第8話 俺と智紀と弟③

※6.7話の続きです!



弟と親友の距離が近い。


小さい頃から仲が良かったのはある。

智紀は面倒見がいいから、俺の一個下の弟をよく可愛がっていた。


智紀は成長が早くて、中1でもスラッとしていた。

智紀が座ってると、弟がちょこちょこ寄ってきて、智紀の前に座る。

智紀も嫌がらずに後ろから抱っこして、弟のお腹を触ってたりする。


智紀がポッキーを咥えてると、弟が「俺も食べたい!」と言い始め、智紀のポッキーを端から食べ始める。


そこ、持ち手だから、チョコついてませんけどー?


弟が大きくなったら、こいつら付き合うんじゃねーの?って思ってた。


♢♢♢


高3になったある日、三人でゲームをしてたら、彼女から電話があった。

ちょっと抜けて、リビングで話して、また部屋に戻った。


あれ……なんか二人の距離近くない?

でも態度は妙によそよそしい。

怪しい、怪しすぎる。



ある日、俺は罠を仕掛けることにした。


また三人で俺の部屋に集まる。

俺は彼女に呼び出されたことにして1時間くらい出かける、と言って部屋を出る。

タブレットをベッドの下に置いて隠し撮りをする。

もし……二人がヤバい関係なら……撮れてしまうかもしれない……ヤバいやつが……


♢♢♢


智紀が帰り、麗佳も自分の部屋に戻った。

ドキドキしながら、タブレットの録画を再生する。


画面の右端に、見切れているが二人が映っている。

俺がいなくなると、智紀が麗佳の腕を軽く引っ張る。

麗佳も自分からくっついていった。

ちょうどあごから上が映っていないが……

これ、絶対キスしてる。


チュ……

クチャ……

チュ……チュ……


いや、どんだけやってんの!

俺、彼女ともそんな濃厚にやったことない!


「クレちゃん……大好き……」


麗佳が甘い吐息を吐きながら、智紀に抱きついてまたキスをする。


はぁ……チュッ……くちゅっ……はぁはぁ……


さっきより激しい。


麗佳が押し倒された。

麗佳は頭頂部がアップになっただけだが、智紀の顔がカメラにバッチリ映ってしまう。


ああ!どうしよう!

弟と親友のハメ撮りを俺は見るのか見ないのか……!!


……み、見る……



智紀は、麗佳の耳や首筋を舐め始めた。


「あ……ん……」


弟の喘ぎ声とか……聞く日が来るなんて……



麗佳の服をめくって、智紀は乳首を舐める。

動きから見るに、股間も触っているっぽい。


「んあっ……あっ……」


はぁはぁと、麗佳の乱れた息遣いが響く。

智紀は麗佳のズボンを脱がせて舐めているようだ。


いや……マジ……?

なんか、見ている俺のソレまで熱くなる。


唾液の音がいやらしい。


もう、俺、智紀がバナナ食ってるとこ見れないわ……



いよいよ智紀がズボンを脱ぎ始める。


え、待って。

女の子じゃないんだよ。

ど、どこに入れんの?


って、あ、え、ああーっ!ちょっとぉ!!


「ん、あっ!あっ!……」


麗佳が智紀の腰の動きに身を委ねている。

徐々に激しくなって、麗佳が体をビクつかせている。


俺は……彼女をこんだけ感じさせたことはない……

めちゃくちゃ気持ち良さそう……

お、俺も智紀にやってもらおうかな……

見た目だけなら、俺と麗佳は誤差程度だよ……



智紀も耐えている顔だ。

くそ……俺ならもう出ちゃってる……。



「麗佳……後ろもしよ……」


智紀がそう言うと、麗佳は可愛く、うん、と言った。



タブレットに……麗佳の顔が映る。

こ、こんなアップで、弟のヤッてる顔を俺は見るのか……!

…………見るけど……………



麗佳の喘ぎ声のオンパレードが続く。


「……麗佳……イクね……」


「う、うん……」


……

……

……

親友の……イクところの顔を見てしまった……



「……ごめんね……先にイッちゃって……ちゃんと麗佳のもするから」


智紀は、麗佳を抱き起こした。


お、弟のそんな場面を、こんな真正面から見ることになるとは……



「クレちゃん……」


麗佳が呼ぶと、智紀はキスをした。

智紀の激しい手の動きで、麗佳が果てた。


俺の部屋なんですけど……


「クレちゃん……大好き……」


麗佳はしおらしく足を閉じて、まだ二人でキスをしている。


……

……

……

俺、これからどうしたらいいんだろ……


♢♢♢


彼女と別れた俺は、度々智紀に擦り寄り、弟と間違って俺を抱いたりしないかなーなんてやってみたが、無駄だった。

仕方なく、あの動画で一人でする。


三人でいるとき、智紀がね、俺のこと邪魔そうに見てるのは知ってるよ。

俺だって、ちょっと後ろ向いてると、お前らがキスしてるの知ってるんだからな!

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恋愛?小説 ショート・短編集 千織 @katokaikou

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