている人間に魅力がないから読まれないという事実には、わたしたちは耐えられそうにもありません。ですので、表面上の文章の良し悪しやネタの面白さを追うより、じっくりと自分自身を練り上げることをしてみてはどうかとオススメしている次第なのです。


 一朝一夕では為し得ない、人格の筋トレのようなものですが、長いスパンで物書きをしたいのであれば、根性論はきっとあなたを魅力的な人間にしてくれます。その先に、読者からの共感や尊敬を手に入れられるはずです。そんな未来を夢見て、もう一度、文章の表面的なことを捕らわれずに、自分自身を鍛えることを考えてみてはいかがでしょうか。


(跋でしめます)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る