(先に読んでも大丈夫なあとがき)

「転生モノって流行ってるけど、もしも転生者が増えすぎて非転生者との人口が逆転したらどうなるんだろうな〜」


 ある日、ふとそう思いました。それがこの物語を書こうと思ったきっかけです。


 どうも。

 すでに本編を読んでくださった方もこれからもお読みになってくださる方も、あるいはたまたま何気なくページを開いた方も。こんなところまで覗いていただきありがとうございます。


 せっかくなので本編の解説などしたいところなんですけど、正直言って自身があとがきを読んでから本編を読むタイプなんですよね。もちろんネタバレ含みますとの注意喚起があれば従いますが、そうでなければ真っ先に読んでしまいます。

 そういう方、きっと他にもいらっしゃるのではないでしょうか。


 ですので。同様の読み方をする方々の為にもあまりストーリーに触れないように解説補足をいたします。何卒ご容赦を。

 お時間ありましたら是非どうぞ。


   ◎


 物話の最初期案ができたのは2021年の夏。

 スマホに当時のメモが残っていました。通勤途中、駅で電車を待ちながら色々と考えていた記憶があります。

 最初期案はもっとライトなSFっぽい世界観で、登場人物はおろか主人公の性格までかなり別物でした。内容も展開もほぼ原型がないです。唯一、完成版に引き継がれているのは市役所のくだりくらいですかね。


 なぜその最初期案の展開を変えたかと言いますと単純です。綺麗にまとまりすぎていたから。後味がすっきりとしていてなんか、物足りなかったと言いますか。

 それで一応エンディングまでプロットを組んで放置していました。


 時は経ち、2022年の秋。

 完成版に近付いた改訂案が頭に浮かびました。某インテリア販売チェーンで寝具を見ながら歩いていた時のことです。

 どうでもいいんですけど、昔から百貨店やショッピングセンターの家具インテリアコーナーを歩くたびに思うんですよ。もしここら辺のエリアがゾンビに襲われたらここに逃げてきて終末までの数日を楽しく過ごそう、って……そんなこと、思いませんか。


 話を戻します。

 改訂案はより完成版に近くなりまして、主人公はフリーターから学生に変更。内容も学校を舞台にしたダークファンタジー路線に、と考えていました。性格や役割はほぼ異なりますが、完成版の登場人物と同じ名前をもつキャラクターの原案もできつつありましたが、問題が二つ。


 まず根本部分は最初期案を引き継いでおり、主題と舞台が噛み合わない感じが抜けなかったんですよね。

 そしてもう一方、こちらが厄介でした。要は……シリアスすぎたのです。

 改訂案の主人公や周りの人物は皆いたって真面目で真剣で、共感能力が高く感情豊かな設定になっており、それでいて暗い展開が続くので書いているこっちまでなんかつらくなってきたんですよ。その為プロットは半端な出来で終わりました。


 さらに月日は流れ、つい先日。2024年の冬です。具体的には年始明け少しといったところ。

 小説を書き始めてしばらくですが、仕事の都合で投稿ペースが偏るのと、書いてるのが長編ばっかりなので、思ったのです。初めて読む方に申し訳がないな……なんか短編書いた方がいいかな……って。

 そういうわけで過去に考えた様々色々なメモを読み返し、その中でこの話をさらにリメイクしようと思い至り。

 で、完成版となりました。


 こうしてできた完成版『「非」転生少年』は、他の連載シリーズのお試しのような位置付けで読んでほしいと思ったりもしましたので、意図的に登場人物の一部を他作品のキャラクターに寄せてあります。


 「鈴木」は社会人経験を持たない「アレク」(『追放勇者と転生令嬢』)、「吾妻」は友達ができずにぼっちを極めた「Q」(『噂話の仕立人』)をイメージしていますので、もしお気に召せばそちらもどうぞ。

 そして、「辺見」。実を言うと、彼と「ネモ」(『デッドマンズ・ガーデン』)は原型が同じだったりします。先述した最初期案の主人公がほぼ「ネモ」に近いのです。「辺見」の好奇心、「桜井」の行動力、「七東」の積極性。そのあたりを足すとだいたい「ネモ」になるんじゃないでしょうか。一人称作品なので文体も近いです。やや物騒ですが是非。


 さて。内容に触れずに解説するのも難しくなってきましたし、宣伝も終えました。ここまでお付き合いくださり、改めましてありがとうございました。


 最後になりますが、小説を書く上で当方が最も楽しく気合を入れている作業について記しておきます。それは、キャラクターに名前を付けることです。

 どの作品におきましても、名前のある登場人物にはほぼ全て明確な由来があります。法則は所属グループや血縁者で揃えていまして、もじったものからそのままダイレクトな名前まで様々です。


 『「非」転生少年』におきましては、キャラクター名と一部固有名詞がアナグラムになっており、名は体を表していたりします。もしも途中でお気付きになった方がいたらすごい。

 せっかくなのでキャラクター名だけ以下に載せておきます。わりと直球なネーミングなので本編をこれから読もうかな、と思ってくださっている方はご注意を。

 よろしければ本編を読んでからご覧になり、くすりと笑っていただければ幸いです。


   ◎


「平凡」「並」

辺見稲穂(へんみいなほ)

「チュートリアル」

或内裕梨(あるうちゆとり)

「外れスキル」

鈴木晴流(すずきはれる)

「最低ランク」

桜井天威(さくらいてんい)

「チート」「勇者」

七東唯也(しちとうゆいや)

「ラック全振り」

仏倉凛世(ふつくらりんぜ)

「モブ」「地味男」

門司文雄(もじふみお)

「刀マスター」

珠灘飛鳥(たまなだあすか)

「成り上がり」

有賀里菜(ありがりな)

「社畜」「魔王」

朽山潮夫(くちやまうしお)

「辰」「巳」

満田(みつた)

「ザコ敵」

小手崎(こてざき)

「スライム」

井村一家(the Imuras)

「追放」「ざまぁ」

吾妻法斎(あづまほうさい)


 (In order of appearance)

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