ライジング・ハリネズミ

@iinosan_k

ライジング・ハリネズミ

西陽がお互いを溶かし合うのなら、


朝日はきっとハリネズミ。


静寂なる紺色の冬空に、


凍てついた空気と大地、


そしてわれら。


誰しもがすり寄り、待ち侘びた。


けれどもそいつは遠慮がちに顔を出し、


すわ一大事と大慌て。


澄んだ空に輝針を閃かせ、


ばっさばっさと貫いて、


慌ただしい時計の針と、


快刀乱麻の荒療治。


刺された痛みに顔を背け、


岩戸を挟んで身を隠し、


それでもすり寄る、無邪気なアイツは、


ライジング・ハリネズミ



針が抜けて、溶け落ちまして、


西のお家に帰るとき、


最後にチカッとかましてく。


やっとこ明日の朝までは、


空の思い出、瞳の影。


そうして向こうのお空の彼方、


広いお家にただひとり。


きっとまた会えるのねと、


丸まりながら眺めてる。


待ち侘びるのはみんないっしょ。


ライジング・ハリネズミ





此処まで読んで頂き、ありがとう御座います。


ハリネズミ可愛ね

2024.2.9 0:16

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ライジング・ハリネズミ @iinosan_k

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ