母が「弟」として連れてきた一台のロボを見て、思わず面食らった。
そりゃそうだ。今も弟はいるんだから。
ロボは弟の真似をし続ける。馬鹿らしいと思いながらも、ふてぶてしく「家族」でいるロボに苛立ちが募っていき……
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本作が怖いかどうかは人それぞれかと思うが、読んだ際のむず痒さは特筆すべきだろう。
普通のホラーが爪を立てて痛みを与えるなら、この作品は痒みのある場所をひたすらくすぐってくるかのようである。
やんわりと、しかし確実にペースを奪われていく感覚。
ロボットという言葉の語源は「労働」から来ているとされているが、彼らの精密な労働は「奉仕」を超えて「害意」にすら達するのかもしれない。