第5話 書いてみたい
もちろん私はカクヨムに本名で登録しているわけではありません。
りりぃこはニックネームです。
ただ、前も言いましたが、私は名前を考えるのが面倒なので、使い回しをします。
はい。この度はゲームなどのニックネームです。
私はゲームでの自分の名前をりりぃこにしていることが多いです。
メイちゃんとは一緒にゲームすることが多いので、そのニックネームの事を知っていたのです。
「りりちゃんと同じ名前だから、見ちゃったんだよね。一瞬これりりちゃん書いたのかと思って」
「違う」
自分でもびっくりするくらい、即答で否定していました。
「私、知らない。BLとかあんまり知らないし」
人は自分を守るために、嘘に嘘を重ねます。
「え、前に衆道詳しく教えてくれたのに」
「それは大人の一般教養だから(嘘)知ってるだけ」
「なーんだ」
メイちゃんはなぜかつまらなそうです。
「誰でもこれで小説かけるって聞いたから。りりちゃん書いてるなら、教えてもらおうと思ったのに。私も書いてみたいから」
思いがけない言葉でした。
私は自分を守るのに必死で、メイちゃんがまさかそんな気持ちで聞いていたとは夢にも思いませんでした。
「好きに書いていいんでしょ?もしも竹中半兵衛が長生きしたら、とか、信長が明智光秀と仲良しだったら、とか」
メイちゃんはキラキラしていました。
「そうだね。好きに書いていいね。今からでもノートにでも書いてみればいいよ。自分が面白いと思う話を書いてみればいいよ。嘘歴史でも何でもいいよ」
小説って好きに書いていい。そりゃそうです。
人が初めて小説を書こうと思った瞬間に、私はその日立ち会ったのかもしれません。
「でも、ネットに上げるのはもう少し待とうね」
もう少し。
もう少しだけ。
自分でアカウントを持てる年になって、
自分でタイピングできるようになって、
メイちゃんにネットリテラシーが備わったら。
そしたら一緒に小説を書こうね。
……あ、やっぱり身バレはしたくないからこっそりとだけど。
「ねえ、このりりぃこって人の別の小説のタグに『変態』ってあるんだけどさ」
「もうタブレット使うのおしまいにしようか!!」
END
※※※※※※
※こちら、メイちゃんに見られてもバレないような工夫をしておりますが、またバレそうになったら、この作品は消滅します。
歴女な姪っ子に、自分の書いてある小説がバレそうになったある日のこと りりぃこ @ririiko
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます