第3話

学校での俺は超ド級の陰キャといった具合である。

特に友達もいない、恋人なんてもってのほか。


人の輪に入らず、授業前や休み時間は本を読むか、寝たふりをして時間が過ぎるのを待ち、放課後は部活にも入っていないため、即帰宅という流れだ。


小学生の時からこんな事を繰り返しており、中学生になってからも含めて約9年間こんな調子である。


中学生になってもクラスメイトの顔ぶれがほぼ変わらずといった状況のため、完全に俺は孤立してしまった状態だ。


誰に対してという話かもしれないが、言い訳をさせてほしい。


俺の前世は高卒社会人1年目の18歳である。

そんな俺が6歳や7歳といった子達と友達にという話だ。

年相応の会話というのが、端的に言えば死ぬ程恥ずかしい。

コ◯ンくんすげーよ。心の底から尊敬する。


といった理由から会話の機会を極力減らすようにしていたら、こうなってしまい、中学で本気出すと考えていたのだが、クラスメイトがほぼ変わらなかった為、急に話し出すのは等ぐだぐだしていたら、3年生になってました。


そんなこんなで、あっという間に放課後である。

本日行った会話は


「進路希望の紙、出してないの中野君だけだよ」

「あ、ごめん。忘れてた。明日持ってくるよ」


というクラス委員長との会話のみである。


そうして俺は、今日も一人、まっすぐ帰宅する。

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二度目の青春は @abcd_abcd

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