第2話 え?これって……異世界ですか?!
「ヨイショっと」
「英史……ホントに取り付けるの?」
「だって〜せっかく買ったのに付けないなんて意味ないじゃん?
それに、どんな機能がついてるのか早く確かめたいし笑」
「その、機能について気になるのはわかるし
ナビなんだから付けないのもおかしいのはわかるけど……」
「大丈夫だって!何かあったら俺がしっかり守ってやるからさ!」
――キラッ☆みたいにウインクされましても……
まぁ、この人のこういう冒険心溢れる所を好きになって結婚したんだし…
「仕方がないか…」
「なーにぶつくさ言ってんの?
あと少しでナビ付くよ!楽しみだなぁ( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ ) 」
「はやっ!もう付くの?流石だね〜」
「だろ〜?もっと褒めてくれてもイイよ☆」
「いゃ…さっきから言葉の端々に古さ
醸し出すのやめてよ( ´-ω- ) 」
「おぃ…古いとか言うのやめろよ傷つくだろ……」
「ごめん、ゴメン笑」
そんなこんなで怪しいカーナビゲーションが
私たちの愛車に取り付けられた。
「さて、電源入れてみますか…」
「ぇ…そんなスッ…と行くの?!
怖くないんかい(´°‐°`)」
「大丈夫だって!いくよ〜」
――トンッ
私の不安をよそに、英史が電源ボタンを押すと
ナビの液晶に
【I.S navigation】
という文字が映し出された。
「何か……めちゃくちゃ普通じゃない?」
「確かに…」
「えぇ〜俺、めちゃくちゃ期待したのにぃ」
「まぁまぁ笑」
私は特に何も起きなかったことに安堵しつつ
英史をなだめながらナビの液晶に再び目をやり
数種類のアプリが入っていたので
どんな物があるのかスクロールしていくと
【I.S map】というアプリに目が止まった。
「ねぇ、なんかココ、光ってない?」
「あ〜、ホントだね。押してみる?」
「や、やめてよ!何か危ない感じがする……」
「大丈夫でしょ!」
―トンッ
「ちょ、なんで押す……ん?」
「「うわあああ!!!」」
その瞬間車内は眩い閃光に包まれた―
△▽△▽△▽△▽△▽
「ぅ…ン?」
あまりの眩しさに目を閉じていた私は
ゆっくりと目を開けた。
隣には愛する夫が目を閉じて座っている。
「英史……?」
「うん?目、開けても大丈夫かな?」
「大丈夫みたい。」
私たちは戸惑いながらもお互いの顔を確認した。
「聖、怪我してないね。良かった…」
「英史も怪我してないみたいでよかった。」
「さっきの光何だったんだろ?」
「さぁ?って、あれ?何か外の風景が違くない?」
「あぁ!確かに!
いつの間にこんなに木が生い茂ったところに
移動したんだ?」
お互いの無事を確かめてあたりを見渡すと
そこは元いた駐車場ではなく
濃い緑の木々が生い茂る森だった。
「さっき、私たち駐車場に居たよね?」
「うん…」
「なんで、森?意味わからん!」
「俺だって、脳が追いついてない!」
「明らかにおかしいよね!
さっき光ってたアプリ押したからこうなったの?!
なんなの!?どうなってんの?!」
「聖、落ち着いて!
とりあえず、外に出てみよう。」
「ぇ…ヤダよ!怖い!」
「大丈夫。俺も怖い…けど、今外がどうなってるのか確かめないと。」
「わ、わかった…でも、絶対手を繋いで!」
「もちろん、じゃあ俺が先に出るよ」
―ガチャ、トス、トス―ガチャ
「聖、大丈夫だよ。出ておいで。」
「うん…」
外に出た私たちはしっかりと手を繋ぎ
車の周りを一周した。
「なんか…普通の森、みたいだね…」
「そうね…特に何もなさそう…」
―ガサッ―ガサガサッ
「ひゃああッ」
「うわぁッ」
突如、草が掻き分けられる音がしたと思えば
そこに現れたのは―
「「ウサギ?」」
その見たことも無いウサギは特に何をするでもなく
ぴょんぴょんと跳ねている。
「?―とりあえず、車の中に戻ろうか」
「そうね、そうしよう。」
車の中に戻り、私たちは現状を整理することにした。
「俺たちがあのお店でカーナビを買って
近くの駐車場に停めてカーナビを付けた。」
「その後、私たちはナビの中にあった
光るアプリを見つけてそのアプリを押したら
めちゃくちゃ眩しい光が放たれて……」
「目を開けるとこの森に居た…と
こういう事だよな?」
「そうだね。間違いない。」
「とりあえず、マップで現在地調べてみるか!」
「うん、今いる所を把握した方がいいかもね。」
そう結論づけた私たちは先程光っていた
【I.S navigation】というアプリを
起動させることにした。
すると―――
地図には何もない…ただ緑に塗られた広い範囲が
映されているだけだった。
「え?なんにも無いんだが(^_^;」
「というか、1面森?」
「ちょっとズームアウトしてみる?」
英史がマップを操作した数秒後、液晶に文字が映し出された。
【ようこそ、名無しさん。
ここはあなたたちの概念で言うところの
《異世界》です。
まずはプロフィールを入力して下さい。】
「は?どゆこと?」
「いゃいゃいゃ…意味わからんて!」
「「どーなってんの〜!?」」
異世界ナビゲーション @mayoi0012
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