作品紹介 03 夜のCDショップ 作者 めへ様
【ストーリーと見所】
夜のCDショップで主人公が見つけた一風変わったジャケットのCD。不思議と、どうしようもなくそれに吸い寄せられるように購入し、彼はそこから流れる曲に聞きほれることになる。
次第に主人公の曲に対する執着は尋常ではなくなっていき、自分の全てを捨ててまで曲を聞き続け……。
といった感じで始まるホラー小説。
……ホラー?
いや、厳密にはホラーではないかも……。
実際キャッチコピーに嘘はなく、ホラー+バイオレンス+その他色々……といった感じ。
一言でいうのならば極めて暴力的で悪辣ななんとも形容しがたい何か。
勿論これは悪口ではない。
この小説はホラー的な何かに遭遇し、狂気に憑りつかれた主人公の行く先を見つめる物語である。
で、この小説の面白い点が一つ。
これ系のホラー小説といえば、狂気に憑りつかれた主人公が色々と周りを巻き込んでやらかすというのが割とよくあるパターンなのだが、こちらは狂気に憑りつかれた主人公がそれと同じかより大きな狂気によって振り回される話となっている。
その内容たるや実に悪辣で醜悪。早い話が非常に趣味が悪い(誉め言葉)
愉快なキャラクターも沢山出てきてどったんばったん大騒ぎ。
と、そんな感じの実に面白愉快で楽しめる小説となっている。
【個人的に気に入った点】
実際のところ物語の大半は悪意と狂気とグロで構成されている。それ自体はまぁ、そこまで刺さるところではないのだがここまで滅茶苦茶やってくれるとかなり楽しめる。
人間を解体して楽器にするところから始まり、そのコンサートの金欲しさに老婆の家に強盗に入ったと思ったらその老婆が強くて返り討ちになる話なんて誰が想像できるだろうか?
そんな感じの次に何が起こるか全く予想できない、こちらの想像の斜め上をぶっ飛んでいくストーリーに心惹かれないものはいるか?答えは否である。
更には主人公は色々な理不尽に巻き込まれるのだが、常識的に考えればさっさと逃げた方がいい。しかし、彼は逃げない。何故なら彼もまた最初の音楽によって狂ってしまっているから。
だからこそ巻き起こるトラブルの渦中にいる物語に説得力が生まれるし、実際に主人公は周りの人間の狂気に翻弄されながらも自部もしっかり狂っているといった風に強烈なキャラクターとして描かれているのも実に上手い。
【こんな人にお勧め】
グロ系が好きな人、混沌とした小説を読みたい人。
文体の雰囲気などはしっかりホラー小説しているので、勿論そっちが好きな人でも充分に楽しむことができるだろう。
というか色々凄いので、キャッチコピーにあげられている要素に抵抗がない人なら是非読んでみてほしい一作。
※繰り返しになるが、グロ成分は強めなのでその辺りが苦手な人は要注意。
【本編URL】
https://kakuyomu.jp/works/16817330663144478405
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